泳動像がスメアになる可能性としては、
・特に短い断片の場合、シリカマトリックス上で二本鎖が解離することがあり、この場合、溶出液を泳動するとボケたスポットになる。キアゲンのマニュアルのトラブルシュートなんかにも出ています。
・泳動サンプルが十分バッファーされていない。溶出液は薄いバッファーあるいは純水です。ローディングダイにはバッファーが入っていないのが普通です。例えば1 uLの溶出液を水で10 uLボリューム調整してローディングダイを入れたりすると、 弱塩基性にバッファーされないためDNAの移動度がおかしくなって、ボケたり複数バンドになったりします。水ではなくTEなどを使うべき。
普段、PCR産物や制限酵素消化物をそのまま泳動するときなんかは、反応バッファーでバッファーされるので、あまり意識されていないかもしれないけど。
>通常あえて流すことはしないと思うけど
私はルーチンで泳動してチェックします。精製度の定性的なチェック(他のDNA断片やプライマーダイマー等が混入していないか、変性していないか)と定量的なチェックのため(バンドの染色強度の比色でestimate。nanodropなんかがなくても微量の定量ができるし、吸光度ではしばしばあるような、干渉物質によってとんでもない外れ値がでたりしない)。 |
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