Bio Technical フォーラム

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実験の取り扱いについて トピック削除
No.11166-TOPIC - 2023/02/02 (木) 05:15:36 - s
ある実験でA vs Bの2群で比較するとき、
A(n=3) vs B(n=3)を3回繰り返し評価するとき、
n=9にするのか、1回毎の平均をとって、n=3にするのか
どちらを選択されておられますか?
論文を拝見すると両方あるような気がいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.11166-18 - 2023/02/13 (月) 01:59:54 - 2ME
まあ質問も個別具体的なケースではなく、一般論を聞いているようなので、みんな一般論でしか答えられず、となれば、たいていはn=3と答え、場合によってはn=9と答える、ということでしかない。
ということで私も一般論として書くことを許していただきたい。

統計処理というのは一見機械的な処理に見えながらも、実は人間の恣意的な、ないしは感情的な、処理の余地が大きい。建前は感情を排しているというけれども。


それでA群のみを書けば

1st; a1, a2 ,a3
2nd; a4, a5, a6
3rd; a7, a8, a9

で、この場合、a1〜a3をreplicateのつもりかindependentのつもりか、によって異なる。前者なら全部でn=3、後者なら全部でn=9。

ここで細胞か個体かによって違うように見えるのだが、個体にしても同腹の個体ならreplicatesとみなす人もひょっとしたらいるかもしれない。まあそれはわからないが。

細胞にしても、いってみれば、mixtureを3分割して3wellに蒔けばreplicatesと見るのが通例だと思うが、なのでn=1なのだが、ピペッティング時間を気にしたり各wellのpositionを気にすれば、それもまたindependentsとみなせなくもない。ただ、そういう観点で実験することはほとんどないだろう。ないわけではないが。

一方、1st実験、2nd実験、3rd実験もindependetsとみなしたがるのは、それが異なる日時に行ったからだろうからで、しかしながらこれも時間という要因を無視すれば、ただのreplicatesとみなせなくもないし、だったら、3つのreplicatesと大差ないとみなすこともできなくもない。とすれば一周回って元に戻ってn=9とすることもみなすこともできなくもない。

結局は、実験をデザインする人がどういう哲学でデザインしているかによって、統計の取り方が違ってくるということではないかな。

(無題) 削除/引用
No.11166-17 - 2023/02/11 (土) 21:42:53 - G25
細胞のストックから培養に供す細胞が分取された時点で、母集団から一部分をサンプリングしたことになりますね。当然、バイアスはかかります。

本来ならば、母集団全体からランダムに取られたサンプルであるべきところ、母集団から抜き取ったバイアスのかかった集団の中からサンプルを取ったら、それらのサンプルはランダムとは言えず似たもの同士になるというバイアスがかかっています。

(無題) 削除/引用
No.11166-16 - 2023/02/11 (土) 21:12:16 - qq
>しかし、同じ細胞培養から分けてtriplecateしたなら、そのサンプルは母集団からお互いに独立に選ばれたとは言えません。

そこは、ちょっとよく解らなくて、マウス3匹を使った実験だとtriplicateと言うと思うけど、培養細胞だとそうはならないというのはなぜなんでしょうね?
というのは、私達はフィールドワークで野ネズミ3匹を使っているのではなく、特定の系統のマウスを3匹(とか5匹とか)使っているわけで、ある意味遺伝的に均一(に近い)動物を注意深く使っているのですよね。
それでも動物個体だから独立していて、培養細胞だとクローンだから独立していないというのは、変なんじゃないですか?
と、、、少し思うわけです。

(無題) 削除/引用
No.11166-15 - 2023/02/11 (土) 19:11:29 - G25
n=3にすべき。

>A(n=3) vs B(n=3)
これはそれぞれn=1であって、
>3回繰り返し
でn=3です。

>A(n=3) vs B(n=3)
このtriplicateは妥当な測定値を得るためのものであって、測定方法の一部のようなもの(測定装置の多くは揺れ動いたりノイズを含んでいる入力値を何かしらの処理によってまるめて測定値として表示しているわけで)。

triplicateの平均値をとるとは限らず、中央値を取るかもしれないし、多数決で外れ値をハブるかもしないし、それは実験者のルールにしたがえばいいと思う。

生命科学系の研究者に対して統計処理の啓蒙をめざした記事(その草分け)
https://rupress.org/jcb/article/177/1/7/34602/Error-bars-in-experimental-biology
これの、
Replicates or independent samples—what is n?
あたりを読んでみてください。

推測統計のサンプルというのは母集団から無作為、独立に選ばれたものでなければならず、n=9といったら9検体が互いに無関係に選ばれなければなりません。しかし、同じ細胞培養から分けてtriplecateしたなら、そのサンプルは母集団からお互いに独立に選ばれたとは言えません。

(無題) 削除/引用
No.11166-14 - 2023/02/11 (土) 18:54:29 - qq
引っ掻き回しておいて申し訳ないけど、n=3だろうね。
n=3で有意差幾らだった。これを3回繰り返しても同様な結果だったと言うでしょうね。
ごめんなさいね。

(無題) 削除/引用
No.11166-13 - 2023/02/11 (土) 14:15:32 - おお
と言うか事で、皆さんこのようなケースでn=9でやりますか?

