Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

細胞膜に穴を開けずに、細胞を固定したい トピック削除
No.10721-TOPIC - 2022/08/23 (火) 19:25:14 - PFA
お世話になります。
質問させてください。


細胞膜には存在しないと言われているタンパク質がある条件下で細胞外に現れる現象を、イメージングやフローサイトにより確認したいのですが、その際に訳あって細胞を固定したいのですが、4% PFAでは細胞膜に穴が開くため、PFA単独でも抗体が固定した細胞内に入ってしまうことを経験として持っています。

細胞膜はインタクト(抗体が細胞内に入らないまでの細胞膜インテグリティを確保しつつ)にしつつ、細胞を固定するような方法をご存知でしたらご教授いただけませんでしょうか?

1% PFAなど濃度を低くしてはどうかなとも考えています。
よろしくお願いいたします。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



13件 ( 1 〜 13 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.10721-13 - 2022/08/28 (日) 15:10:46 - !"#$%&'
トリプシン処理した細胞でシグナルが減弱するかどうか見れば、そのシグナルが細胞表面の当該分子によるものかどうかの一つの検証になるかもしれない。てかそういう実験は昔からされてる。

(無題) 削除/引用
No.10721-12 - 2022/08/24 (水) 14:25:59 - toto
スレ主外のところで話を続けるのはいかがかとも思ったのですが、面白い点なのでちょっと続けさせてください。夏休みだし。
 おおさんご指摘の、リン脂質二重膜では低分子は極端に遅くしか透過しない、というのはあくまでリン脂質二重膜の話です。細胞の膜ではチャネルなどが死んでいてもちょっと違います。これがわかるのは、例えば、培地にヨードアセタミドを加えた時で、この場合は多くの酵素系が止まりATP産生もなくなって細胞は死んだ状態、だけど構造としては壊れてない、という状態が作れます。このときに核を染める抗体を培地に加えると、4度でも数時間のうちに抗体に反応する細胞がゆっくりと増えてきます。
 膜蛋白があるとリン脂質がフリップしやすくなるのはよく知られてますが、たぶんそれ以上に数時間のうちには脂質の酸化も起きてこれらが膜の不安定性を増した結果ではと考えてます。
 一方、生細胞では膜の修復装置の活性が強いので、穴が空いても直ちに修復します。ATPがないとこの作用は損なわれます。
 混乱しそうですが、4%PFAだけで穴は開かないけどゆっくりは入る細胞が増えるだろう、というところです。結局、私も抗体をintactな細胞に加えてみるのが、外にあるかないかをみるのには一番良いと思います。それが目的なら。

(無題) 削除/引用
No.10721-11 - 2022/08/24 (水) 00:56:20 - おお
そのたんぱくは細胞外に分泌するのですかねぇ。それとも細胞表面にとどまっているのでしょうか?
後者なら細胞膜を単離するとまず膜(膜表面か埋もれているかはわからないけど)に存在することがいえます。また生きた細胞をプロテアーゼ処理して表面のたんぱくを消化してから膜を単離すると。表面に露出していることが言えると思います。

フローサイトなら生細胞のままでも観察はできると思いますし(そちらのほうが何かと手順が少なく手を加えている間のアーティファクトがすくない)、顕微鏡で観察するなら固定せず抗体を反応させて、洗い落としてから固定をするというのがいいとおもいます(実際そういうプロトコールは存在しますし)。それとそれではできないような実験系を考えているのでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.10721-10 - 2022/08/24 (水) 00:44:25 - おお
>[Re:9] totoさんは書きました :
> 先に書いたのと矛盾してるようですが、正確にいうと、アルデヒド系の化学固定ではリン脂質膜は固定できないので、triton入れなくても時間かければ外の分子はある程度は中には入ると思います。リン脂質膜は化学固定後も動き回ってるので。経験的にはMg2+がない状態、あるいはEDTAで洗うと特にそれが促進されるようです。

なるほど経験的な話としてそう考えているのですね。しかしながら生細胞や人工的に作った脂質2重そうではそう簡単に入らないですよね。チャンネルやトランスポーターがなければイオン分子や糖が透過するのに3、4日かかるそうです。

>
> これは、SEMを使ってみるとよくわかります。Tritonを0.05%入れて1分incubateするだけで、SEMで見えるような隙間が膜にできます。4%PFAだけだとほとんどそういうSEM的に見える損傷はみられません。

なるほど。そういう観察もあるのですね。
>
> それでtriontありなしで差が一番大きくなるように条件(ほとんど温度と時間、あとはpH)をきめる事で、スレ主の目的は達せられると思いますよ。

たぶん細胞内にあるたんぱくのシグナルと差別化を図りたいのだと思います。またその量と細胞表面にあるタンパク量に差があればよくわからなくなってしまう可能性はあるのではと。まあ質問者の判断になりますけど。

(無題) 削除/引用
No.10721-9 - 2022/08/23 (火) 23:00:28 - toto
先に書いたのと矛盾してるようですが、正確にいうと、アルデヒド系の化学固定ではリン脂質膜は固定できないので、triton入れなくても時間かければ外の分子はある程度は中には入ると思います。リン脂質膜は化学固定後も動き回ってるので。経験的にはMg2+がない状態、あるいはEDTAで洗うと特にそれが促進されるようです。一般的なプロトコールとしては、比較の問題で、tritonありとなしを比べることで、膜の中か外かの判定ができるということです。tritonありに比べると遙かに遅いです。

