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ラット膵癌(DSL-6A/C1)同所移植モデル
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No.10848-TOPIC - 2022/10/07 (金) 09:26:16 -
KY
現在、ラット膵癌細胞(DSL-6A/C1)の同所移植モデルを作成しようと試みていますが上手くいかずご相談させてください。
既存の論文(Pancreas 2014;43: 88-890、等)では10^6-10^8の細胞をまず側腹部皮下に注射し、数週間後、成長した腫瘍塊を細断し膵臓に移植しています。現在、論文の通りの培地(Waymouth medium)にてフラスコ内では問題なく育つのですが、皮下注するとそのまま若干の炎症と思われる硬結を形成するものの、吸収されて消失します。既存の文献では非常に容易であるかのように簡潔に述べられていますが、すでに20回以上の皮下注を試み、1個の腫瘍塊を得るにとどまっています。かつその腫瘍も膵臓の同所に生着しませんでした。
成功率が非常に悪いため、新たにATCCから同じ細胞株を購入し、大学の規定により検査を行い細胞におけるメジャーな感染症はすべて除外されていますが、その後も全く皮下腫瘍が形成されません。
Matrigelを用いたり、細胞の注入濃度を変えたり色々行っていますが、いまだスムーズに皮下腫瘍を得るに至らず、ご経験のあるかたを含めて何かアドバイスをいただけると幸甚です。
同細胞を用いた他の論文のcorrespondingの研究者にメールを送り、ごく短いアドバイスの返信がきたのですが、それは「皮下腫瘍の形成は実は容易ではなく血流の多い部分に打つ必要があったきがする」というものでした。
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(無題)
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No.10848-16 - 2023/05/26 (金) 04:14:38 - KY
皆様のおかげ様で無事にラット膵腫瘍モデルが軌道に乗りました。まことに感謝申し上げます。
細胞懸濁液から最初に皮下腫瘍を作成し、現在は皮下で組織欠片を継代し必要に応じて膵臓同所に移植しています。
そこで一点質問なのですが、皮下継代は何世代程度までが腫瘍の性質を保つ範囲として一般的に許容されるのでしょうか?もちろん条件や細胞株や生物種によってもことなるかとは思いますが、マウスやラットでの腫瘍モデルの皮下や同所での組織継代に関して一般的事項として教えていただけますと幸いです。
(無題)
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No.10848-15 - 2022/10/26 (水) 08:22:34 - KY
皆様、アドバイス誠に感謝申し上げます。
大変助かりました。
細胞の回収から注射まではおおよそ30分です。
現在のところ、半分使用している培地、半分がMatrigelという組成で注射しています。
組織片の保存方法につきましても共有頂きましてありがとうございます。
ひとまず3週間弱前に注射した2箇所/8箇所で結節が触れており、超音波で確認したところ長径10mm弱の結節が形成されておりましたので、すこし期待が持てそうです。十分にサイズが大きくなった場合、大切に皮下継代したいと思います。
スフェロイドに関しても、ぜひ試してみたいと思います。
(無題)
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No.10848-13 - 2022/10/23 (日) 01:59:16 - おお
>[Re:12] wwさんは書きました :
> 細胞を回収してから投与するまで時間がかかり弱ってしまっているということはありませんか。
> 当ラボでやった際は回収ー投与の時間を短くするのと、PBS+で懸濁していたのをHBSSに変更することで定着率が改善しました。
血清なしの培地を使うこ人もいるようですね。
(無題)
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No.10848-12 - 2022/10/22 (土) 19:50:02 - ww
細胞を回収してから投与するまで時間がかかり弱ってしまっているということはありませんか。
当ラボでやった際は回収ー投与の時間を短くするのと、PBS+で懸濁していたのをHBSSに変更することで定着率が改善しました。
(無題)
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No.10848-11 - 2022/10/22 (土) 01:03:06 - DX
腫瘍片の保存方法は以下の資料が参考になると思います。自分の経験としては凍結保存液は何でも大丈夫です。CELLBANKERの使用経験もあります。
https://pdmr.cancer.gov/content/docs/SOP50102_PDX_Methodology.pdf
野生型ラットに何度も腫瘍細胞を移植するのは問題があると思います。免疫には詳しくないのですが、がん免疫が高まったことを証明する実験として、ワクチンや免疫活性化薬を予め投与した動物にがん細胞を移植して生着を拒絶できるか確認する試験は一般的に行われています。詳しくないので参考文献をぱっと見つけられませんでした。
