遊離のEtBrは正電荷なのでこれが逆に流れているのを見ているのでしょう。
変性ゲルでMOPSバッファということなのでホルムアルデヒド変性ゲルですね。
TAKARAのloading bufというのはそれ用のローディングバッファ(HCHO, formamide,MOPSを含む)でしょうか。DNA泳動用の非変性ローディングバッファなら理屈にあってません。
RNAは一本鎖なのでほとんどインターカレーションは起こりません。RNA泳動のEtBr染色は泳動後に変性剤をよく抜いてから後染めにする(二次構造による部分的な二本鎖にインターカレーションが起こる)のが古典的。
わりと最近でてきたもうちょっとソフィストケートされた方法は、ホルムアルデヒド変性用のローディングバッファーに少量のEtBrを入れて、常法通り55-70℃で加熱変性する方法。EtBrがインターカレーションによらない結合(ホルムアルデヒドにyほる架橋?)でRNAに結合して、泳動後もバッチリ染まります。
これもたしかAGPC法(Trizolはその製品版)を考案したChomczynskiの考案。
EtBr濃度が高すぎるとRNAの移動度に影響がでるので注意(たしか最大0.5 ug/uLだったか。原著論文を見つけて確認して)。
ホルムアルデヒド変性ローディングバッファーを使うと、TAEバッファなど非変性ゲル電気泳動でもRNAがかなりきれいに分離するという点もおすすめ。
インターカレートしたEtBrがDNAと一緒に移動するので(でもEtBrはだんだん抜けて逆向きに流れているので染色は薄くなっていく)、DNAサンプルにEtBrを入れて泳動するのはありだけど、RNAじゃ最初からEtBrは強い結合していません。ひょっとして、それでもRNAが見えるくらい、大量のEtBrを混ぜてる? |
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