とにかくいくらかでも活性があるたんぱく質があればいい場合(DNAとの結合とか)、一部でも可溶性画分にくればそこから精製して使います。なのでどのような方策というかあまり試行錯誤はしません。ただしいろいろな方法は提案されていて、低温で培養するとか、ヒートショックを与えてシャペロニン(ヒートショックプロテイン)を誘導するとか。IPTGではなくてラクトースを使って培養するとか。グルコースを入れておいて最初は誘導をブロックさせておいて、グルコースの消費に連れて徐々に発現が誘導されるようにするとか、また大腸菌自体も工夫されたものもあります。ただし劇的に改善する方法が見つかるかといえば徒労に終わることが大抵なので、現状で可溶画分に来たものを使うようにしているわけです。
不溶画分にほとんど行ってしまうのでそれを集めて変性条件下で精製してからRenatureするというのもやられていると思います(サイトカイン関係で見たことがある)。個人的にこれならやってもいいかなというのはGST融合リコンビナントなどで不溶画分をサルコシルで可溶化して、サルコシル濃度を0.5%以下にしてGSTカラムで精製するというやり方。0.5%以下ならGSTは変性してない状態で存在するようで、ある種強力とおもわれる界面活性剤でも最終的に非変性状態で精製可能になっている(すべてのたんぱくでうまくいくは保証はない)。
>不溶化、可溶化の評価としてSDS-PAGEで可溶性画分、総タンパク質画分、不溶性画分を流すのですが、これとは別の定量的な評価
ウエスタンとかでも比較はできますけど。。。どういう定量的評価を考えているのでしょうか?Dot blotで希釈系列を作って相対的にどこの画分に何倍あるとかいう評価の仕方もできなくはないですけど、、、発現量が高ければCBB染色でも定量的測定はできますね。 |
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