オートクレーブは高温高圧の水蒸気が被滅菌物に当たることで、比較的低い温度なのにも関わらず、高い不活性化力、変性力を発揮します。逆に言うと被滅菌物が直接、水蒸気に当たるようにしなければいけないのですが(たとえば、廃棄物をいれたオートクレーブバッグも開口したままにするのが推奨)、当たるのは純水な水蒸気だけじゃありません。あまりきれいとはいえないオートクレーブ内部の汚れがエアロゾルとなって被滅菌物に付着します。
釜の汚染具合によってはRNaseが付着する危険もありますが、そうでなくても釜に入れる水などに含まれるカルシウム、マグネシウムほか金属イオンなんかは当然、付着します。金属イオンは無機触媒としてRNAの分解を促進します(その意味でもアルミホイルで蓋というのは気持ち悪い)。それでも「RNA抽出用のエッペン」というのが本当に抽出作業、生物試料を変性剤入のRNA抽出溶液でホモジナイズするようなことに使うなら、むしろかまわないですけどね。もともとRNaseの主要なソースである生物試料を不活性化してインタクトなRNAが取れるようにデザインされているのですから。ただ、精製されたRNAを回収するのにも同じチューブを使うとしたら、かなり危険だと思います。
先にもふれたように、そもそもRNaseはオートクレーブでは不活性化できないとされています。耐熱性のある器具、たとえばガラス器具などであれば250-300℃の乾熱滅菌機で数時間処理すれば不活性化できるとされていますから、まあ、かなりタフです。
>容器はビーカー等ではなく蓋がしっかりしまる容器に入れて使用した方がいでしょうか?
伝統的にインスタントコーヒーの空き瓶がよく使われてきました。今はインスタントコーヒー、ましてや大瓶入りなんて身近にないかもしませんが。 |
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