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PCR酵素の活性温度について トピック削除
No.11157-TOPIC - 2023/01/31 (火) 18:15:09 - coffee
すみません、疑問に思ったことがありましたので、こちらで質問させていただきます。

PCR用のKOD等のα型の酵素ですが、60-68℃付近で酵素活性の最大を示してヌクレオチドを伸長させますが、同時に、3'⇒5'のエキソヌクレアーゼ活性も示すと思います。
この3'⇒5'のエキソヌクレアーゼ活性も同じ温度帯で最大活性を示すと考えてよいでしょうか?
それとも、最大活性温度が異なるということはあり得るでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.11157-10 - 2023/02/04 (土) 03:14:13 - おお
https://reader.elsevier.com/reader/sd/pii/S0021925818539491?token=F42B7A05A594508D38BE12B53EC6BC95CEA7814DA5140CCBCBC921435D89561D95F1CC2E0F626ED2EC509AE4A937A796&originRegion=us-east-1&originCreation=20230203174205

Tliという酵素については論文がありますね。なので他の酵素もと思ったけど見つけきれない、、、

(無題) 削除/引用
No.11157-9 - 2023/02/03 (金) 18:01:42 - coffee
G25さま、SYBR masterさま

ありがとうございます。
pol活性より3'⇒5'exo活性が優位になることは、反応の条件次第ではあり得そうですね。
また活性の失活についても理解しました。
大変参考になりました。

ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.11157-8 - 2023/02/02 (木) 00:37:20 - SYBR master
>[Re:6] G25さんは書きました :
> いずれにせよ、校正活性のある酵素のPCRでは反応後速やかに適当な処理をせず長時間放置すると、PCR産物の末端に削り込みが起こってきれいな平滑末端じゃ無くなっていくなんてことが言われてる。確かに帰り際にPCRかけ始めて、終了後4℃で朝まで保持したりすると、ベクターへの組込みの効率が悪い
> 感じがしました。

多分それは、逆に"差があったこと”は無いので、比較した実データは有りませんが、"気のせいです”。

> あなたの言うように、低温にして活性が減弱した時に活性のバランスがエクソヌクレアーゼ優位の方に傾くからかもしれないけど、
> 単純にdNTPが枯渇してきてポリメラーゼ活性だけ反応速度が下がってくるためじゃないかと、私は考えています。

PCR等で増幅がプラトーに達するのは、dNTPの枯渇では無く、"primerの枯渇"が先です。そもそも投入する濃度が、dNTPはmM なのに、primerはmicro Mです。stock溶液の時点で、たいてい500倍以上の濃度差があります。それに加え、実際のPCRの時は、primerの投入量の方が少ない(3-5倍程度)ので、伸張したいDNAの長さ(たぶん 2 kb程度までですが)に依存はしますが、primerが先に枯渇します。なので、その仮説は物理的に否定できます。

(無題) 削除/引用
No.11157-7 - 2023/02/02 (木) 00:19:14 - SYBR master
>[Re:5] coffeeさんは書きました :
> STBY様の見解では、exo活性は低温でもほぼfullに近い活性を持っているとのことですが、反応させる際に低温になればなるほど、本来のヌクレアーゼ活性は下がるので、exo活性がヌクレアーゼ活性より優位になるということはあり得るでしょうか?

polymeraseのヌクレアーゼ活性で問題になるのは、3'-5'exo活性です。分けて考えるのは間違っています。裏付けになる実データを持ち合わせていないので個人的な見解ですが、低温ではexo活性がpol活性より優位にはなり得ると思っています。KOD-Dashのcolony-PCRキットでの経験(-20度保存)がそう考えさせています。

> また、反応の最後に行うような高温での酵素の失活処理は、ヌクレアーゼ活性に対しては有効だと思いますが、exo活性に対してはあまり効果はないでしょうか?

非耐熱性酵素は、熱変性で不可逆的に立体構造を失いますので、pol活性が失われれば、ヌクレアーゼ活性=exo活性も失われると考えています。実際、phi29でのDNA合成は熱変性でexo活性は失われますので、増幅産物を4度で保存していても壊れていた事は無いです。因みに、G25さんも勘違いされているかもしれませんが、polymeraseのヌクレアーゼ活性で問題となるの活性は、3'-5'exo活性=すなわち"校正活性"です。5'-3'exo活性はPolIやTaq等が持っていますが、3'-5'exo活性に比べてかなり弱い活性なので(ただデータは見たこと無いけど)、余り気にかけて考えたことは無いです。たぶんendや5'-3'exo活性はssDNAに対しては殆ど活性を示さない。もし示したとしたらqPCRのprobe系キット(Taq Man probe)とかは使えなくなりません?

