抗腫瘍効果があるという論文ならば、正常細胞の対照群は必要です。一つのに両方のデータを乗せて示すべきものと思います。でないと単にある物質の細胞傷害or 増殖抑制効果をたまたまがん細胞株で調べたというだけの話になります。また本当はこの種の研究は遺伝的なバックグラウンドを合わせる意味で、正常細胞(親株)とそれをトランスフォームして造腫瘍能を獲得した細胞(がん化させた細胞)の間で比較するべきではないかと思います。
抗がん剤を見ればわかるように, 一方に効いて、一方は効かないみたいな2進法的なものではなく、ほとんどはどちらにもそれなりに効きますので、正常細胞とがん細胞の間で感受性を定量的に比較するということになると思います。10nMで正常細胞は40%死んだのに対して、がん細胞は70%死んだみたいな。増殖でも生存率でも運動性でもなんでもいいので要は両者の差異を見つければ良いのではないでしょうか。 |
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