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蛍光免疫染色像の判断 トピック削除
No.10653-TOPIC - 2022/07/22 (金) 17:48:57 - tk
こんにちは。
複数の論文における蛍光免疫染色の結果を見比べているのですが、例えば同じ脳組織で検出されている場合もあれば、明らかに染まり方が違うのでは無いかと感じる部分もありました。
1次抗体由来の染色であると断定するために、どの様なサポート実験が行われているのでしょうか。
1次抗体なしで2次抗体のみの染色像と比較する程度で大丈夫なのでしょうか。
ご存知の方、ぜひコメントをお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.10653-17 - 2022/07/25 (月) 02:02:32 - あの
質問者が脳でのことを言っているようなので、追加しておきます。

脳は、サンプルの処理次第で、自家蛍光が強くでるので、
第一抗体と第二抗体の両方とも使わなくても、蛍光が見えてしまうこと
があります。

しかも、ニューロンの形でとか見えます。

対策は、しっかりとクエンチングすることです。

(無題) 削除/引用
No.10653-16 - 2022/07/23 (土) 18:04:37 - wsdefrtgy

もう割と昔の話ですが、抗体で残念な経験が2回あります。
1)人にいいと言われて6万円くらいの抗体を買いました。でもウェスタンでも免疫染色でも色々条件変えても何もシグナルが出ませんでした。友達が冗談でそれもしか中身ただの水じゃね、というのでまさかそんなことはないだろうと思いつつ電気泳動して染色してみました。したらゴミみたいな汚い薄いバンドみたいなのはいくつか出ましたが抗体のバンドらしいバンドは何も出ませんでした。後でタンパク質濃度を測るとほとんど測れないくらい薄く、表示濃度とは全然合いませんでした。(なのでたぶんほんとに水かPBSだったのだろうと思います)。メーカーに問い合わせたら、「いいえ、んなわけないです、ほんとに正しい条件でやってるんですか?」みたいに、なんか私が変なやり方してるからではないかみたいな返事が来たのでじゃあこれみてくださいよとそのデータ送りました。以後2度と返事来ませんでした。この抗体はいいと勧めた人にも聞いたら、その人は、自分は知らないよその人が学会でこの抗体はいいというのを聞いたのであって自分が使ったわけではないし詳しいことは知らない、みたいに言われました。
2)他にも、ある高分子量の酵素に対する抗体を購入したら綺麗なシングルバンドでactinがしっかり染まったこともあります(これなんのタンパク質よと思い2-DPAGE して muldi Toff Massで同定したらactinだった)。westernだから気がつきましたがELISAや免疫染色だったら気がつかないので、研究がとんでもなく間違った方向に行くところでした。

今はそういうことも少なくなってるとおもいますが。


なので最近言われている生命科学系研究の再現性の問題の主たる原因の一つに抗体の問題があるのはたぶんほんとだと思います。ただこれは、ユーザー(研究者、技術者)あるいは個々のメーカーの努力だけではたぶん解決しないし、コスト的にも技術的にも時間的にもできる範囲には限界があると思います。ATCCみたいなとこが微生物や遺伝子や培養細胞株を統括して維持管理するように(あれも確か昔、多くの培養細胞がHeLaがクロスコンタミネーションしてて世界中大騒ぎになったこともあってできたような気がする。)、自作または寄託された抗体を所定の検証をへて管理供給するような非営利 or ナショナルセンター的な機関を設置してもいいのではないかと。ユーザーからユニークな使用用途や問題点について新たな情報があれば随時up dateして情報共有すれば横の連携も強まるし。少なくとも(これただの水じゃね?みたいな)ハズレ抗体買ってしまい研究費を数万円無駄してしまうことを年に何度となく繰り返したり、長い時間かけた研究が根底から崩れたりするような悲しいことはなくせると思います。

(無題) 削除/引用
No.10653-15 - 2022/07/23 (土) 15:08:48 - おお
染まり方が違うから、どちらかがおかしいというのはわかりやすい見方ですが、果たしてそう判断できるのかという考え方は持っていてもいいのかもしれません。あるたんぱく複合体の場合はエピトープが隠れていて見れない抗体と、違う場所を認識して見れる抗体とか、マイナーかもしれないけどプロセッシングされたものに強く反応するような抗体とか、まあ、想像をたくましくすると、ある抗体で見れて他では染まらないというケースを用意に思いつけますから。

