HPLCを用いた分析で非常に困っています。
初心者プラス化学屋ではないのでこのような分析実験に慣れていないため素晴らしい研究者が集うこの場をお借りして質問を投稿させていただきました。
分析目的としては、細胞内のS-アデノシルメチオニンとその代謝産物であるS-アデノシルホモシステインの濃度を測定したいと考えています。大学に設置されているSHISEIDOのNanoSpaceを用いて分析を何度かしているところです。この分析を行うに当たって、参考論文としてCytokine 28(2004) 214-223"Modulation of endotoxin...." Zhenyuan Song et al.のHPLCによるS-アデノシルメチオニンのアッセイ法に則って分析しているところです。この論文においてはRAW cellを5*10^5 cells/mlの密度でcultureして実験を行っているのですが、私の実験ではMEF(mouse embryonic fibroblast)中の濃度を調べたいと考えています。条件としては1*10^5 cells/mlを24well plateの1wellにplatingし、24h後にS-アデノシルメチオニン合成酵素の阻害剤であるシクロロイシンを濃度を振って投与し、24h後に細胞をトリプシンで剥がし、PBSでsuspend後遠心して、Cell pelletを4%のメタリン酸で溶かし遠心後に回収した上清をfiltarationしたものをHPLCサンプルとして測定に用いました。
最初にStandardとして、SIGMA-ALDRICHより購入した、S-(5'-アデノシル)-L^メチオニンヨージドとS-(5'-アデノシル)-L-ホモシステインをそれぞれ、HPLC用蒸留水と0.01NHClで溶かし機器にかけたところ、254nmの波長でそれぞれ、100pmol/μlで保持時間7.5min,6minに2000mAUにピークの先端が届くくらいの波形を確認しました。溶離液の組成は40mM Ammonium phosphate,8mM Heptane sulfonic acid,6% Acetonitorileを全量1Lになるよう作製しました。(全てWakoからHPLC用を購入) カラムはMGVのカラム直径2mm,カラム長150mmを用いています。 しかし、Standardも4%メタリン酸で調整する必要があるとのことなので、再度作製し直したそれぞれのStandard溶液を測定すると、保持時間7.7に小さなS-アデノシルメチオニンのピークが、8min付近に大きくS-アデノシルホモシステインのピークが出たのですが、保持時間がメタリン酸で調整すると変化していることと、二物質間で保持時間が重なっていることが現在の懸念材料となっています。
細胞からのHPLCサンプルの測定では、保持時間7.8minに少し山なりのピークが一つ小さく出たのですが、これをS-アデノシルメチオニンとS-アデノシルホモシステインのどちらとも認識することができませんでした。保持時間のズレは溶離液の劣化(作製後4℃で1カ月保存)も原因の一つだと思いますが、細胞内の濃度を測定するには細胞数自体が少ないということも考えられるのでしょうか?
また定量するためにはBCA法などによりサンプル間の蛋白質濃度を揃える必要はやはりあるのでしょうか?
定量のための検量線はStandardの濃度を横軸、それぞれのピークの面積を縦軸にした絶対標準法でも差支えないでしょうか?多くの参考論文では内部標準物質であるS-アデノシルエチオニンと言う物質をStandard及びサンプルに一定量加えた方法をとっているのですが、この物質が手に入らなかったので前者の方法で検量線を書こうと考えています。
細々とした質問内容を稚拙な文章で書いてしまい申し訳ありません。
何分、HPLCを使用することが初めてで条件検討や、各種試薬の適切な選択法なども慣れていないため是非とも適切な測定条件がございましたら、ご教授の方よろしくお願いします |
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