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SV40 minimal promoterの意図 トピック削除
No.10675-TOPIC - 2022/07/31 (日) 12:21:51 - レポーターアッセイ
いつもお世話になっております。

私はこの度レポーターアッセイを行うことになりました。

ある転写因子A依存的に蛍光タンパク質を発現するプラスミドをレンチウイルスプラスミド(あらかじめCMVプロモータを除いています)をベースに構築し、細胞に感染導入したところ、恒常的に蛍光タンパク質が発現しておりました。本来の予定としてはこの細胞にAやその変異体を強制発現させ、蛍光が強くなるかを検討することが目的でしたが、Aを強制発現させても若干増加する程度で、これでは先に進めそうにありません。

そのプラスミドを見直すと、
転写因子Aの結合するエレメントが4つ続いており、その直後にSV40 minimal promoterがあることがわかりました。その後にkozakとそれに続くEGFP配列がありました。

質問は、SV40 minimal promoterの存在意図をお聞きしたいです。もしかしたらこれが恒常的な蛍光タンパク質の発現理由なのではないかと考えております。

ならば、今あるプラスミドからSV40 minimal promoterを欠失したものを作製しようと短絡的には思うのですが、そもそもSV40 minimal promoterはレポーターアッセイに必須なのでは?とも思っています。

その存在理由と、欠失してもよいのかどうか、ご意見を聞かせていただけますと幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.10675-14 - 2022/08/03 (水) 18:56:44 - asan

>こういうレポーターアッセイやルシフェラーゼアッセイというのは、トランジェントで行うのが一般的なのでしょうか?私はてっきりレポーターの安定発現株を樹立するのが基本だと思っていました。なのでレンチのプラスミドに載せ替えています。


Luciferaseによる発光レポーターの場合は、励起を必要せず自家蛍光などのバックグラウンドがほとんどでないのでトランスフェクションが困難な血球細胞等でも力技でlipofectionをしても検出できることが多いので実験的にRhenillaなどのコントロールベクターと同時に発現させてトランジェントで使用することが結構一般的ではあります。

しかし、ステーブルによってスクリーニングをしたりすることがないわけでもないので、それ自体は可能ですが、なんらかの形で細胞数を補正したりする必要はあります。


ウイルスバックボーンに組み込んだ場合に不可能か可能かというと実際にやってるケースはたくさんあるので、できなくはないです。例えば以下のコンストラクトとか。

https://www.addgene.org/118706/


PromegaのpGLシリーズなどのtransientのベクターの場合は、上流からの転写によるバックグラウンドシグナルを抑える目的でPoly(A) signals and transcriptional pause site等が上流に組み込まれてたりはしますが、ウイルスベクターの場合polyAsiteをいれるのは問題があると思いますのでできませんね。

GFPは比較的安定性の高いものなのでdestabilizedにすれば応答をより綺麗に評価できるかもしれません。また、緑色は自家蛍光を拾いやすいので、他の色の方がいい可能性は確かにあります。

https://www.nature.com/articles/s41598-020-80451-6

(無題) 削除/引用
No.10675-13 - 2022/08/02 (火) 01:21:33 - おお
>[Re:9] レポーターアッセイさんは書きました :
> おお先生
>
> ありがとうございます。
> はい、addgeneより購入したものからインサート(転写因子結合ドメイン-minimal SV40プロモータ-Venus)を切り出し、それをpLVX-M-Puroに載せ替え
>
> こういうレポーターアッセイやルシフェラーゼアッセイというのは、トランジェントで行うのが一般的なのでしょうか?

> ただ、トランジェントでaddgeneで買ったものを導入し、そこへ転写因子Aを入れた場合でも顕著にはvenusが誘導されなかったので、やはりvenusの安定性が高過ぎるのか、恒常的に電車が活性化する原因があるのかもしれないですね…

昔はTransientが主流でした。今も主流だと思いますが、転写に関して深く入り込んでいませんので断言はできません。ただ、レンチを使ったConstructsも見られますので、レンチを使ったからだめだとはいいませんし、安定導入株のほうが実験デザインに適していることは想像できます。

転写などに関してはバックボーンと挿入位置などで活性が変わることはなんとなくではありますが話としてあります。ですから転写因子結合配列があってその下流にMinimum promoterがあってKozac-reporter geneがあるコンストラクトをいろいろなベクターに組み込むと、バックが高いものがあったり、あまり活性が転写因子によって変化しないものがあったりしても個人的には驚かないです。ですから、リポーターとして使われているコンストラクトを利用するほうが無難ではあります(ただしハズレがないとまではいいきれません)。

安定株を作るのであれば、その購入したプラスミドと薬剤耐性がのったプラスミドを量的に10:1ぐらいでTransfectionしてマーカーで選択し、できればクローンを数個広い、あなたの実験系にあったクローンを選択するという手はあります。まあそれでも気になるのは蛍光蛋白の安定性ですね。

