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UVによるRNA-タンパク質のクロスリンク法 トピック削除
No.1034-TOPIC - 2012/10/18 (木) 09:53:44 - Atail
目的タンパクを細胞内で発現させ、vivoでUVクロスリンクさせています。254nm, 365nm (ラベル用核酸を与えた場合) を試しており、UV照射は幾つかの論文を参考に条件設定しています。

(1)UV照射したライセートに対してウエスタンを行うと、バンドシフトが見られました。ところがこのバンドシフトは、どうゆう訳かRNaseやDNase処理でrecoverされません。バッファーはPBSに0.05-0.1%のTritonを加えたものを使用しています。

(2)他の内在性RNA結合タンパク質についてもウエスタンを行いましたが、バンドのシフトは見られませんでした。このため、観察された目的タンパク質のバンドシフトが核酸結合によるものか疑わしいです。但し、ウエスタンを行ったタンパク質が、現在行っている条件でUVにより標的RNAに架橋されるかどうかは、過去に報告が無いので不明です。

(3)254nm UVでは全てのタンパク質においてバンドの減少が観察されました。当初これはクロスリンクに起因するものかと思ったのですが、ウエスタンで当該タンパク質の2倍にあたるサイズまでメンブレンを残してブロットしても、バンドシフト等は見られませんでした。DNA損傷応答屋さんに聞いたところ、UV強度は彼らがヒストンリン酸化等を観察する条件の10分の1以下でした。

何故上記の様な現象が起こるのか解決されません。同時に、目的タンパクが架橋されたかどうかを確認する良い方法がないか考えております。どんなことでも構いませんので、皆様のお知恵を拝借させて頂ければと存じます。
 
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(無題) 削除/引用
No.1034-7 - 2012/10/21 (日) 08:06:40 - Atail
> 核酸を介したダイマーを見るというのであれば、たとえばHAタグ発現ベクターとFLAGタグ発現ベクターをつくってIPがいいんじゃないでしょうか。一方のタグでRNAの結合部位のミュータントとWTで比較してやればIPがRNA結合活性依存的か分かりますし。まあそれでもダイマーとは限りませんが、テトラマーとか何個くっついているか分かりませんから。

なるほど、そうですね。時間があれば何れやってみたいところです(個人的には興味がありますが、ボスのgoサインはすぐには出なさそう…)。

> lysate→native page→ウエスタンじゃあ見れないでしょうか?あるいはnative pageのあとに2DとしてSDSPAGEをカマスとか。そちらのほうがスポットの検出がしやすいこともありますので。SDSPAGEがしっかりとシャープにバンドを濃縮してくれますので。
>
> lysateを直接ゲル濾過(少しカラムに負担かけない方法を取らないと行けませんけど)でもなんとかなるかなぁ。。。
>
> と書きながら思ったんですが、RNAの長さがマチマチだったらスポットが得られずスメアーになってしまって厳しいかも。。。それにダイマーだけでなくいろいろなタンパクのコンプレックスを見ているだけで、ダイマーになってないかもしれませんし。

そうなのです、lysateだと結局いろいろなcomplexを釣って来てしまうので、IPしたら…と思いましたが、complexたちをwash outできる条件でもない限り結局不可能ですよね。

因みに、「RNase処理でもバンドシフトが改善されない」現象ですが、古い論文をあさってみたところ、UVクロスリンク後、RNaseやDNaseにresistantなコンプレックスもあるとのことでした。やはり架橋後、ヌクレアーゼが(おそらく構造的に)attackできなくなるケースがあるのだと思います。…と、ひとまず自己解決しておきます。

様々な御助言、つっこみ、suggestion、本当にどうもありがとうございました。改めて感謝致します。

(無題) 削除/引用
No.1034-6 - 2012/10/18 (木) 16:48:44 - おお
核酸を介したダイマーを見るというのであれば、たとえばHAタグ発現ベクターとFLAGタグ発現ベクターをつくってIPがいいんじゃないでしょうか。一方のタグでRNAの結合部位のミュータントとWTで比較してやればIPがRNA結合活性依存的か分かりますし。まあそれでもダイマーとは限りませんが、テトラマーとか何個くっついているか分かりませんから。

(無題) 削除/引用
No.1034-5 - 2012/10/18 (木) 13:44:48 - おお
>[Re:4] Atailさんは書きました :

