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One step法による米からのPCR トピック削除
No.10807-TOPIC - 2022/09/23 (金) 23:17:55 - たな
精米または玄米からのone step 法によるPCRを行っています。
手順は次の通りです。(TOYOBOのプロトコール)

@玄米の胚部分5粒を100ulのLysis Bufferに入れる。
 buffer組成 100mM Tris-HCl pH9.5, KCl 1M, 10mM EDTA pH8.0
Aホモペッスルで粉砕(手作業)
B95度で10分
C遠心分離で5分(4000g:現在の環境ではこれしかない。)
D上澄みを1ul PCR溶液へ入れる


ポジコンで精製した白米由来のDNAではちゃんとPCRかかります。
(断片は800bpで長めかもしれません)
しかし,one step法での粗抽出DNAのPCRは産物が全くないです。
試しに,粗抽出DNAをポジコンに入れてPCRをかけましたが,産物が全く見られなくなりました。阻害物質が多く含まれていると考えられます。
粗抽出DNAを1/10に薄めてみても結果は同じでした。


ポリメラーゼはKAPA 2G hot start(premixタイプ)です。大腸菌ではダイレクトPCRなどもできるようなので,米でもできるかと条件検討しているところです。ダイレクト用のポリメラーゼを購入すればいいのですが,予算の都合で今のところできません。また,DNAを抽出する過程もできれば省略したいです。

以上のように,one step法での米からのDNA抽出・PCRについて,何か改善できる点などありましたら,教えていただきたいです。
 
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(無題) 削除/引用
No.10807-15 - 2022/10/02 (日) 22:33:06 - G25
最近の高性能PCR酵素は、酵素そのものより添付バッファの改良が大きいように思います。
阻害が起こりにくいというトロミのあるバッファが多くなってきましたが、PVAなんかが入っていると思う。
余談です。

(無題) 削除/引用
No.10807-14 - 2022/10/02 (日) 22:00:36 - drop
Lysis buffer 1/100希釈でポジコンが効かないのはどうなんでしょう?
カリウムイオン濃度が10mM、ETDAが0.1mMじゃPCRを阻害するには低すぎると思うのですが、実際動かないんですもんね…

酵素で言えば、個人的にはKOD FX neoに信頼をおいています。Taq系で増えなかった3k塩基長のターゲットを安定して増やしてくれました。

>今回、ホットスタート・プレミックスを初めて使っています。
…念のため、PCRプロトコルを教えていただけますか?
サーマルサイクラーの部品が古すぎて最初の加熱が効かなかった例を見たことがあります。

(無題) 削除/引用
No.10807-13 - 2022/10/02 (日) 10:55:53 - たろう
阻害物質に強いPCRプレミックス(阻害物質に強いポリメラーゼには限らなくてよい気がします)は、経験的にはよく効きます。
Kapaシリーズにもそういうのがあって、難しいPCRが増えやすかったことがあります。
KODシリーズは昔より結果が安定する製品が出てきたように感じます。とはいえKOD FX Neoでもかかったりかからなかったりでとても苦労したことがあり、KODシリーズを試すのは自分なら最後の選択肢にします。

(無題) 削除/引用
No.10807-12 - 2022/10/02 (日) 09:47:06 - たな
皆さま

アドバイス・情報ありがとうございます。
とりあえず、次の条件は試してみました。

>私だったら、最初は粗抽出DNAを1/100, 1/1000,,とさらに希釈したもの>を準備して、どの濃度からポジコンが動くかを確認します。そしてポジコン>が動く濃度に希釈した粗抽出DNAをその濃度まで希釈してPCRを試します。

>PCRの液量が解りませんが、もし20 1マイクロLの反応液なら、KClの持ち込>み量多すぎるかもしれません。

〇塩・粗抽出液の持ち込み量の検討について
Lysis bufferを1/100、1/1000に薄めてポジコンに加えてみました。
1/1000まで薄めないとポジコンも動かないことが確認できました。
ただ,素抽出液単独では1/1000でも1/10000でもバンドは出ませんでした。


>PCR阻害物質はPVPなどを精製時にくわえてのぞくという方法論をよく見ます>が、直接PCR mixにいれて阻害効果を中和していますね。やってみてもいい>かもです。
〇アルカリ抽出もダメでした。

他の条件は検討中です。

指摘でもあったようにポリメラーゼの種類についても影響しているのではないかと考えています。現在、教育機関におり、実習のためにプレミックスは重宝してるのですが、バンドがなければ実習になりません。

今回、ホットスタート・プレミックスを初めて使っています。ホットスタートでプレミックスの上に,ローディングダイが入っているので、たしかにこれまでの野生型taqの経験よりは増幅効率はよくないように感じています。

阻害物質に強いポリメラーゼだとうまくいきそうな気もしますが、どれくらい影響するのでしょう。
検討中なのは、MightyAmp DNA Polymerase(TaKaRa),KOD One® PCR Master Mix(TOYOBO),KOD FX Neo(TOYOBO)などです。いずれも米や植物葉からのone step法でのPCR例が掲載してあります。

(無題) 削除/引用
No.10807-11 - 2022/09/29 (木) 17:04:01 - 散々
PCR阻害物質の中和には、PCRカクテルに終濃度で
1% BSA + 0.02% Tween20
を加えるのが良く効くよ。