(無題) 削除/引用
No.10675-12 - 2022/08/01 (月) 08:31:41 - zam
> ただ、今後、活性の高いシングルセルをレポーターを介してソーティングしたいのですが、そうなるとルシフェリンのような発光ではなく、蛍光ではないと不可能な気がしています。

ルシフェラーゼと蛍光タンパク質のフュージョンをレポーターにしてはいかがでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.10675-11 - 2022/07/31 (日) 22:57:17 - 独り言
転写活性を定量化するのではなく、
目的の転写因子の活性をGFPでオン、オフのモニターするだけなら、できなくはないというか、
レトロウイルスのベクターで特異的プロモーターとGFPで安定発現株を作って、クローン化した株で、刺激に応じでGFPを発現するレポーター細胞を作っている論文はみたことあります。

個人的にやったことはないので、どのくらいの確率でできるのかわかりませんが。

安定発現株にすると、ゲノムの位置によるゲノム位置効果により内在性プロモーターなどの影響を受けるので、安定発現株にはかなりのクローン差があるので、目的の応答能を示す細胞を取るのは、なんとなくかなりの労力を必要とする気がする。実際にそういった論文が少ないので、ただ原理的にはできるはず。

(無題) 削除/引用
No.10675-10 - 2022/07/31 (日) 21:36:38 - レポーターアッセイ
独り言先生、
コメントありがとうございます。
いえ、レポーター専用のレンチのプラスミドではありません。
先生のおっしゃるように、やはりこのプラスミドを用いることは不適切と思えてきました。

ルシフェラーゼアッセイの系も立ち上げ中なので、それがうまくいってくれたら幸いです。

ただ、今後、活性の高いシングルセルをレポーターを介してソーティングしたいのですが、そうなるとルシフェリンのような発光ではなく、蛍光ではないと不可能な気がしています。

となるとvenusにデグロン配列を付加することも考えていかないといけないですね…

(無題) 削除/引用
No.10675-9 - 2022/07/31 (日) 21:32:56 - レポーターアッセイ
おお先生

ありがとうございます。
はい、addgeneより購入したものからインサート(転写因子結合ドメイン-minimal SV40プロモータ-Venus)を切り出し、それをpLVX-M-Puroに載せ替えました。この時、pLVX-M-Puroから先述したようにCMVプロモーターを除いたところに挿入しています。

こういうレポーターアッセイやルシフェラーゼアッセイというのは、トランジェントで行うのが一般的なのでしょうか?私はてっきりレポーターの安定発現株を樹立するのが基本だと思っていました。なのでレンチのプラスミドに載せ替えています。

ただ、トランジェントでaddgeneで買ったものを導入し、そこへ転写因子Aを入れた場合でも顕著にはvenusが誘導されなかったので、やはりvenusの安定性が高過ぎるのか、恒常的に電車が活性化する原因があるのかもしれないですね…

(無題) 削除/引用
No.10675-8 - 2022/07/31 (日) 21:29:14 - G25
minimal promoterというのは転写開始に最小限必要な配列で、それ単独で恒常的であるけれどごく低い転写活性があります。それに加えてエンハンサーの存在にすると、それに結合する転写調節タンパク質の消長にに応じた転写の活性化が起こります。minimal promoter を除いてしまったら、エンハンサーがあっても転写は起こりませんので、実験が成立しませんよ。

あなたの実験の問題は、minimal promoter 単独で起こるleaky expressionがかなり強い強度で検出されるということです。他の方の指摘のように、GFPが長寿命であるためleaky expressionが蓄積しているのかもしれない。あるいはコンストラクトの挿入位置の関係で、ゲノム上の内在性のエンハンサーを引っ掛けているのかもしれない(エンハンサートラップ)。そういうことがあるので、レンチのようにゲノムに挿入されるタイプではなくプラスミドの一過的トランスフェクションの方が、転写活性のアッセイには向いているといえます。
> 元々通常のプラスミドに入ったものが売られていまして、私はそれをレンチのプラスミドに載せ替えました。
いらんことしたかもね。

あるいは、レンチでできた形質転換体でもしっかりクローニングしてleaky expressionが問題ないくらい低いクローンを選択して使うとか。

(無題) 削除/引用
No.10675-7 - 2022/07/31 (日) 17:31:12 - 独り言
そのレンチウイルスのプラスミドはレポーターアッセイ用か何かでしょうか?
単なるCMVでEGFPを発現するプラスミドでは。

ウイルスのベクターはプロモーター以外にも、LTRなどが転写活性を持っているため、プロモーター部位は複雑です。

そもそもレポーターアッセイにはGFPは向いてません。蛍光の定量性も低いし、寿命が長いタンパク質なので、実際の転写活性の倍率を反映するわけではありません。

そのため、一般的にレポーターアッセイといえば、普通のプラスミドで、一過的なトランスフェクションで、定量性のあるルシフェラーゼを用いるのが一般的です。

(無題) 削除/引用
No.10675-6 - 2022/07/31 (日) 16:55:38 - おお
なにかもともとのプラスミドのレポーターを入れ替えて使ってるようですが、その元々のプラスミドをその転写因子と同時にTransientで導入したほうがいいのかなっていうきもしている。

J Biol Chem
. 1998 Dec 25;273(52):34970-5. doi: 10.1074/jbc.273.52.34970.