おおさんもおっしゃっているような、免疫不全動物に移植して作った腫瘍を野生型ラットの皮下に継代移植して馴染ませた後に、本番に望むのも良い方法だと思います。免疫不全動物由来のがん細胞以外の細胞は皮下継代したらほとんど無くなるからです。
(無題)
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No.10848-10 - 2022/10/19 (水) 08:05:56 - おお
あまり経験がないながら思うことを書いておきます。
まずはヌードラットなどに移植して(もしかしたらヌードマウスでもいいかも)、移植、生着にアダプトした細胞集団をえる。それをLewis ratsに植えてさらにアダプトさせる。その後はラットに移植継代をして、実験は担癌マウスから得られたものをつかう。もちろんアダプトしたあと培養に戻してもいいのだけどそれで細胞がまた培養にアダプトしてしまってつかなくなるという心配もある。
マウスのモデルでも培養しているとつきにくくなる事があるので動物でうえつぐこともあるようで、培養していてつきにくくなるとやはりアダプトした細胞を選択するように何がしか策を講じるのは常套手段ではないかと思えます。
最終的に膵臓につくかということに対してはもう一段階いるのですね、、、
その細胞からオーガノイドLike細胞塊(スフェロイド)を培養で作ってから移植する。3Dで生き残れる細胞がある程度選択されている可能性があるので、もしかしたら有利かも。
(無題)
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No.10848-9 - 2022/10/19 (水) 07:30:47 - KY
一点追加で質問させて頂けますでしょうか?
同じ数匹のラットに生着するまで繰り返し腫瘍細胞懸濁液を注射しているのですが、これにより腫瘍への免疫が誘導され、二回目注射以降は生着しづらくなる、といった事は起こりえますでしょうか?
1.0*10^7 cells/0.5mL of 66% Matrigelで10日前に注射しましたが、毎回の通り、最初の一週間は注入箇所が翌日よりかなり腫れ一旦期待を持たせるものの、硬結を触れるものの消対傾向にあります。ここから再度増大してくれれば生着といえると思いますが、毎回このパターンですので、今回も炎症が惹起されて注射した細胞が消失するのではと非常に危惧しています。
20年間で数える程度しかこの細胞を用いた論文がpublishされていないのは、やはり扱いづらさに起因するのかもしれません...。
(無題)
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No.10848-8 - 2022/10/19 (水) 03:52:53 - KY
皆様アドバイス誠にありがとうございます。
Strainは膵癌細胞の由来と同様のLewis ratです。そちらの2001年のPancreasに掲載されている方法を我々含め、この細胞を利用している既存の論文は脈々と参考にしているようです。ただ、他の論文のauthorも苦労したと言っていたことから、in vivoでの扱いは簡単ではないようです。
Tumor fragmentの凍結保存は行ったことはないのですが、ざっと調べる限りだと細胞懸濁液の凍結保存と同様な手順の印象ですが、我々のところではcell bankerを利用しているので、cell banker(or medium+DMSO)にtumor pieceを含浸させてcryovialで凍結する、という理解でよろしいのでしょうか?
(無題)
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No.10848-7 - 2022/10/18 (火) 22:54:23 - DX
お返事ありがとうございます。
私が確認したわけではないのですが一般的に細胞懸濁液より一度できた腫瘍をそのまま移植する方が動物への生着率が高いと言われています。培養で十分増える細胞なのにin vivo試験用に腫瘍片でストックしているグループもあるらしいです。細胞懸濁液を膵臓に直接打ってみてはどうかとも思いましたが、使っている細胞ではどうやら難しいみたいですね。
後は試したことがないですが、今使っているラットに放射線や薬剤で免疫を弱めることも効果があるかもしれませんが(ヒト造血系マウスの作製方法みたいに)、施設の準備や条件決めでも一苦労なのでこれもあまり現実的ではないですね。
自分としてはやはり、一度は皮下腫瘍ができたのであればそれを大事に皮下継代して安定的に増やすことをお勧めします。
(無題)
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No.10848-6 - 2022/10/18 (火) 10:11:30 - T-2
確認ですが、ラットはどの系統を使われていますか?
(無題)
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No.10848-5 - 2022/10/18 (火) 09:58:55 - おお
その細胞に対してはLewis ratsが使われているようですが、そのへんはどうでしょうか?
The model used in this study was described by Hotz in 2001 [24]. Five-week-old male Lewis rats (LEW/CrlBR) weighing 100 to 150 g were obtained from Charles River Laboratories (Wilmington, MA, U.S.A.).