>
> > UVの強さはUleらのCLIPのメソッドが参考になるかと思います。結構強い照射だったと思います。
>
> そうなのです、まさにCLIPやらPAR-CLIPをやろうとしております。ご指摘の論文の中に、探していた「架橋後にバンドがウエスタンでどう見えるか」というデータがありました。

ウエスタンで見ているデーターは覚えていませんが、主にRI使ってバンドを見てましたよね。IPごに。

>
> 話が逸れてしまうのですが、RNAを介してoligomerizationしているとして、多量体形成の有無を【lysate→IP→native page→ウエスタン】という実験系で見ることは可能でしょうか。混入して来るIgGはnative pageだとどう見えるでしょうか。vitroの系を構築していないのですが、RNA結合ドメイン変異体を持っているので、vivoの系でRNAを介して多量体を形成しているかどうか見ることができないか、と思った次第です。


lysate→native page→ウエスタンじゃあ見れないでしょうか?あるいはnative pageのあとに2DとしてSDSPAGEをカマスとか。そちらのほうがスポットの検出がしやすいこともありますので。SDSPAGEがしっかりとシャープにバンドを濃縮してくれますので。

lysateを直接ゲル濾過(少しカラムに負担かけない方法を取らないと行けませんけど)でもなんとかなるかなぁ。。。

と書きながら思ったんですが、RNAの長さがマチマチだったらスポットが得られずスメアーになってしまって厳しいかも。。。それにダイマーだけでなくいろいろなタンパクのコンプレックスを見ているだけで、ダイマーになってないかもしれませんし。

んー難しいですねェ。。。またアイデアがあればコメントします。

(無題) 削除/引用
No.1034-4 - 2012/10/18 (木) 12:37:02 - Atail
皆様の迅速なレスポンス、非常に有り難いです。

> ・細胞にUVをかけた後にWBをしたら、あるRNA結合たんぱく質でバンドシフトが見られた
> ・バンドシフトはDNase、RNase処理でリカバーしない
> で最初に考えるのは、バンドシフトがDNAまたはRNAの結合によるものではないということではないでしょうか。

やはり第一印象はそうなりますよね。或いは、実はかなりのサイズでシフトしているので、核酸を介してdimerを作っていて互いにクロスリンクされるのでその後のRNaseやDNaseが効かないのかも、と考えたりしています…。

> UVかけたらたんぱく質のリン酸化が変わるという報告もありますよね。
> IP等で目的たんぱく質を精製し、MS等で架橋(または他の修飾)の有無を確認されてはいかがでしょうか。

リン酸化が起こるということでしょうか。そうですね、MSはやってみたいところではあります。

> >254nm UVでは全てのタンパク質においてバンドの減少が観察されました。
> 何と比較してバンドが減少していたのでしょうか?
> 細胞あたりであれば、UV照射により細胞の活きが悪くなって、蛋白質量が全般的に落ちたと考えることもできると思いますが。

UV照射無しのコントロールと比較して総じて減っていました。照射は3-5分ですが、こんな短時間でもタンパク量が変化するものなのかと(ものによっては半分以下に減少している)、疑問に思った次第です。因みにヒト培養細胞です。

> 時にしてバンドシフトがスメアーな状態で起こり、検出限界以下のレベルで広がってしまっている時は検出できませんが、RNase処理でもとのバンドが増えるので察しが付くことがあります。

その可能性も考えたのですが、ご指摘の通りRNase処理でバンドが元に戻ることを期待したはずが、そうならないのです。。

> 抗体によると思いますが、エピトープ部位がクロスリンクのため隠れたりするとシフトしているバンドは見れませんよね。

なるほど、その可能性があるのですね。

> UVの強さはUleらのCLIPのメソッドが参考になるかと思います。結構強い照射だったと思います。

そうなのです、まさにCLIPやらPAR-CLIPをやろうとしております。ご指摘の論文の中に、探していた「架橋後にバンドがウエスタンでどう見えるか」というデータがありました。

話が逸れてしまうのですが、RNAを介してoligomerizationしているとして、多量体形成の有無を【lysate→IP→native page→ウエスタン】という実験系で見ることは可能でしょうか。混入して来るIgGはnative pageだとどう見えるでしょうか。vitroの系を構築していないのですが、RNA結合ドメイン変異体を持っているので、vivoの系でRNAを介して多量体を形成しているかどうか見ることができないか、と思った次第です。