これは、SEMを使ってみるとよくわかります。Tritonを0.05%入れて1分incubateするだけで、SEMで見えるような隙間が膜にできます。4%PFAだけだとほとんどそういうSEM的に見える損傷はみられません。

それでtriontありなしで差が一番大きくなるように条件(ほとんど温度と時間、あとはpH)をきめる事で、スレ主の目的は達せられると思いますよ。

(無題) 削除/引用
No.10721-8 - 2022/08/23 (火) 22:48:24 - VTY
4%PFAで膜が傷つくのは、一つは市販のアルデヒド系固定液に、しばしば安定剤として添加されてることがあるメタノールに起因すると昔、先生が言ってました。
なので培養細胞の固定はPFAは粉とかして自分で作ったほうがいいよと習いました。固定時間も重要でうちらは長くても5分がMAXとかよく言われました。確かに固定時間長いと染まり方が確実に悪くなりました。
細胞内タンパク質の免疫染色を透過処理なしで、自作4%PFA室温3分の固定でやってみたら5~10%くらいの細胞は染まりました。(透過処理すれば100%の細胞が染まる条件)染まっている細胞とそうでない細胞の差が大きいので、もしかすると、単に死んだとかで、固定と関係なく、抗体が細胞内に入っただけなのかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.10721-7 - 2022/08/23 (火) 20:20:03 - おお
固定する前に抗体を反応させて洗ってから固定ていうのは場合によってやられてますね。エンドサイトーシスは止めておかないといけないものかは実験によると思いますが(実際にエンドサイトーシスを見るのに表面をラベルしてエンドソームを見るとかあったような気がするし、それとも一時的でも止めておかないと抗原がなくても取り込まれることがあるのかしら)。
膜をインタクトのママ固定という手法は見たこともないので、空論でこれなら行けるかもっていう話になってしまいそうだけど、その空論でさえ絞り出せないなあ、、、

(無題) 削除/引用
No.10721-6 - 2022/08/23 (火) 20:04:26 - おお
>[Re:5] totoさんは書きました :
> 4%PFAでも細胞膜に穴空きます?Tritonの有無で細胞内・外を識別するというのがスタンダードプロトコールと思いますが。自分らはPFAは廃棄がちょっと手間なので、グリオキサールを使ってます。原報 www.embopress.org/doi/full/10.15252/embj.201695709 の標準固定液ではエタノールが入ってるので、これを除いたもので固定すると膜はほぼインタクトで細胞内だけ固定されます。


実際にそのような固定でデタージェントを使わずに細胞内(特に細胞質のものなら)のたんぱくがそまったのを見た経験があります。TRITONとか使わないで染まるの?って聞いたりした覚えがあります。

(無題) 削除/引用
No.10721-5 - 2022/08/23 (火) 19:53:50 - toto
4%PFAでも細胞膜に穴空きます?Tritonの有無で細胞内・外を識別するというのがスタンダードプロトコールと思いますが。自分らはPFAは廃棄がちょっと手間なので、グリオキサールを使ってます。原報 www.embopress.org/doi/full/10.15252/embj.201695709 の標準固定液ではエタノールが入ってるので、これを除いたもので固定すると膜はほぼインタクトで細胞内だけ固定されます。

(無題) 削除/引用
No.10721-4 - 2022/08/23 (火) 19:48:31 - vty

FACSしてる人たちが表面抗原の染色するときにやってるやり方を参考にすればどうよ。dishごと十分に氷冷した状態で(あるいは培地にsodium azideまたは2-deoxyglucoseを添加した状態で)培地に抗体を添加して、低温下で一定時間反応させてそのあと培地を除去して氷冷したPBSで洗い、そのあとで4%PFAで固定。これ以降は通常の免疫染色と同様にPBS(常温でいい)で洗い2次抗体と反応してーーーー。この場合、細胞が生きている状態で抗体と反応させるので、軽い気持ちで普通の免疫染色のノリでやるとendocytosisで抗体を細胞内に取り込んでしまう可能性があるから、それを阻止するために、固定するまでは低温(氷冷)でキープするのは重要かもしれない。(S.azideや2-DGについてはエネルギー代謝を抑制してendocytosisを阻害するのに使われている。その辺の文献も参照してほしい)

(無題) 削除/引用
No.10721-3 - 2022/08/23 (火) 19:43:21 - あの
ただし固定時間は 30秒程度から検討が必要。

細胞によっては、ディッシュから剥がれてしまいます。

それからPFA固定の時よりも収縮するので、細胞の形は微妙に異なってしまいます。

(無題) 削除/引用
No.10721-2 - 2022/08/23 (火) 19:39:22 - あの
Cellcover


https://www.funakoshi.co.jp/contents/7571

を推薦します

細胞膜に穴を開けずに、細胞を固定したい 削除/引用
No.10721-1 - 2022/08/23 (火) 19:25:14 - PFA
お世話になります。
質問させてください。


細胞膜には存在しないと言われているタンパク質がある条件下で細胞外に現れる現象を、イメージングやフローサイトにより確認したいのですが、その際に訳あって細胞を固定したいのですが、4% PFAでは細胞膜に穴が開くため、PFA単独でも抗体が固定した細胞内に入ってしまうことを経験として持っています。

細胞膜はインタクト(抗体が細胞内に入らないまでの細胞膜インテグリティを確保しつつ)にしつつ、細胞を固定するような方法をご存知でしたらご教授いただけませんでしょうか?

1% PFAなど濃度を低くしてはどうかなとも考えています。
よろしくお願いいたします。

13件 ( 1 〜 13 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。