いろいろ否定的な事を書きましたが、えいやーとやってしまうというのも、研究者のある意味技量だったりスタイルだったりもします。
そのヘテロダイマーがその蛋白について主要な役割を担うものという通説があったとしても、単品でやってみて新たな機能が見いだせるかもしれません。またむかしむかしゲノムプロジェクトもなく研究者が個別に新規遺伝子をクローニングするといった時代にはヘテロダイマーになるという事も見つかってない段階で過剰発現したりしてその機能を探っていたりというのもあったと思います。もう少し幅を持って考えると蛋白はたいてい他のタンパクと相互作用しながら下流に影響を与えていて、ある蛋白を過剰発現しても相互作用する蛋白は増えるわけでもないかもしれないのに、タンパク質の機能にかんする現象が見れたりもします。
また仮にヘテロダイマーでなく単品の蛋白を過剰に加える事により、ヘテロダイマーの機能をブロックする可能性もあります。網羅的解析ではブロックされても、活性化されても変化が把握できるわけだから(上に振れるか下に振れるかののちがい)、どんな生理的な現象に関係しているかの結論が出る可能性はあると思います。
細かいことを開示したくないという所もあってこういう質問になっていると思いますが、ネガティブな観点、ポジティブな観点両方を考慮した上で判断されるといいかと思います。 |
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