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タンパク発現でInclusion bodiesへ行かないようにするには? トピック削除
No.10719-TOPIC - 2022/08/22 (月) 11:37:29 - GFP
とあるタンパク質のN末にHis-tag, C末にGFPを融合し、BL21(DE3)において発現を行いました。
条件はOD600=0.5になった時点で、大腸菌を充分冷やし、1mM IPTGを加え18CでOvernightで発現させています。翌日に大腸菌を回収しました。
GFPが付加されているため緑色の大腸菌になっており、sonication を行い、遠心したのですが、ペレットが緑になり、上清は完全に透明でしたので、可溶化されてないようでした。

sonicationの条件は1s on 1s off 30% amplitude 10min or 30minで行いましたが、どちらも上手くいきませんでした。別のタンパク質を精製した際に10minで行っても可溶化し、精製できたので、sonicationの条件は問題ないと思います。

他にもxTractorという可溶化バッファー+Lysozyme, DNaseIでペレットの可溶化を試みましたが、可溶化しませんでした。

sonication, xTractor両方の場合で、一応上清をNi-NTAカラムに通しましたが、全くタンパク質は得られませんでした(Nanodropで0mg/mL)。

色々なウェブサイトを見たところ、培養条件を変えるとinclusion bodiesへ行かないことがある、と書かれています。

例えばシグマの「Handling Inclusion Bodies in Recombinant Protein Expression」では

induce for a shorter period of time
induce using a lower concentration of the inducing agent (e.g., 0.1 mM IPTG)

がsuggestされていますが、本当にこのような条件を変更するだけで、可溶化するものなのでしょうか?
sonication, xtractor bufferで全く可溶化しませんでしたが。。。


結局のところ、Ureaを使って可溶化するのがベストな気がしますが、Ureaを使うことによる不利益などはありますでしょうか?(タンパク質が本来の立体構造をとらない等)

どうぞよろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.10719-4 - 2022/08/22 (月) 13:23:19 - G25
封入体になったタンパク質が溶菌のしかたによって(sonicationなど)で可溶化することはないと言っていいでしょう。

>結局のところ、Ureaを使って可溶化するのがベストな気がしますが、Ureaを使うことによる不利益などはありますでしょうか?(タンパク質が本来の立体構造をとらない等)


封入体の可溶化に関しては過去トピでもたびたび出ていますし、文献からいろいろな情報がえられると思います。Ureaのほかグアニジウム塩、界面活性剤など、いろいろやり方があります。
もちろん
>タンパク質が本来の立体構造をとらない等
という問題はついてまわります。
巻き戻し(refolding)の方法を試行錯誤することも多い(立体構造が関係ない、例えば動物の免疫に使うとかなら必要ないですが)。
巻き戻しするどころか、変性剤の濃度が下がっただけで不溶化にもどってしまったり。

結局のところ、どんなケースでもうまくいくオールマイティーな方法というのはないのです。

(無題) 削除/引用
No.10719-3 - 2022/08/22 (月) 12:22:40 - G25
封入体を形成しないようにするのと、封入体を変性可溶化(そして巻き戻し)するのとは分けて考えましょう。

前者について、
タンパク質の発現量が多いとか発現速度が急速である場合は封入体になりやすい。それを緩和する方策がIPTGの濃度を下げることだったり、発現誘導時間を短くするということ。他には、培養温度を下げるというのもある。当然、収量と可溶性はトレードオフになる。

あとは、もう宿主ベクター系を変えるくらいしか。
タグをMBPとかGSTのようなあるていどの大きさがあって親水性のものに変えると封入体化を回避できる場合がある。
高いフォールディング能があり封入体を作りにくいと言われているホスト(Rosetta, Origamiなど)に変えるという選択肢もある。
https://m-hub.jp/biology/3564/248

発現するタンパク質が宿主に対して毒性の場合、宿主が死ぬなどしてそもそも発現ができないことが多いが、発現できたとしても封入体化する(可溶化発現したら死んじゃう)。そういう場合は少なくとも大腸菌の系では可溶性発現は諦めるしかない。

(無題) 削除/引用
No.10719-2 - 2022/08/22 (月) 11:49:01 - Gg
どうも勘違いしているようだが、IBに行ってしまったものをdetergentoなりで可溶化するのと、そもそもIBに行かないような条件でタンパク質を発現させる可溶化とは、同じ可溶化という言葉でも意味合いが大きく異なる。
なので、発現条件をうまいこと変えてやれば可溶性タンパク質が得られることは普通にある(必ずしも簡単ではないが)。

タンパク発現でInclusion bodiesへ行かないようにするには? 削除/引用
No.10719-1 - 2022/08/22 (月) 11:37:29 - GFP
とあるタンパク質のN末にHis-tag, C末にGFPを融合し、BL21(DE3)において発現を行いました。
条件はOD600=0.5になった時点で、大腸菌を充分冷やし、1mM IPTGを加え18CでOvernightで発現させています。翌日に大腸菌を回収しました。
GFPが付加されているため緑色の大腸菌になっており、sonication を行い、遠心したのですが、ペレットが緑になり、上清は完全に透明でしたので、可溶化されてないようでした。

sonicationの条件は1s on 1s off 30% amplitude 10min or 30minで行いましたが、どちらも上手くいきませんでした。別のタンパク質を精製した際に10minで行っても可溶化し、精製できたので、sonicationの条件は問題ないと思います。

他にもxTractorという可溶化バッファー+Lysozyme, DNaseIでペレットの可溶化を試みましたが、可溶化しませんでした。

sonication, xTractor両方の場合で、一応上清をNi-NTAカラムに通しましたが、全くタンパク質は得られませんでした(Nanodropで0mg/mL)。

色々なウェブサイトを見たところ、培養条件を変えるとinclusion bodiesへ行かないことがある、と書かれています。

例えばシグマの「Handling Inclusion Bodies in Recombinant Protein Expression」では

induce for a shorter period of time
induce using a lower concentration of the inducing agent (e.g., 0.1 mM IPTG)

がsuggestされていますが、本当にこのような条件を変更するだけで、可溶化するものなのでしょうか?
sonication, xtractor bufferで全く可溶化しませんでしたが。。。


結局のところ、Ureaを使って可溶化するのがベストな気がしますが、Ureaを使うことによる不利益などはありますでしょうか?(タンパク質が本来の立体構造をとらない等)

どうぞよろしくお願いいたします。

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