(無題) 削除/引用
No.10653-14 - 2022/07/23 (土) 10:53:01 - み
充分なコメントが出ましたが1点だけ追記。
抗原蛋白や抗原ペプチドを用いて競合させたり、前吸収することでシグナルが消えたから特異的だと主張する人たくさん居るけど、それは間違い。
そのエピトープに対する抗体が標的以外の別蛋白に交差している可能性を排除できていないので。
レビューワーもこの辺り理解できていない人が多いし、まあ吸収実験や1次抗体無しの対照実験やったのねっと見せかけの努力を評価して信用しちゃうのがオチ。
個々のシグナル特異性を証明すべきは実験当事者であってレビューワーの仕事じゃないので、後々その論文が大嘘だったとしても恥かくのは筆者に留まる。

(無題) 削除/引用
No.10653-13 - 2022/07/23 (土) 08:48:37 - tk
皆さま
様々なご回答を誠にお忙しい中でありがとうございました。
私は論文投稿等の立場ではなく、調べている中でとても気になってしまい今回の質問をさせて頂きました。中々、確実視されていない中で論文が出されている事も驚き、タンパク由来の染色を立証するには、難しいことが分かりました。その中で、立証する方法を教えて頂き、とても勉強になりました。
以前に、主任指導者が「タンパク由来の染色はこれだ」と判断したらOKと聞いた事もあり、判断基準は一体何なんだろうと疑問に思い、その上で論文間での染色像に共通点が見られない事があり、素朴な疑問として、皆様方のご専門の方はどのようにしているのか知りたかったです。
本当に貴重なコメントを誠にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.10653-12 - 2022/07/23 (土) 08:24:35 - zam
> 1次抗体由来の染色であると断定するために、どの様なサポート実験が行われているのでしょうか。
> 1次抗体なしで2次抗体のみの染色像と比較する程度で大丈夫なのでしょうか。

何を以て「大丈夫」とするかによりますが、二次抗体の影響を排除する点に限ってならば、とりあえずそれでよいのではないでしょうか。二次抗体の影響を排除する他のやり方としては、標識一次抗体を使うやり方もあります。

いずれにしても、他の方々が指摘されているとおり、二次抗体の影響を排除しただけでは、免染の評価としては全く不十分です。

> 明らかに染まり方が違うのでは無いかと感じる

コントロールを取らないままに実験が行われたのかもしれませんね。残念ながらそういう論文が少なくありません。あるジャーナルによれば、免染を使った過去の掲載論文のうち、7割でコントロールがとられていなかったとのことですから。

最近は諸ジャーナルも、実験に供する抗体の評価基準(validation criteria)を上げてきているようです。トピ主さんが論文投稿を視野に入れているのであれば、諸ジャーナルのガイドラインに目を通しておくとよいと思います。

(無題) 削除/引用
No.10653-11 - 2022/07/23 (土) 04:20:06 - おお
>[Re:5] tkさんは書きました :
> ご回答をお忙しい中でありがとうございました。
> ウェスタンとの比較ですが、ウェスタンでもし非特異的なバンドが出た際でも、分子量マーカーとの比較から目的のタンパクのバンドを同定できると思います。


染色の信頼性をある程度確保するためにやるウエスタンは特異的なバンドしか検出しないことを示すもので、単なる検出できるかどうかを見る以上の観察をするものです。KOやKDを使うのはマウスとか動物を作るのはバリデーションのためだけにするのは指摘のように現実的ではありませんので、実際は培養細胞でKDすることで特異的バンドしか検出しないことを示す場合が多いです。ヒトに特異的な他の動物で交差性がない抗体になるとKOやKDのヒトを作るわけにいかないのでなおさらです。場合によってはOverexpressionを使うこともあるかと思います(特にsiRNAなどの技術がなかったむかしは)。

