>しかしピークが2-300 bpあたりから徐々に減弱したり、長く読めないことが続いています。
鋳型過剰の典型的な症状です。プラスミドを定量して適切な量を投入していますか? 吸光度などで見るより、電気泳動してマーカーとの比色でestimateしたほうが間違いがないです(たとえ目測であっても)。定性的な品質もチェックできますしね。
PEG沈はKlenow(とRI)を使った古典的なサンガーシークエンスではシークエンスの品質を改善しますが、現在主流の耐熱性ポリメラーゼを利用したサイクルシークエンスでは目立った効果はありません(ABIはそうは言わないけど)。
PEG沈はRNaseで分解されたRNAの断片を除去することでシークエンスの品質を改善します(EtOH/PrOH pptでは除去できない)。Klenowを使ったシークエンス反応では、鋳型にRNA断片が混じっているとそれがランダムプライマーとなって、すべてのラダーですべての塩基がポジティブになるという症状になります。だからPEG沈は有効でした。
しかし、サイクルシークエンスではそういうこと起きないんですよね。
一時期、プラスミド精製装置(ロボット)を使っていましたが、それはPEG pptどころかRNase処理もしないので、出来上がりのプラスミドにはRNAがごっちゃり入っていました(RNAを除きたいときはで出来上がりのプラスミド溶液にRNase処理を加えるなどする)。しかし、それをそのままサイクルシークエンスに使ってもなんの問題もありませんでした。
精製装置のメーカーの人に、さすがにそれじゃそのままシークエンスはできないでしょと聞いたら、シークエンスシステムを供給しているメーカーがプラスミドの精製度が重要で超遠心やらPEG pptを推奨しているのであんまり大きい声じゃ言えないけど、全然問題ないです、と。 |
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