私はIgGをとりあえずNanodropで測定することを割と頻繁にしておる者ですが、とりあえず測定するのであればNanodropが第一選択だと思います。
IgGのモル吸光係数も決まっておりますので、NanodropのCVの大きさを別にすれば、Nanodropによる精製IgGの測定値が、てんで当てにならないということはないと思います。
> これは芳香族アミノ酸のトリプトファンやチロシンが280 nmの紫外光を吸収するのでこの吸光度からタンパク質濃度を見積もる、という原理のようですがこれってIgGにはあてはまりませんよね?
この文章の意味を取りあぐねております。正確なタンパク質定量には不向きということでしょうか?
NanodropのCVの大きさが気になるのであれば、大きめのキュベットを使って通常の分光光度計で吸光度を測定すればよいと思われます。ただ、これはサンプルがもったいないように思います。
Nanodropにせよ通常の分光光度計にせよ、吸光度法はクルード品の測定には不向きです。もちろんクルード品でもA280の値は出てきます。しかし、たとえば核酸とタンパク質が混在する溶液の吸光度を測っても、何を見ているのかわかりません。これは評価や解釈の問題です。
他のタンパク質測定方法としては
・BCA法
・Bradford法
・Lowry法
が考えられます。
こちらは検量線を引かねばなりません。検量線を引くこと自体は手技としてはさほど面倒なことではないと思いますが、検量線を引くに当たり、そもそも何を標準品にするかは一考に値します。
おそらくはBSAかIgGを使うのでしょうが、厳密さを求めれば求めるほど、標準品のタンパク質濃度の正確さが問題になります。
もしNanodropで測定したIgGを標準品にしてLowry法で測定するならば、笑えない笑い話のようです。
より厳密に測定したいのであればMS(質量分析計)を用いればよいと思いますが、私は経験がありません。研究や実験の目的として、そこまで厳密さを求めるかどうかによります。
何を持って「正しい」とするかは、その「正しさ」の程度によります。どの定量方法にするかは、定量の目的、コスト、時間などを総合的に考えてお決めなさるのがよいと思います。 |
|