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マウス胎児線維芽細胞(MEF)の継代管理とヒト線維芽細胞の培養 トピック削除
No.10442-TOPIC - 2022/05/05 (木) 08:03:57 - ST
いつも勉強させていただいております。
初めて質問させていただきます。

現在、MEF細胞を実験に使っていますが、継代により細胞老化になってしまい、増殖が止まってしまいます(p4)。今度、ある遺伝子にmutationのあるRare Diseaseの患者さんのヒト皮膚線維芽細胞(p1)を供与頂いて実験をします。もう手に入らないものですので、絶対に失敗したくありません。いい状態の細胞のまま増やしてストックするために、培養方法のアドバイスいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

現在のMEFの培養は、PrimaryMEF(e14.5)がsubconfluentになる前に2-3倍に継代しています。P1では3日で継代できますが、段々増殖がゆるやかになって来て、p3では、1週間位かかりました。p5で、ほぼ増殖が止まって、死にかける細胞も出てきています。継代するときの細胞密度が低すぎると、増殖しづらくなることは経験済みで、Cell lineの細胞のように薄くしないように気を付けています。私の継代のタイミングと細胞播種の濃度が適切でないのではないかと思っています。

なお、研究室の昔のMEFのストック(p40)を起こしたものも、10 passageで増殖が止まってしまったので、私の手法に問題があるのではないかと思っています。この細胞については、気長に培養を続けて、immortalized cellを取ることができましたが、最初の細胞とは、形質(ある遺伝子を発現させたときの反応性)がすこし変化してしまったようです。

ちょっと煮詰まってしまっていて、わかりずらい文章で申し訳ありません。周りの人で詳しい人がおらず、困っています。どうかよろしくお願いいたします。
 
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訂正 削除/引用
No.10442-10 - 2022/05/21 (土) 05:13:44 - ST
先日の私の投稿した内容で、“マイルドなHypoxiaを起こすために、酸素濃度は下げずに、No glucose DMEMで培養することがありますが、細胞の種類によるのかもしれませんが、一晩で、きれいにHypoxiaがかかります。″書いたのですが、間違いでした。
大変申し訳ありません。
Glucose deprivationは、Hypoxiaとは、別物でした。誤解を招くことを書きまして、大変申し訳ありませんでした。似たような影響を私の実験系では起こすので、勘違いしていました。

ありがとうございました。 削除/引用
No.10442-9 - 2022/05/17 (火) 04:48:08 - ST
先生方、返信どうもありがとうございました。
ここ数日忙しくしており、返信遅くなって申し訳ありません。
そして、アドバイスどうもありがとうございました。どのアドバイスも大変勉強になりました。

1.MEFの老化の件について、
 細胞の老化に関しては、今まで無自覚に実験していました。その後、MEFをそのまま培地交換して培養し続けたところ、primary MEF由来のMEF細胞は、長いこと生きていますが、増殖はほぼ止まってしまってしまいました。これは、生理的なものだと理解できました。その一方で、以前にストックされたMEF(Passage47)は、増殖は止まっているように見えますが、よく見ると、2核の細胞が多くあり、無限増殖性を獲得した細胞なのだとわかりました。

2,Human fibroblastの老化を抑制する件について
 テロメアーゼを発現させたCell lineがあること、テロメアーゼを発現させて細胞増殖を継続させる研究もあることは、知りませんでした。

 低酸素培養も老化抑制に効果があるのですね。ROSの発生を低下することで、老化抑制につながるということでしょうか。
 少しだけ、補足させてください。私もHypoxiaの系はよく実験に使いますが、インキュベーターから出した瞬間からReoxygenationが起きて、時間がたった後で細胞にダメージが出ることがよくあります。マイルドなHypoxiaを起こすために、酸素濃度は下げずに、No glucose DMEMで培養することがありますが、細胞の種類によるのかもしれませんが、一晩で、きれいにHypoxiaがかかります。そう考えると、Low glucose培地で細胞を維持・培養するのもいいかもしれません。ご指摘どうもありがとうございました。

 NアセチルLシステインの添加も知りませんでした。これもROSの発生を抑制するためという理解でよいのでしょうか。試してみたいと思います。

3,Human FibroblastからのiPS細胞について
 ご指摘をうけて、Human fibroblastのPDLとDonor ageについて調べてみました。論文によって違いがありますが、厳しめな方ですと、0歳またはyoungではmaximum PDLは約30という報告がありました。それを長いと見るか、短いを見るか、よく考えて実験しないといけないと思いました。生体に近いように細胞を分化させるいい培養系があれば、iPS細胞を作ることも視野にいれてみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.10442-8 - 2022/05/11 (水) 09:52:16 - Hj
NアセチルLシステインの添加は
細胞老化の抑制によく使われます。

(無題) 削除/引用
No.10442-7 - 2022/05/11 (水) 06:40:52 - おお
>[Re:5] vふさんは書きました :
>(マウスの場合は長いので別にいいのかもしれませんが。)

齧歯類は体細胞もテロメラーゼ活性を持っています。それでも細胞老化は起こります。ただし不死化しやすく老化後しばらく培養を続けると不死化細胞が増殖してきます。人の細胞ではほとんどそういうのは起こらず不死化させるというのは大昔の一つのテーマだったようです。


>分裂回数をある程度まで増やすのはテロメラーゼでも発現させないと難しいとおもいます。

テロメラーゼを発現させて細胞増殖を止めないようにする試みはいろいろな正常細胞でなされていますね。ただテロメラーゼ単独では難しい細胞もおおく、もう一つ何らかの因子が必要なときもおおいかと。線維芽細胞はどうだったかな、、、