勿論色々な見方が可能性としてできますという話は否定しませんけど。

(無題) 削除/引用
No.11166-12 - 2023/02/11 (土) 14:11:32 - おお
>[Re:11] 瑯崎さんは書きました :
> n=9でやる派です。平均でn=3だと(検定や信頼区間だすなら)自由度が
> 減りそうなので。

レフェリーの立場でそうしてたらn=3として計算しろと指示してしまいそうだけど。独立した3回の実験で再現性が取れたと言いながら(と言う趣旨)で9ってなんでやねんって思う。

それに一回の実験で3つのウェルにまいたとしても、独立というのは難しいと思う。例えば2かいめの実験ではどれも1回目より低めに出るとかいう経験もしている人も多いと思う。1回目のなんらかの条件に縛られて(例えば細胞をトリプシンで剥がしてまいた時の細胞の生理状態とか)、類似した数値に落ち着くのに対して、2回目はその該当する条件が微妙にでも違ってしまっていて、その条件に縛られ数値が上下するなら、9個独立したものといい難い。

とおもってしまうのだが、、、

(無題) 削除/引用
No.11166-11 - 2023/02/11 (土) 13:34:53 - 瑯崎
n=9でやる派です。平均でn=3だと(検定や信頼区間だすなら)自由度が
減りそうなので。
ただ、実験法そのものを評価したいときは
室内再現性を意識し、作業者や試薬のロット違いも考慮して
くり返しありの二元分散分析を使うともしれません。

(無題) 削除/引用
No.11166-10 - 2023/02/03 (金) 11:10:10 - asan


どちらが正解というものでもないので、その実験の性質や何を1つの実験とみて統計処理を行いたいかで判断してください、としか言いようがない。

1回の実験の平均を3回に分けて実験をこなってN=3として比較するということは、それぞれの平均値に対するreplicateを取得していることになるし、1回の実験を一度に3つおこなってそれを3ターンやってN=9とみなすということは一度に処理した各回の3つをそれ以外の回の場合と全て独立した事象として統計処理をしているだけの話です。実験の都合上(マウスのlittermateのジェノタイプや物理的時間的制約など)で一度に十分な処理ができない場合や完全に同数を処理するのが難しい場合はそうするのが一般的です。しかし、異なるタイミングでできるだけ条件を揃えたとしてもやった時のセットによってバイアスがかかるというならその都度比較したほうがいいし、もっというと、各ロットでの相対値に関して変化量(fold change)で統計処理をすることで規格化した数値の統計比較をするということもあり得る話。

実験の仮定からして本来ならば独立事象としてN=9としたほうが自然だが、実験セットによってどうしてもばらつきに癖がでてしまうから各回アベレージ化して数字にしたい、というなら別にそれでもいいと思うけど、ちゃんと処理したことがわかるようにメソッドやレジェンドには記載したほうが親切。

この意見は、賛否があるかもしれないけど学術研究は作法に正解があるようで正解はないので、示したいことをどうやって学術的に証明するかもその研究の評価対象とすべき。どうしても実験によってはノイズは入るものなので自分の主張したい結果が見せ方で不本意な形で伝わってしまうというなら(妥当な範囲で)、見せ方や処理の仕方を考えて結果を示すほうが丁寧なことだってある。正しくないことをごまかすために不自然な統計処理をしていいといってるわけではないです。

(無題) 削除/引用
No.11166-9 - 2023/02/03 (金) 09:19:14 - ごんべえ
おおさんの投稿に被せてしまいました。すみません。

一つの実験で3ウェルつかい、それで統計、検定を行うことは全くないわけではありません。しかし再現性を示したものにはならないので、あと二回ほど3ウェルつかって統計処理を行い、3回やって、すべての実験で統計的有意差がでるというやり方もあると思います。

 このお考えは本質的に私の意見とも通じていると感じます。

(無題) 削除/引用
No.11166-8 - 2023/02/03 (金) 09:16:55 - ごんべえ
これはいつも自分自身気をつけますが、本質は「異なったラボでも結果として再現ができる」ことだと思います。

自分的には
1)条件を検討する過程を含めて、傾向としてはこうだという再現をとっていく(3回以上はやっているかなと思います)
→異なった継代のものからサンプルを作成、ただし必ずしも異なった細胞ストックではない

2)最終的に統計処理をかけるために、きめ実験を行う(同一継代からn=3以上を確保)

