この研究でどういったことをダメージと定義するか、どのようなタイプのダメージを調べるのかをまず決めないと先に進めることが難しいような気がします。ダメージというと漠然としていてイメージでどうにでも解釈できてしまうので、環境からの干渉に対する細胞の反応という理解ではダメでしょうか。細胞がストレス応答を発動させるような事態を想定しているならば、Hspとかストレス応答関連遺伝子の発現とかもありますが、たぶん、普通の細胞培養操作でも影響があると思うので安定したデータを取得するには実験系をよく検討された方が良いように思います。こうしたことの情報が見つからないのは、(そもそも対照群となるダメージのない理想的な状態を作ることが実際に可能なのかどうかなど)実験系をコントロールすることが困難だからではないでしょうか。
進展刺激など細胞に物理的な力がかかるだけでもトランスクリプトームは有意に変化しますので、ピペッティングなどでもたぶんそのようなことは一過的にせよ起きていると思いますし、接着細胞をdishから剥離すれば時間依存的にアノイキシスのシグナルとかも動き出すような気がします。 |
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