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2210740119300579
(無題)
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No.10848-4 - 2022/10/18 (火) 09:21:27 - KY
返事遅くなりまして恐縮です。アドバイス誠にありがとうございました。
この細胞を用いた既存の論文がいくつかあるのですが、すべての論文で、さも簡単かのように皮下腫瘍を作ると書かれているのですが、この時点で我々はつまずいています。
過去論文のauthorに連絡を取り、皮下腫瘍を作るにはその注射する部分の血流が重要というアドバイスを得たので、注射場所を変えて現在様子を見ています。もともとrat flankという記載がされており我々は側腹部に打ったのですが、過去の論文のfigureではほぼhindlimbの皮下に注射されていたようでした。このauthorたちによるとやはりこの腫瘍細胞でのモデル作成には苦労したそうです。
-フラスコ内では比較的スムーズに増殖するので、やはり生着の問題のようです。
-ヌードラットの使用はPIが好んでいないようです。ヌードラットで皮下に生着したからといってwild typeの同所に生着する可能性は保証できないという理由のようです。
-腎被膜下移植はこの細胞を用いた過去の論文では行われていのですが、検討してみます。
-ラットの膵臓癌細胞はほぼ今回の細胞くらいしか見当たりません。同じ大学内の方に聞いたところマウスでは同所に直接Matrigelに懸濁した細胞を注射するだけで比較的容易に膵臓癌モデルを作成できるようですが、過去の論文ではこのラットの細胞ではその方法では上手くいかないと記載されています。比較的アグレッシブさに欠ける細胞のようです。残念ながら我々は血管内治療をできるサイズを必要とするためラットを用いていますので実験にマウスを用いることはできません。
-当施設では実験手技のminor changeでも大学のapprovalと相応の時間を要するので、現在、成長待ちをしているbatchの結果を見て、早めの方法の転換も検討したいと思います。
(無題)
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No.10848-2 - 2022/10/08 (土) 00:36:16 - DX
同細胞の使用経験はありませんが、長年担がん動物を作製した経験からアドバイスをします。
記載されている論文を見れない環境なので的外れかもしれませんがご了承ください。
・皮下腫瘍を作製する際の移植細胞数は問題ないと思います。Matrigelの使用は有効だと思います。皮下移植で腫瘍を形成できないのであれば腎被膜下移植もご検討ください。
・細胞を培養している時の増殖速度はいかがでしょうか。増殖が一般的な細胞と比べて著しく遅いのであれば細胞のコンディションを整えることが重要です。培地に用いる血清を別メーカーに変えるのも有効です。
・ラットの系統は野生型を使っているかと思いますが、ヌードラットで作製した腫瘍で代替できませんか?
・野生型でも腫瘍を一度は形成することができたのであれば、全てを同所移植に用いるのではなく、一部は皮下継代して腫瘍を維持されてはいかがでしょうか。
・膵臓への同所移植は他の細胞や組織を使って手技を確立できていますか?
ラット膵癌(DSL-6A/C1)同所移植モデル
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No.10848-1 - 2022/10/07 (金) 09:26:16 -
KY
現在、ラット膵癌細胞(DSL-6A/C1)の同所移植モデルを作成しようと試みていますが上手くいかずご相談させてください。
既存の論文(Pancreas 2014;43: 88-890、等)では10^6-10^8の細胞をまず側腹部皮下に注射し、数週間後、成長した腫瘍塊を細断し膵臓に移植しています。現在、論文の通りの培地(Waymouth medium)にてフラスコ内では問題なく育つのですが、皮下注するとそのまま若干の炎症と思われる硬結を形成するものの、吸収されて消失します。既存の文献では非常に容易であるかのように簡潔に述べられていますが、すでに20回以上の皮下注を試み、1個の腫瘍塊を得るにとどまっています。かつその腫瘍も膵臓の同所に生着しませんでした。
成功率が非常に悪いため、新たにATCCから同じ細胞株を購入し、大学の規定により検査を行い細胞におけるメジャーな感染症はすべて除外されていますが、その後も全く皮下腫瘍が形成されません。
Matrigelを用いたり、細胞の注入濃度を変えたり色々行っていますが、いまだスムーズに皮下腫瘍を得るに至らず、ご経験のあるかたを含めて何かアドバイスをいただけると幸甚です。
同細胞を用いた他の論文のcorrespondingの研究者にメールを送り、ごく短いアドバイスの返信がきたのですが、それは「皮下腫瘍の形成は実は容易ではなく血流の多い部分に打つ必要があったきがする」というものでした。
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