(無題) 削除/引用
No.11157-6 - 2023/02/01 (水) 23:09:35 - G25
横着な書き方をしたので混乱させてしまったかもしれません

exoというのはエクソヌクレアーゼ活性、校正活性のことです。あなたの言うヌクレアーゼ活性。
対してDNA伸長をするのはポリメラーゼ活性

酵素の熱失活はタンパク質の熱変性だから、ポリメラーゼ活性を残してエクソヌクレアーゼ活性だけ殺すタンパク質のの変性は考えにくい。

いずれにせよ、校正活性のある酵素のPCRでは反応後速やかに適当な処理をせず長時間放置すると、PCR産物の末端に削り込みが起こってきれいな平滑末端じゃ無くなっていくなんてことが言われてる。確かに帰り際にPCRかけ始めて、終了後4℃で朝まで保持したりすると、ベクターへの組込みの効率が悪い
感じがしました。

そう言うことが起こるのは、
あなたの言うように、低温にして活性が減弱した時に活性のバランスがエクソヌクレアーゼ優位の方に傾くからかもしれないけど、
単純にdNTPが枯渇してきてポリメラーゼ活性だけ反応速度が下がってくるためじゃないかと、私は考えています。

(無題) 削除/引用
No.11157-5 - 2023/02/01 (水) 22:25:18 - coffee
G25さま、SYBR masterさま

貴重なご意見ありがとうございます。
大変参考になります。

STBY様の見解では、exo活性は低温でもほぼfullに近い活性を持っているとのことですが、反応させる際に低温になればなるほど、本来のヌクレアーゼ活性は下がるので、exo活性がヌクレアーゼ活性より優位になるということはあり得るでしょうか?
また、反応の最後に行うような高温での酵素の失活処理は、ヌクレアーゼ活性に対しては有効だと思いますが、exo活性に対してはあまり効果はないでしょうか?
たびたびの質問申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.11157-4 - 2023/01/31 (火) 23:06:16 - SYBR master
>[Re:2] G25さんは書きました :
> いや、exo活性の高低でエラーレートが左右されるか?

exoの活性の強さは、使用した経験上では、phi29>KOD>Pfu>or=T4 polです。
もう一個、PCR上手くいかないくらいexo強い、訳のわかんない耐熱性酵素を試しで使用したことあるんですが、それは除外しておきます。

この順序で基本的には増幅産物(T4除く)の、Sangerのシークエンスデータから見ると、エラーレートは下がっている感じはします。phi29は微生物のwhole genomeレベル(3 Mb)で増幅しても、変異と思われるモノは見つかりませんでした。たしか、Bac増やしていた人も、変異なかったらしいです。KODは6-8kb増やしたモノでは、変異は入っていませんでした。Pfuは、単品では無くLA-Taqですが、7 kbで1箇所変異が入っていたので、それ以降使用していません。

>(exo活性を最大にする温度条件ではエラーレートが下がる)?
これはたぶん温度条件では無く、詳しくかけませんが、反応組成条件に依存すると思います。

(無題) 削除/引用
No.11157-3 - 2023/01/31 (火) 22:43:15 - SYBR master
基本的なデータを持っているわけでは無いので、これまでの"経験”として聞いて下さい。

KODは京大の今中さんのグループが取った酵素ですが、最初の販売ではexo活性が強すぎて、On iceで反応液を調製してもprimerが"ガシガシ”削られて、調製にもたつくとPCRが上手く動かないことがあったので、初期は使い辛い酵素だったと記憶しています。

その後、exo活性に対するモノクロ抗体が取られ、それを混ぜ合わせてKOD-Plus(その頃流行っていた、hot-startに変更)が販売され、さらにexoのドメインを削ったKODを混ぜ合わせたKOD-Dashが販売されました。TakaraのLA-Taqが、TaqとPfuを混ぜ合わせた酵素なのですが、それに比べKOD-Dashは同じ酵素由来なので反応条件設定が容易い?が売りで、販売されていたと記憶しています。

初期のKOD-DashはM13 primers(ToyoboオリジナルのP7,P8で少し長めのprimerです)と一緒に混ぜたPreMixが、pUC系のplasmidのColony-PCR専用のキットとして売られていました。たしか2x Mixで使用の手順は現在のKOD-Oneみたいなやつです。当時Colony-PCRを多用していたので頻繁に使用していましたが、4度での保管では1-2週間、-20度保存していても1-2年後には、primerが削られてPCRが上手く走らないことが経験的にありました。このキットは数年前?に販売中止になり、現在は販売されていません。

以上の経験から、polymeraseのexo活性は、ssDNAに対しては低温でもほぼfullに近い活性を持っていると思って扱っています。

(無題) 削除/引用
No.11157-2 - 2023/01/31 (火) 18:37:33 - G25
KODがどうかは知りませんが、T4 DNA polymeraseはpolymerase活性とexonuclease活性のバランスが温度によって違います。同一の酵素でpolymeraseとexoの至適温度が同じであるという理由はないと思います。

ちなみに補因子のないin vitro反応で37℃など高い温度ではT4 polのexo活性とpoly活性の差が縮まるので、末端平滑化のときなどは12℃など低温で反応させないと末端の削り込みが起こって平滑化が失敗しやすいです(とMolecular Cloning に書いてあった)。

ただPCRのように基質(dNTP)が潤沢な条件では伸長可能なときは伸長反応が圧倒的優位で、3'ミスマッチがあって伸長反応が滞ったときだけexo活性が顕在化するわけで、必ずしもexoの活性が最大でなくても構わないですよね。
いや、exo活性の高低でエラーレートが左右されるか?(exo活性を最大にする温度条件ではエラーレートが下がる)?

PCR酵素の活性温度について 削除/引用
No.11157-1 - 2023/01/31 (火) 18:15:09 - coffee
すみません、疑問に思ったことがありましたので、こちらで質問させていただきます。

PCR用のKOD等のα型の酵素ですが、60-68℃付近で酵素活性の最大を示してヌクレオチドを伸長させますが、同時に、3'⇒5'のエキソヌクレアーゼ活性も示すと思います。
この3'⇒5'のエキソヌクレアーゼ活性も同じ温度帯で最大活性を示すと考えてよいでしょうか?
それとも、最大活性温度が異なるということはあり得るでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。

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