いまではテロメラーゼを使って不死化させたCell lineを売っていたりするのでそういうものなどから方法論的な詳細を確認してみてもいいかもしれませんね。

https://www.atcc.org/en/cell-products/htert-immortalized-cells?gclid=Cj0KCQjwmuiTBhDoARIsAPiv6L-hRTTbEfM7owLdjMRn2hhh5yVkVUuvNNiBd0SLmzTf4vd4bbb6zuUaAhyUEALw_wcB#t=productTab&numberOfResults=12

(無題) 削除/引用
No.10442-6 - 2022/05/11 (水) 06:03:16 - PF
低酸素培養

(無題) 削除/引用
No.10442-5 - 2022/05/10 (火) 23:41:03 - vふ
細胞老化は正常な細胞をin vitroで増殖させた時に見られる本来の姿(分裂限界)で、これ自体はなにかアクシデントで細胞機能に障害が起きて起こるわけでなく、本来の正常な分子機序が適切に働いた結果です。なので主義や手法がまずくてということではないように思います。ヒト細胞の場合は分裂に伴うテロメアの短縮も放置できないですし悪いことばかりでもありません。。(マウスの場合は長いので別にいいのかもしれませんが。)初代培養細胞は分裂を停止した後(細胞老化した後)もかなり長く生きていますし普通に動いてますので(post mitotic aging)、老化という言葉から連想されるような退行性の変化とは違います。ある種のストレスが細胞老化を促進することはありますが、分裂回数をある程度まで増やすのはテロメラーゼでも発現させないと難しいとおもいます。

その後、クライシスを経て、ごく一部が無限増殖性を獲得することはあります。以前に取られたのもそうした細胞と思われます。ただ、これは正常な細胞を起源とする細胞でありますが、少なくとも細胞老化する能力を失ったということではこれ自体はすでに正常な細胞とは言えないとおもいます。(もちろん起源の細胞の形質のうちで、維持している性質もたくさんあるとはおもいますが)現実には、株細胞はそういうものですので、起源となる細胞とは似てるとこはあっても基本的には異質のものと考えて見たが良いと思います。

(無題) 削除/引用
No.10442-4 - 2022/05/10 (火) 07:21:33 - おお
iPSにするという手はあるかもね。

(無題) 削除/引用
No.10442-3 - 2022/05/10 (火) 06:36:35 - ST
早速返信いただいて、どうもありがとうございました。
PDLについて勉強して出直して来ました。

私のMEFの場合、PDL=6.36程度で、細胞の増殖が止まってきてしまいました。

MEFに関する論文を読み直したところ、4passage(PDL=8)まではhealthyな細胞が維持されるが、その後増殖が低下しsenescenceに至るという記述が見られました。

ヒト皮膚線維芽細胞とPDLについて検索してみたところ、以下にリンクを貼りましたが、

https://www.researchgate.net/post/How_long_the_commercial_primary_human_dermal_fibroblasts_can_last#:~:text=In%20general%20human%20dermal%20fibroblasts%20will%20grow%20to,circumcisions%29%20so%20generally%20start%20with%20quite%20long%20telomeres.

培養の条件と、私の質問した、状態のいい細胞をストックして、実験に用いる方法についてのアドバイスが見つかりました。簡単にいうと、なるべく若くて増殖の早い細胞のうちに、たくさんストックし、老化の兆候が見られたら、新しいストックに戻りなさいということのようです。

文章が長くなって申し訳ありません。
ヒト皮膚線維芽細胞がsenescenceに達する時間と、senescenceに達する時間を延ばすことができるように細胞を培養するコツをご存じの方が教えていただけないでしょうか。

返信をいただけたこと、大変感謝いたします。
どうもありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.10442-2 - 2022/05/05 (木) 12:21:04 - vふ
継代回数で言われてもわからないので、初代培養細胞の場合はpopulation dubling level (PDL)で記録したほうがいいです。細胞老化では、dish内の細胞が平均して何回くらい分裂したかが重要なので。

マウス胎児線維芽細胞(MEF)の継代管理とヒト線維芽細胞の培養 削除/引用
No.10442-1 - 2022/05/05 (木) 08:03:57 - ST
いつも勉強させていただいております。
初めて質問させていただきます。

現在、MEF細胞を実験に使っていますが、継代により細胞老化になってしまい、増殖が止まってしまいます(p4)。今度、ある遺伝子にmutationのあるRare Diseaseの患者さんのヒト皮膚線維芽細胞(p1)を供与頂いて実験をします。もう手に入らないものですので、絶対に失敗したくありません。いい状態の細胞のまま増やしてストックするために、培養方法のアドバイスいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

現在のMEFの培養は、PrimaryMEF(e14.5)がsubconfluentになる前に2-3倍に継代しています。P1では3日で継代できますが、段々増殖がゆるやかになって来て、p3では、1週間位かかりました。p5で、ほぼ増殖が止まって、死にかける細胞も出てきています。継代するときの細胞密度が低すぎると、増殖しづらくなることは経験済みで、Cell lineの細胞のように薄くしないように気を付けています。私の継代のタイミングと細胞播種の濃度が適切でないのではないかと思っています。

なお、研究室の昔のMEFのストック(p40)を起こしたものも、10 passageで増殖が止まってしまったので、私の手法に問題があるのではないかと思っています。この細胞については、気長に培養を続けて、immortalized cellを取ることができましたが、最初の細胞とは、形質(ある遺伝子を発現させたときの反応性)がすこし変化してしまったようです。

ちょっと煮詰まってしまっていて、わかりずらい文章で申し訳ありません。周りの人で詳しい人がおらず、困っています。どうかよろしくお願いいたします。

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