それでも組織と細胞は違うのでそのギャップは埋まらないですし、そのあたりは他のかたも言及していますね。

要するによいわるいは置いといて、また理想的な特異性をしめす完璧な方法論はなく、特異性にかんしてSuggestiveなデーターがあればとりあえずは受け入れられるということになると思います。最近ではValidation済みとされる抗体もあるので(結構?がつくものもあるようだが)、それを特異性の根拠にするということもあるのかもしれません。結局は「染色してこのようなイメージが得られました、コントロールでは染まりません」までが実験の結果ということである程度受け入れられるラインで、それ以降は特異性について完璧な方法論がないことを念頭に、特異性を議論にまぜて(同じターゲットの違う抗体での比較、培養細胞などで観察されている、あるいは予測できる局在やパターン、細胞の種類で分けたとき、期待通りの細胞が染まっているかなど)何が言えるかを導き出すようにしているのがやり方だと思っています。まあそれでも、それはおかしいよということもあるだろうし、あったから著者が悪いとも限らないし、逆におかしいと思われていてもその後いろいろなことがわかり本当だったんだなんて言うこともあります。

(無題) 削除/引用
No.10653-10 - 2022/07/23 (土) 00:35:04 - zam
概して、免染(免疫組織染色または免疫細胞染色)で使われる一次抗体は、必ずしも十分に評価されていない抗体の場合が多いと思われます。

言うまでもなく、抗体は非特異反応(チャージや疎水性などによるランダムな反応)と交差反応(標的抗原以外の物質に対する『特異的な』反応)があります――余談ですが、本来両者は別物です。前者はKd値は高く(低親和性)、後者はKd値が低い(高親和性)であることが多いと考えられます。非特異反応と交差反応は生化学的には区別されるべき反応ですが、往々にして両者とも「非特異反応」と言われがちです――。

非特異反応はBSAやスキムミルクなどで「ブロッキング」が可能ですが、交差反応は「ブロッキング」では抑えることができません。

交差反応の有無を手っ取り早く調べることは、それほど難しくありません(後述)。しかし、念入りに調べることはお金と時間が掛かります。それゆえ多くの市販抗体や自家製抗体は、交差反応が調べられていません。したがって、免染に使う一次抗体の多くは、交差反応があるかないかもわからないまま、使われているのが現状です。

福島医大トランスレーショナルリサーチ機構の調査によれば、市販のマウス・モノクローナル抗体のなんと8割が、抗原以外のタンパク質と交差反応を有していたとのことです。

ウェスタンブロッティング(WB)の場合、仮に交差タンパク質があったとしても、標的タンパク質と分子量(正確には電気泳動の移動度)が違えば、両者を見分けることは可能です。しかし、免染では交差反応を見分けることができません。

それゆえ低品質の抗体が免染に使われ、間違った解釈で論文発表されることがあります。

ある抗体メーカのサイトにまとめられていますが、免染に使った抗体の交差反応が後でわかって、論文が撤回された事例が紹介されています。
https://www.abcam.co.jp/reagents/knockout-validation-overcoming-the-perils-of-poor-antibody-specificity
(ちなみにこのメーカーは交差反応を調べた上で、抗体製品を販売しています。ただしこのメーカーの抗体の価格は高いです。私はこのメーカーと何の利害関係もありませんが、世の中には、しっかり評価をした抗体製品を販売しているメーカも存在することは、知っておいて損はないと思います。)

こうした、論文撤回の事態を未然に防ぐために、とりあえず、標的タンパクを発現していない細胞や組織のライセートを使ってWBをすべきでしょう。あるいは標的タンパク質を発現していない細胞に標的タンパク質発現ベクターをトランスフェクションするなりして、両者のライセートの抗体に対するWBの比較実験をすべきでしょう。
WBは今日、さほど面倒な実験ではないと思います。確度の高い実験をする上で、その一手間を惜しむべきではありません。

にもかからず、評価不十分な抗体を使った免染が後を絶ちません。

以上のような状況にあるにも関わらず、多くの免染実験は交差反応の評価がされていない抗体を使って免染をされている事例が少なくありません。嘆かわしいことです。

(無題) 削除/引用
No.10653-6 - 2022/07/22 (金) 23:42:53 - excrv


実験自体が正しく行われているかどうかは、うちらは、negative controlとして1次抗体をnormal IgG(実験群の抗体と同じ動物種、モノクロの場合はさらに同じサブクラス)を実験群と同じ希釈率もしくは濃度で使用するほかは、全て実験群と同じ条件で並行して実施、蛍光抗体の場合は観察時間も極力合わせる、酵素抗体法の場合は検出時の酵素反応時間を揃える、ということでやってます。1次抗体なしで行うという人も多いと思いますしありだと思いますが、immunoglobulin一般に親和性のあるタンパク質分子もあるので一応。 KO動物とかの検体があればそれは一番良いのでしょうが、現実的な問題としてそんなものそうそう簡単に入手できるわけでもないので。