(無題) 削除/引用
No.10807-10 - 2022/09/29 (木) 12:19:02 - drop
G25様

>このトピで問題になっている鋳型に夾雑する阻害物質によるPCRの阻害を抑制する添加剤としては、PVP, PVA, PEGなどがよく知られています。

ありがとうございます。勉強になります。

(無題) 削除/引用
No.10807-9 - 2022/09/29 (木) 11:00:05 - G25
DMSOやホルムアミドなどはGC-richな配列が鎖伸長を妨げるためにPCRがかかりにくい場合に効果が期待できる添加剤です。それらは水素結合力を弱めDNA鎖の二次構造を取るのを防ぐ作用があります。同様の効果の添加剤としてtrehaloseなんてのも最近注目されました。

このトピで問題になっている鋳型に夾雑する阻害物質によるPCRの阻害を抑制する添加剤としては、PVP, PVA, PEGなどがよく知られています。

(無題) 削除/引用
No.10807-8 - 2022/09/29 (木) 09:42:34 - drop
PCRが掛からない時の対策としてDMSOやホルムアミドを少し添加することがあると思いますが、この場合効くのでしょうか
自分はpremixタイプのポリメラーゼにDMSOを入れたことが無いので…思い付きで申し訳ないです

(無題) 削除/引用
No.10807-7 - 2022/09/25 (日) 01:23:16 - SYBR master
>[Re:6] 774Rさんは書きました :
> >粗抽出DNAを1/10に薄めてみても結果は同じでした。
>
> とのことなので、追加されるKCl濃度は5mM相当でも駄目だったようですよ。

指摘ありがとうございます、読み込めていませんでした。

(無題) 削除/引用
No.10807-6 - 2022/09/25 (日) 00:43:57 - 774R
>粗抽出DNAを1/10に薄めてみても結果は同じでした。

とのことなので、追加されるKCl濃度は5mM相当でも駄目だったようですよ。

(無題) 削除/引用
No.10807-5 - 2022/09/25 (日) 00:03:36 - SYBR master
PCRの液量が解りませんが、もし20 1マイクロLの反応液なら、KClの持ち込み量多すぎるかもしれません。

1 MのKClで1マイクロ用いるなら、20倍希釈なので50 mMは持ち込む事になるので、salt inhibitionで反応は止まりますよ。

(無題) 削除/引用
No.10807-4 - 2022/09/24 (土) 17:51:51 - G25
InstaGene (Chelex 100)を使う方法は、手間はお示しのボイル法と変わらないけどPCR阻害物質をよく除いてくれます。
さすがにコメでは試したことないので有効かどうかは保証できません。でも植物で使っている事例は文献等にあります。

(無題) 削除/引用
No.10807-3 - 2022/09/24 (土) 01:54:39 - pa
私だったら、最初は粗抽出DNAを1/100, 1/1000,,とさらに希釈したものを準備して、どの濃度からポジコンが動くかを確認します。そしてポジコンが動く濃度に希釈した粗抽出DNAをその濃度まで希釈してPCRを試します。希釈でうまくいくならそれが一番簡単でしょうから。大腸菌のダイレクトPCRでも、菌体を持ち込みすぎたせいでPCRがかからないのが一番多い失敗パターンです。

また、手に入る他のポリメラーゼでも同様の事を試します。特に私なら野生型Taqを試します。

(無題) 削除/引用
No.10807-2 - 2022/09/24 (土) 01:48:35 - おお
なやましいですね。マウスのGenotypingの方法でも簡単な粗抽出法がいくらかありますが、それではうまくかからないプライマーもあり(きれいに精製するとかかる)、そういうのに影響受けないプライマーもあるけど、受けるプライマーもあるのだと思います。

もし精製方法を簡便なままにしておきたいのなら、タッチダウンPCRという方法があります。一度試してみてはどうでしょうか。Genotypingというわけではないですが、通常でうまくかからないプライマーセットでかかるようになったという経験は結構あります。

適当に検索すると植物ではCTABやPVPを使う精製法がメジャーでこの方法は一度沈殿させたりとお示しの方法よりステップがおおいですが、抽出のさいしょにメルカプトエタノールを加えていることがおおいですね。それだけで改善されたりするのかしら。


https://www.future-science.com/doi/pdf/10.2144/03344rr04
これも参考になりますね。アルカリで抽出して中和する感じでしょうか。PCR阻害物質はPVPなどを精製時にくわえてのぞくという方法論をよく見ますが、直接PCR mixにいれて阻害効果を中和していますね。やってみてもいいかもです。

One step法による米からのPCR 削除/引用
No.10807-1 - 2022/09/23 (金) 23:17:55 - たな
精米または玄米からのone step 法によるPCRを行っています。
手順は次の通りです。(TOYOBOのプロトコール)

@玄米の胚部分5粒を100ulのLysis Bufferに入れる。
 buffer組成 100mM Tris-HCl pH9.5, KCl 1M, 10mM EDTA pH8.0
Aホモペッスルで粉砕(手作業)
B95度で10分
C遠心分離で5分(4000g:現在の環境ではこれしかない。)
D上澄みを1ul PCR溶液へ入れる


ポジコンで精製した白米由来のDNAではちゃんとPCRかかります。
(断片は800bpで長めかもしれません)
しかし,one step法での粗抽出DNAのPCRは産物が全くないです。
試しに,粗抽出DNAをポジコンに入れてPCRをかけましたが,産物が全く見られなくなりました。阻害物質が多く含まれていると考えられます。
粗抽出DNAを1/10に薄めてみても結果は同じでした。


ポリメラーゼはKAPA 2G hot start(premixタイプ)です。大腸菌ではダイレクトPCRなどもできるようなので,米でもできるかと条件検討しているところです。ダイレクト用のポリメラーゼを購入すればいいのですが,予算の都合で今のところできません。また,DNAを抽出する過程もできれば省略したいです。

以上のように,one step法での米からのDNA抽出・PCRについて,何か改善できる点などありましたら,教えていただきたいです。

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