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dominant loss-of-functionってなんですか トピック削除
No.10853-TOPIC - 2022/10/08 (土) 01:44:37 - たま
dominant loss-of-functionと報告されている変異タンパク質をエレクトロポレーション法で強制発現させました。ウエスタンで確認をするとWTに比べて1/5ほどにバンド強度が減弱していますので一見実験が成功しているかに見えるのですが、これが、dominant LoFを意味しているのか、解釈に迷っています。

dominant LoFをgoogleで調べると定義は載っているのですが、上流域にstop codonができることと定義づけされているケースがほとんどで、我々が扱う1アミノ酸置換のdominant LoFはどういう状態を意味するのか、いまいち判然としません。

自分としては、dominant negativeとほぼ同じ意味で、変異が1 alleleでも入るとそのタンパク質は機能が失われたり発現量がなくなり、もう片側の1 alleleのタンパク質もつられて発現量が失われたり、機能がなくなると考えているのですが、合っておりますでしょうか。あるいはdominat negative以上にタンパク質の喪失が大きいとも思っているのですが、、、アドバイスをいただけないでしょうか。
 
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No.10853-9 - 2022/10/09 (日) 00:33:47 - momo
dominant negativeがantimorphの言い換えというのには賛同しますが、コンセプトが広く知られるようになったきっかけの文献は1987年のこちらだと思います。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2442619/

(無題) 削除/引用
No.10853-8 - 2022/10/08 (土) 17:39:07 - G25
五月雨になって読みにくくなりますが、
> antimorphと親和性の高い遺伝子は、産物がホモオリゴマーやホモポリマーになって機能するもの。

他にポピュラーなのはKinase-deadと言われるタイプみたいに、リガンド結合能はあるけどシグナル伝達の機能を失った変異のような分子デコイ。

(無題) 削除/引用
No.10853-7 - 2022/10/08 (土) 17:29:02 - G25
>dominant gain-of-function=dominant negative

違うでしょう。
GOFは野生型より機能が亢進した、あるいは野生型が有しない機能を獲得した変異ということ。
だからいくら野生型アリルがあっても、野生型アリルの遺伝子量を増やしたとしても、変異表現型を抑えられない。

negativeというのは野生型の機能を抑制する方向に働くということ。結果として野生型遺伝子の機能喪失型と類似した表現系が現れる(場合もある)。このことを表して、dominant LOFとか言っているのだと思うけど。

ちなみに、dominant negative という用語が広く普及したのは、前RNAi時代、効き目が不確かなantisense RNAくらいしか遺伝子導入でできる遺伝子潰しの方法がなかった時代に、それを叶える方法の一つとして注目されたから。それからもわかるように、negative正常遺伝子の働きを妨げ、抑制するということです。

きっかけとなった一つの論文
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8018332/

(無題) 削除/引用
No.10853-6 - 2022/10/08 (土) 17:03:15 - たま
>変異アリルがあるために野生型の産物の量が減るということですか?

説明不足でした。WTとmutantを強制発現させて、両方ともタグで見ているので、WTの存在量は分かりません。

(無題) 削除/引用
No.10853-5 - 2022/10/08 (土) 16:57:43 - G25
dominant LOFというのは聞き慣れないですが、dominant negativeと同じ意味なんですかね。dominant LOFにせよdominant negativeせよ、私は好きな表現ではないです。dominant negativeなんて使われ始めたのが90年代の新参者。意味的には1930年代にMullerが提唱したアリル分類のうちのanitmorphを、あまり洗練されていない表現ではない言い換えたに過ぎないじゃないかと当時から思っていました。なので、あえてantimorphという言葉を使います。


antimorphは野生型アリルの機能を妨げることで機能喪失型の表現型を起こすものです。したがって野生型アリルとヘテロ接合になった場合に変異型表現型が現れるので、優性  dominant になるわけです。
その点、野生型の遺伝子量が不足するために、見かけ上、優性(pseudodominat)になるhaploinsufficientはは明確に違います。

antimorphは野生型と量的な拮抗関係があり、
m/+ (mは mutant allele)で現れる変異型表現型は、+の遺伝子量が増えると弱まり、mの遺伝子量が増えると増強されます(転座、重複、あるいは近年では遺伝子導入で遺伝子量の変更したショウジョウバエなどの実験から)。
antimorphのホモ接合は表現型がひどくなる場合もあれば、劣性致死の場合もあります。劣性致死になるのは変異アリルが生存に必須な本来の機能を完全に失っていて、ただ野生型の邪魔をするだけになっている場合など。

hoploinsufficientの場合、m/+の変異表現型は+の遺伝子量が増えると復帰しますが、mの遺伝子量が増えても増悪しませんのでantimorphとは異なります。

antimorphと親和性の高い遺伝子は、産物がホモオリゴマーやホモポリマーになって機能するもの。
身近な例として、ヒトのアルコール耐性に関与するアルデヒドデヒドロゲナーゼのALDH2を挙げましょう。産物はホモテトラマーで機能する酵素で、野生型のモノマーが存在してもアミノ酸置換で酵素としての機能を失ったモノマーが混じると活性を失います。