一番の難しい問題は、抗体が目指すものとは少しだけ違うもの、あるいは目指すものの仲間も認識してるかどうかということで、アイソフォームとかパラローグとかがいくつかあるタンパク質の場合や、限定分解や修飾などの影響も含め、抗体の認識する配列部位によってはそれぞれを識別できたりできなかったりすることがあることです。メーカーもいちいちそんなに詳細な点まで検討してないことも多いですし。つまり実験自体は正しく行われていて、良質な抗体を使用していても、使用する抗体の抗原特異性の違いによって結果が変わることは実際あります。それが研究の本質的な結論部分を左右するようなデータならば、特異性の異なる複数種類の抗体を買って詳細に比較検討することも必要と思いますが、そうでなければみなさん実際そこまではしませんし、要求もされません。
結局、この抗体を使って、こういう条件でこういうものを染色したらこうでした、なのでこの論文ではそれに基づいて議論します、でも他の抗体を使用した場合や異なる条件で染色した場合は保証の限りではありません、という暗黙の了解は成り立つのだと思います。

(無題) 削除/引用
No.10653-5 - 2022/07/22 (金) 21:28:40 - tk
ご回答をお忙しい中でありがとうございました。
ウェスタンとの比較ですが、ウェスタンでもし非特異的なバンドが出た際でも、分子量マーカーとの比較から目的のタンパクのバンドを同定できると思います。
論文における免染の方法の記載からは、どうやって断定したのか判断できずに、皆さんはどのように断定したのかとても気になりました。色々と疑問に思ってしまい申し訳ございません。
タンパクの染色の同定をノックアウト動物を作成した上で判断しているとしたら、とても時間がかかると思いますし、「この様なサポート実験を行なっていれば妥当」という見解がありましたらお教え頂きたいです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.10653-4 - 2022/07/22 (金) 20:30:48 - qqq
・免染とウェスタンを行い、パラレルな結果となるか、分布が妥当であるか。
・形態学的あるいは機能的に妥当な表現型が見られるか。
・ノックアウト等により染色が弱まるか。
という検討は大概どれかやっているんじゃなかろうか。
上の例に限らず、様々な手法で複数の確認をしていると思います。

抗体そのものの評価でなければ、市販の一次抗体数種類での比較というのはあまりしないんじゃないか(少なくとも論文には載せない)。
適当な抗体の選択のために各メーカーからサンプルを貰って比較するということはある。

(無題) 削除/引用
No.10653-3 - 2022/07/22 (金) 20:06:28 - tk
ご回答をありがとうございます。
使用した一次抗体由来の染色かどうかは、確かに二次抗体のみの染色結果と比較すれば判断できると思いましたが、目的のタンパク質に対する染色かどうかは、非特異的な反応も考えられるため、二次抗体のみの染色結果と比較するだけでは不十分と思われます。
目的のタンパクを潰す様な前処理を行う様な実験が取られているのか、あるいは、市販されている様々な種類の一次抗体との染色結果と比較して判断するのか、断定するための方法論をアドバイス頂けましたら幸いです。

(無題) 削除/引用
No.10653-2 - 2022/07/22 (金) 18:51:45 - み
>[Re:1] tkさんは書きました :
> 1次抗体由来の染色であると断定するために、どの様なサポート実験が行われているのでしょうか。
> 1次抗体なしで2次抗体のみの染色像と比較する程度で大丈夫なのでしょうか。

1次抗体由来の証明は仰る通り1次抗体なしで2次抗体のみの染色で証明できるでしょう。しかし1次抗体の特異性を証明するための証明には他にやるべきことが色々あります。
前者と後者の証明の意味の違いが分かる人でしょうか?

蛍光免疫染色像の判断 削除/引用
No.10653-1 - 2022/07/22 (金) 17:48:57 - tk
こんにちは。
複数の論文における蛍光免疫染色の結果を見比べているのですが、例えば同じ脳組織で検出されている場合もあれば、明らかに染まり方が違うのでは無いかと感じる部分もありました。
1次抗体由来の染色であると断定するために、どの様なサポート実験が行われているのでしょうか。
1次抗体なしで2次抗体のみの染色像と比較する程度で大丈夫なのでしょうか。
ご存知の方、ぜひコメントをお願いします。

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