☆プラ皿でやる場合
底面の厚さのせいで、高倍率の観察ができないことがある。一枚無駄にしていいなら、細胞培養面にマジックで文字を書いて、それにピントが合わせられるかを顕微鏡で事前に確認するという方法もある。
固定液によっては、プラスチックが傷む場合もある。有機化学にあまり詳しくないので、メカニズムはよくわからないが、プラスチックが溶けたり、変な臭いがしたりするらしい。しかし、最近のプラスチック培養皿で、これが問題になることは殆どない気がする。プラ皿が変になるまで固定したら、それはもはや過固定な印象もある。
自家蛍光も問題になりがち。こればっかりは実際に顕微鏡に載せて観察しないことにはわからない(事前に知る方法がない)。
☆側壁(フチ)をバリバリ壊す場合
この方法も手軽で良い。好きなカバーガラスを使えるし、カバーガラスの滅菌も不要。しかし、壊すときに気をつけないと底面が割れたり、底面が歪んだ拍子に細胞形態が狂ったりする。昔やったときは、通電させたニクロム線で丸いディッシュの中心部分を四角く切り出した覚えがある。
☆プラ皿にカバーガラスを沈める方法
細胞とガラスの接着性が問題になる。事前にカバーガラスを洗浄して、オートクレーブにかける必要がある。洗浄はただの洗剤で良いという人もいれば、王水で洗えとか、気合を入れてホウ酸バッファーで洗えとか、人によっていろいろな流派がある。いずれにせよ、その細胞が接着するかどうかがカギ。カバーガラスを取り扱うときのピンセットと、18Gの注射針の先端を曲げたものがあると便利。
☆専用ディッシュ
顕微鏡で観察することが前提になっている製品も最近は増えてきている。自分の条件では、ibidiが一番良い結果が出た。いろいろな大きさやウェルがあって重宝する。スーパーハイレゾリューションはダメだったが、共焦点レーザー顕微鏡であれば十分な像が得られた。レンズの設計によっては駄目かもしれないので、事前に顕微鏡の担当者に「使用例ありますか?」と聞いておくのが良いと思う。 |
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