>1/5ほどにバンド強度が減弱していますので一見実験が成功しているかに見えるのですが、

変異アリルがあるために野生型の産物の量が減るということですか?
あり得ると思うけど、メカニズムの適当な例がいますぐ思い浮かばない。
ホモオリゴマー形成するようなタンパク質ですか?

(無題) 削除/引用
No.10853-4 - 2022/10/08 (土) 15:13:45 - egeria
"Haploinsufficiency is defined as a dominant phenotype in diploid organisms that are heterozygous for a loss-of-function allele."という記述がありました。(PMID: 15716499)

ただ、Haploinsufficiencyはタンパク質の機能喪失だろうが遺伝子の欠損だろうが同様に起きる現象ですから、特定のアリルに対してと言うより遺伝子に対して使われる概念だと思います。「この遺伝子はhaploinsufficientである」みたいな。

(無題) 削除/引用
No.10853-3 - 2022/10/08 (土) 14:29:45 - たま
返信ありがとうございます。

言葉の定義なのかもしれないですが、非常に迷っていますが、アドバイスをいただきありがとうございます。

>dominant gain-of-function=dominant negative

単語の意味を考えると矛盾しないですね。一点気になるのが、domanant activating mutationとdominant inhibitory mutationも存在するので、実際には、domainant gain-of-functionはdominant negativeとdomainant activating/inhibitoryの3種類があるのでしょうか。。。。

>dominant loss-of-functionはいわいる Haploinsufficiency
これも単語の意味を考えると矛盾はしないですね。。。。半分の発現になると表現型が出るということですよね。


整理するとGoFとLoFに大別できて、GoFは3種類、LoFは1種類あると言う解釈で概ね合っていますかね。

(無題) 削除/引用
No.10853-2 - 2022/10/08 (土) 02:18:18 - おお
Mutationがフレームシフトなのかなどのタイプはあんまり関係ないのでは?
https://elifesciences.org/articles/67622
斜めにしか読んでないけどリンクさきの論文のIntroductionとかみると、まず遺伝的疾患でautosomal dominant である変異遺伝子が、 loss-of-functionであること。dominant negativeはこの論文でいうところのdominant gain-of-functionで、なにか従来ない活性などが変異により加わることで、がん抑制遺伝子p53の変異がWtのp53の機能を負に制御することからつけられたもの(だと思う)。さらにdominant gain-of-function(dominant negative)はWtの発現を促進(細胞レベルとかではdominant negativeを持っている細胞にWtをOverexpression するなど)しても形質はもとに戻らないが、dominant loss-of-functionの遺伝子の変異はWtの過剰発現で形質を復帰させることができるという話も書いている。dominant loss-of-functionはいわいる Haploinsufficiencyとも言えるのではないだろうか。

dominant loss-of-functionってなんですか 削除/引用
No.10853-1 - 2022/10/08 (土) 01:44:37 - たま
dominant loss-of-functionと報告されている変異タンパク質をエレクトロポレーション法で強制発現させました。ウエスタンで確認をするとWTに比べて1/5ほどにバンド強度が減弱していますので一見実験が成功しているかに見えるのですが、これが、dominant LoFを意味しているのか、解釈に迷っています。

dominant LoFをgoogleで調べると定義は載っているのですが、上流域にstop codonができることと定義づけされているケースがほとんどで、我々が扱う1アミノ酸置換のdominant LoFはどういう状態を意味するのか、いまいち判然としません。

自分としては、dominant negativeとほぼ同じ意味で、変異が1 alleleでも入るとそのタンパク質は機能が失われたり発現量がなくなり、もう片側の1 alleleのタンパク質もつられて発現量が失われたり、機能がなくなると考えているのですが、合っておりますでしょうか。あるいはdominat negative以上にタンパク質の喪失が大きいとも思っているのですが、、、アドバイスをいただけないでしょうか。

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