というやり方でやっています。ただし、やはり差が微妙であるときは上記にこだわると危険でむしろ、おおさんのおっしゃるようなより慎重な方法でやる必要があると思います。ただし、細胞ストックを変えれば表現型が変わる可能性があるのも事実です。また、起こした細胞が早い段階で何らかの不具合が生じればそれも後の表現型を動かす要因となると思います。ゆえに「通常」は、異なった継代でnを確保するにこだわることに意味は薄くなってくると思います。むしろ再現を取ることが難しい実験系であれば、それをマテメソに明示するべきかなと思います。

(無題) 削除/引用
No.11166-7 - 2023/02/03 (金) 04:06:02 - おお
>[Re:6] qqさんは書きました :

まあ見方次第ではありますが、独立した実験の数をnとするのは、再現性を重きをおいているという視点だと思います。この点において統計学的な特に検定などの従来のコンセプトと少しズレが生じていると思います。逆に言うと再現性を示すために、従来の検定(主旨を違うものを)利用しているだけとも言えるでしょう。また体の中であるある特異的な分裂回数(培養において継代数)だけで起こる現象でないのなら(例えば今週はDNA修復機構が働き、来週は働かないとかないわけですし)、細胞を培養して継代数が数回変わっていたとしてもその現象を起こすべく下地は持っているわけですから、そういう意味では広い意味で継代数の違う細胞も母集団とも言えると思います。

一つの実験で3ウェルつかい、それで統計、検定を行うことは全くないわけではありません。しかし再現性を示したものにはならないので、あと二回ほど3ウェルつかって統計処理を行い、3回やって、すべての実験で統計的有意差がでるというやり方もあると思います。

(無題) 削除/引用
No.11166-6 - 2023/02/02 (木) 22:25:25 - qq
3ウェルと1ウェル3回が基本的に異なるのは、
1)3ウェルが完全に均質なコピー3つであることと、
2)3回の1ウェルは、相互に時間的・細胞継代回数的に異なる
からというふうに考えるのでしょうね?
たくさんのサンプルから任意に取り出した3つであるというふうに考えると、3ウェルは、独立した3回の実験というふうにも読み取れるような気もします。
「ちゃんとやってる感」で言えば、時間の異なる3回の実験でn=3というふうに考えるのが美しいのかもしれません。(まあ、現実的に安心できる)

一方で、「異なる時間に実験した3回のデータ」と、「3分割した試料で実験した3データ」に、原理的な違いを明示できるような気がしません。
あえて異なる時間に実験した3回の違いは、現象の分散を見ているというよりは、手技的・技術的な分散を議論しているような気もします。
本当に表現したいのは、生命現象自体の分散を表現したいのだろうから、むしろ同時にトリプリケートで検定する方が実は適正なのではないでしょうか?
と、あえて逆説を持ち出してみたりする。

(無題) 削除/引用
No.11166-5 - 2023/02/02 (木) 09:47:35 - s
おお様

ご回答ありがとうございます。
とても参考になりました。

(無題) 削除/引用
No.11166-4 - 2023/02/02 (木) 08:29:02 - おお
第1回目の実験でコントロールの細胞を3 wells の平均を取るのは測定値を正確な値に近づけるためです。Well間でブレがなく正確に測れるのならば1 wellでいいです。DNA量をA260で測るとき同じサンプルから3回測ることは普通しないのと同じような意味です。テクニカルトリプリケートとかいうふうに表現する人もいると思います(ホントはこの用語をあまり使いたくない)。ですからこの3つの平均でサンプル数1つ分(n=1)でこれを三回繰り返してn=3になると思ってください。

(無題) 削除/引用
No.11166-3 - 2023/02/02 (木) 08:09:57 - s
おお様

言葉足らずですみません。
例えば、コントロール細胞とノックダウンした細胞の増殖の変化をみるときに
第1回目の実験でコントロールの細胞を3well ノックダウンの細胞を3well使って評価し、第2、3回目も同様に行った場合になります。
統計で評価するときにn=9で評価するのか
第1回目の平均値、第2回目の平均値、第3回目の平均値のn=3で評価するのかという意味でした。

(無題) 削除/引用
No.11166-2 - 2023/02/02 (木) 07:41:16 - おお
>A(n=3)

この3はどこから来た3ですか?
96 wellとかの3wellですか?
Transfectionしてクローン化した細胞が3種類あると言うことですか?
毎回3匹のマウスから何かを採取して、合計9匹使ったっていうことですか。

実験の取り扱いについて 削除/引用
No.11166-1 - 2023/02/02 (木) 05:15:36 - s
ある実験でA vs Bの2群で比較するとき、
A(n=3) vs B(n=3)を3回繰り返し評価するとき、
n=9にするのか、1回毎の平均をとって、n=3にするのか
どちらを選択されておられますか?
論文を拝見すると両方あるような気がいたします。

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