ELISAは酵素反応のエンドポイントで見ているはずで、原理的に標識量とシグナル強度(産物量)は、1/2希釈したら強度1/2になるような比例定数1の正比例になるとは限りません。タンパク質定量が正比例になるのはタンパク質の量が直接反映される着色法だからです。
それは置いておくとして、
ELISAで濃度と強度が直線性が悪くなる要因はいろいろありますが、
まず私が疑うのは希釈をただのバッファーで行っているところです。
スタンダートなりサンプルなりだけを希釈すると、系に含まれる総タンパク質の濃度がガラッとかわります。そうすると、標的の濃度に比例した変化ばかりでなく、含まれる総タンパク質濃度が変化することで相が変わってしまうということも起こります。
例えば、基盤への吸着が薄い濃度では効率よく起こるが、濃度が高いと効率が下がる(ブロッキング効果などで吸着効率が落ちる、飽和により頭打ちになる)など。
ですから希釈液には適当なキャリア(タンパク質の希釈にはBSAなど、核酸の希釈にはサケ精子DNA、酵母tRNA, linear PAなど)を過剰量(希釈されるものの濃度変化が無視できるほど)含むバッファーでやるべき。 |
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