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イントロン変異の影響を調べたい トピック削除
No.10625-TOPIC - 2022/07/14 (木) 14:09:29 - bleeding exon
ある遺伝子をKOしたヒトがん細胞クローンを作ろうとしているのですが、その遺伝子が細胞生存に結構重要らしく、なかなかクローンが取れません。

タンパク質発現がある程度下がったクローンはなんとか取れたのでゲノムを解析してみると、遺伝子のイントロンの一部がヘテロ欠損していただけでした。

そのため一見するとタンパク質配列や翻訳には影響なさそうなのですが、実際に発現量が下がっていたり表現型(浸潤能など)も変化していたりしたので、それらの変化はイントロンの欠損が原因であることを裏付けできる方法など何かないでしょうか。

一応GenBankで文献の調査をしてみたのですが、そこのイントロン領域に関する論文などは見つかりませんでした。
 
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(無題) 削除/引用
No.10625-6 - 2022/07/15 (金) 08:52:48 - zam
1.オリジナル細胞と当該細胞の標的遺伝子mRNAの量比の確認としてロングリードもしくはqPCR。

2.イントロンの一部の欠損によりスプライシング・バリアントが生じているか否か(さらにはAA配列に影響があるか否か)の確認として、PCR以外の方法として、5' or 3' RACE、ロングリードのRNA-seq。

3.スプライシング・バリアントが存在する場合には、その量比の確認としてロングリード、もしくは、qPCR。


ここまでの実験でも、
> イントロンの欠損が原因であることを裏付け
るまでには至りませんが、
イントロンの欠損と関係がありそうだ、ぐらいは言えるかと思います。



ところで、
> イントロンの一部がヘテロ欠損

これは同一細胞内の片アレルが欠損という意味で述べておられるように思います。
しかし、両アレルが欠損した細胞と、(少なくとも当該アレルが)野生型の細胞のプールを見ているという可能性も否定できないように思います。

したがって、たとえば限界希釈法や(半)固体培地によって細胞をクローニングするか、あるいは、シングルセルとしてゲノムを解析するか、などにより、確度を高めておく必要があるように思います。

(さらに、失礼を承知で申し上げることをご容赦いただきたいのですが、ひょっとしたら、当該細胞のゲノムDNAにオリジナル細胞由来のゲノムDNAがコンタミして、イントロン欠損配列と野生型配列が半々に存在しているように見えているだけ、という可能性も否定できません)

(無題) 削除/引用
No.10625-5 - 2022/07/15 (金) 02:09:07 - おお
エクソンとイントロンを含むゲノムをCMVなど(SV40でもいいし、こっちのほうがいいかなとちょっと思う)のプロモーターの下流にクローニングしてスプライシングが正常に機能しているかをみるアッセイ法があります。
たとえば、
DOI: 10.1186/1471-2164-15-630
doi: 10.21769/BioProtoc.2281
doi: 10.1002/0471142905.hg0601s03
DOI:10.1167/iovs.61.12.6

このような解析用のベクターが出回ってますが、あなたの遺伝子のエクソンーイントロンーエクソン(できればさらにその下流のイントロンとその次のエクソンまで)の部分がプラスミドに挿入できそうなサイズであればそれでもいいかと思います。

またスプライシングに問題を起こすケースでは異常なmRNAはNMDで排除される事が多いので、NMDを抑制して異常なmRNAが出てきてないか確認する手はあると思います。NMDはCyclohexamideで抑制できます(その他にもケミカルは開発されていますが)。ただ、どのように異常が起きているかは推測はできるとしてもわからないので、色々とプライマーを設定してどこがmRNAに取り込まれているとか言うのを探し当てなくてはいけません。
想像できるのは
そのイントロン内にクリプティックなスプライシングサイトができて通常より長いエクソンができている場合。これはイントロンを挟むエクソン(さらにその上流や下流でもいい)をPCRすれば長さの違うmRNAが検出されるはず。

そのイントロンの末端のスプライシングが起こらない。この場合はちょっと複雑でとくに5’側だとイントロンがmRNAに取り込まれている可能性があると思います。なのでイントロンにプライマーを設定して見るということもありえます。3’側だとその後のエクソンが取り込まれないでスキップしているケース、またはエクソン内にクリプティックなスプライシングサイトが発生して従来より短いエクソンができている可能性があると思います。スキップされている可能性を考えるとさらに下流のエクソンにRプライマーを設定して、Fはそのイントロンの上流にプライマーを設定するといったことも必要になるかもしれません。

ここの5番目のスライドとかまとめてくれてるかなって気がします。
https://www.slideshare.net/CentroMalattieRareFVG/2014-gaa-udine

NMDが関与しそうなmRNAについてはensemblでも見られるのでもしかしたら可能性が絞られるかもしれません。
https://useast.ensembl.org/index.html

くわえてスプライシングに必須あるいは強く影響する配列がイントロンにありますのでそういった部位が変わってないか確認してみてはどうでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.10625-4 - 2022/07/14 (木) 17:20:21 - G25
>ある遺伝子をKOしたヒトがん細胞クローンを作ろうとしているのですが、その遺伝子が細胞生存に結構重要らしく、なかなかクローンが取れません。

Haploinsufficiencyによる細胞致死、つまり+/KOのヘテロでも致死というくらいの不可欠遺伝子ということでしょうか。

イントロンの欠損で機能的な変化が起こるとしたら、スプライスなど転写後プロセッシングがおかしくなっているのではないかと疑います。そんなとき、20年前ならまずNorthem blotをしてみるところですが。現代的な代替法で適当なのはあるかな?

(無題) 削除/引用
No.10625-3 - 2022/07/14 (木) 15:31:48 - Tracker
質問の趣旨から逸れますが、当初の目的を考えるならイントロンの欠損が〜を直接示すよりも、その遺伝子や下流の戻し実験でそのクローンの表現型が回復するかどうかを見る方にシフトする方が意味はありそうです

(無題) 削除/引用
No.10625-2 - 2022/07/14 (木) 14:21:47 - G
ゲノム編集。

イントロン変異の影響を調べたい 削除/引用
No.10625-1 - 2022/07/14 (木) 14:09:29 - bleeding exon
ある遺伝子をKOしたヒトがん細胞クローンを作ろうとしているのですが、その遺伝子が細胞生存に結構重要らしく、なかなかクローンが取れません。

タンパク質発現がある程度下がったクローンはなんとか取れたのでゲノムを解析してみると、遺伝子のイントロンの一部がヘテロ欠損していただけでした。

そのため一見するとタンパク質配列や翻訳には影響なさそうなのですが、実際に発現量が下がっていたり表現型(浸潤能など)も変化していたりしたので、それらの変化はイントロンの欠損が原因であることを裏付けできる方法など何かないでしょうか。

一応GenBankで文献の調査をしてみたのですが、そこのイントロン領域に関する論文などは見つかりませんでした。

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