また、上記の論文のようにGFPのHalf lifeを短くして、レポーターとして敏感に反応するような工夫もある。不安定化させる配列を挿入するだけなので、いまあるコンストラクトに手を加えるだけですむ。勿論EGFPの安定性がネックになっているというのがほんとうの場合だけど。

このての改良は複数あるみたいなので、destabilized green fluorescent protein などで検索してみてもいいかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.10675-5 - 2022/07/31 (日) 15:17:11 - レポーターアッセイ
zam先生

コメントありがとうございます。
元々通常のプラスミドに入ったものが売られていまして、私はそれをレンチのプラスミドに載せ替えました。
この時、レンチのプラスミドからCMVプロモーターをのぞきました。

(無題) 削除/引用
No.10675-4 - 2022/07/31 (日) 15:16:08 - レポーターアッセイ
おお先生

コメント、ありがとうございます。
理解できました。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.10675-3 - 2022/07/31 (日) 15:00:54 - zam
細胞、コンストラクト、検出装置、転写因子の種類、転写因子誘導等の有無、誘導条件、その他諸々の条件も含め、実験系によってSV40最少プロモーターでよい場合もあれば、ダメな場合もあります。他のプロモーターに代えても、条件検討は必要です。

また、一般に蛍光タンパク質はダイナミックレンジが限定的です。蛍光タンパク質を使う必然性がないのであれば、ダイナミックレンジの広い他のレポーターにした方がよい場合もあります。

> そのプラスミドを見直すと、
> 転写因子Aの結合するエレメントが4つ続いており、その直後にSV40 minimal promoterがあることがわかりました。

この書き方からすると、そのプラスミドはご自分で構築されたのではないように読めるのですが。だとすれば、そのプラスミドを構築した人に聞くのが先でしょうね。

(無題) 削除/引用
No.10675-2 - 2022/07/31 (日) 14:31:08 - おお
転写はエンハンサーとプロモーターがなければ開始されません。転写因子はエンハンサーに結合しますが、それ単独では転写が起こらないということです。プロモーターには、RNApolがリクルートされるが、RNApolが活性化し転写が始まるためにはエンハンサーについた転写因子の助けが必要です。したがってあなたのコンストラクトからプロモーターを除けば、なんにも起きなくなってしまいます。

いろいろな可能性が考えられますが、その転写因子やそのパラログが発現しているため外から転写因子導入しなくてもかっせいかされている。
EGFPは非常に安定したタンパクなので、ルシフェラーゼでは問題がない程度のベーサルレベルの転写でもEGFPが分解されずに蓄積している。
レンチウイルスベクターを構築したようですが、薬剤耐性マーカーを発現するためのプロモーター(エンハンサーが含まれている)のエンハンサーが、EGFPのプロモーターも活性化している(エンハンサーは下流にある近傍のプロモーター(だけを)活性化するとは限らない、インシュレーターという単語を調べてみて)。

SV40 minimal promoterの意図 削除/引用
No.10675-1 - 2022/07/31 (日) 12:21:51 - レポーターアッセイ
いつもお世話になっております。

私はこの度レポーターアッセイを行うことになりました。

ある転写因子A依存的に蛍光タンパク質を発現するプラスミドをレンチウイルスプラスミド(あらかじめCMVプロモータを除いています)をベースに構築し、細胞に感染導入したところ、恒常的に蛍光タンパク質が発現しておりました。本来の予定としてはこの細胞にAやその変異体を強制発現させ、蛍光が強くなるかを検討することが目的でしたが、Aを強制発現させても若干増加する程度で、これでは先に進めそうにありません。

そのプラスミドを見直すと、
転写因子Aの結合するエレメントが4つ続いており、その直後にSV40 minimal promoterがあることがわかりました。その後にkozakとそれに続くEGFP配列がありました。

質問は、SV40 minimal promoterの存在意図をお聞きしたいです。もしかしたらこれが恒常的な蛍光タンパク質の発現理由なのではないかと考えております。

ならば、今あるプラスミドからSV40 minimal promoterを欠失したものを作製しようと短絡的には思うのですが、そもそもSV40 minimal promoterはレポーターアッセイに必須なのでは?とも思っています。

その存在理由と、欠失してもよいのかどうか、ご意見を聞かせていただけますと幸いです。

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