(無題) 削除/引用
No.1034-3 - 2012/10/18 (木) 11:26:59 - ~
その実験系自体がよく理解できていませんが。

・細胞にUVをかけた後にWBをしたら、あるRNA結合たんぱく質でバンドシフトが見られた
・バンドシフトはDNase、RNase処理でリカバーしない
で最初に考えるのは、バンドシフトがDNAまたはRNAの結合によるものではないということではないでしょうか。
UVかけたらたんぱく質のリン酸化が変わるという報告もありますよね。

IP等で目的たんぱく質を精製し、MS等で架橋(または他の修飾)の有無を確認されてはいかがでしょうか。


>254nm UVでは全てのタンパク質においてバンドの減少が観察されました。
何と比較してバンドが減少していたのでしょうか?
細胞あたりであれば、UV照射により細胞の活きが悪くなって、蛋白質量が全般的に落ちたと考えることもできると思いますが。
アクチン等と比較する場合も、たんぱく質の分解速度を考慮して評価する必要は無いのでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.1034-2 - 2012/10/18 (木) 10:49:57 - おお
>[Re:1] Atailさんは書きました :
> 目的タンパクを細胞内で発現させ、vivoでUVクロスリンクさせています。254nm, 365nm (ラベル用核酸を与えた場合) を試しており、UV照射は幾つかの論文を参考に条件設定しています。
>
> (1)UV照射したライセートに対してウエスタンを行うと、バンドシフトが見られました。ところがこのバンドシフトは、どうゆう訳かRNaseやDNase処理でrecoverされません。バッファーはPBSに0.05-0.1%のTritonを加えたものを使用しています。
>
> (2)他の内在性RNA結合タンパク質についてもウエスタンを行いましたが、バンドのシフトは見られませんでした。このため、観察された目的タンパク質のバンドシフトが核酸結合によるものか疑わしいです。但し、ウエスタンを行ったタンパク質が、現在行っている条件でUVにより標的RNAに架橋されるかどうかは、過去に報告が無いので不明です。
>
> (3)254nm UVでは全てのタンパク質においてバンドの減少が観察されました。当初これはクロスリンクに起因するものかと思ったのですが、ウエスタンで当該タンパク質の2倍にあたるサイズまでメンブレンを残してブロットしても、バンドシフト等は見られませんでした。DNA損傷応答屋さんに聞いたところ、UV強度は彼らがヒストンリン酸化等を観察する条件の10分の1以下でした。
>
> 何故上記の様な現象が起こるのか解決されません。同時に、目的タンパクが架橋されたかどうかを確認する良い方法がないか考えております。どんなことでも構いませんので、皆様のお知恵を拝借させて頂ければと存じます。

この手の実験はライセートをとってからのRNAのデグラデーションを考えるとちょっとトリッキーではあると思っています。RNase inhibitorは入れていると思いますが、入れてないようでしたら考慮した方がいいかと思います。RTとかでつかうRNAseInhibitorはDTTなどが入ってないと活性化しませんので加えてバッファーも改良の余地があればされるといいかと思います。またDTTが必要ない、幅広いRNaseを抑制する物も出回っているようですが、ちょっと高いです。確認のためUV照射後直ぐにSDS SAMPLE BUFFERでライセーとを作りシフトが無いか調べてみるといいかもしれません。時にしてバンドシフトがスメアーな状態で起こり、検出限界以下のレベルで広がってしまっている時は検出できませんが、RNase処理でもとのバンドが増えるので察しが付くことがあります。


抗体によると思いますが、エピトープ部位がクロスリンクのため隠れたりするとシフトしているバンドは見れませんよね。

UVの強さはUleらのCLIPのメソッドが参考になるかと思います。結構強い照射だったと思います。

UVによるRNA-タンパク質のクロスリンク法 削除/引用
No.1034-1 - 2012/10/18 (木) 09:53:44 - Atail
目的タンパクを細胞内で発現させ、vivoでUVクロスリンクさせています。254nm, 365nm (ラベル用核酸を与えた場合) を試しており、UV照射は幾つかの論文を参考に条件設定しています。

(1)UV照射したライセートに対してウエスタンを行うと、バンドシフトが見られました。ところがこのバンドシフトは、どうゆう訳かRNaseやDNase処理でrecoverされません。バッファーはPBSに0.05-0.1%のTritonを加えたものを使用しています。

(2)他の内在性RNA結合タンパク質についてもウエスタンを行いましたが、バンドのシフトは見られませんでした。このため、観察された目的タンパク質のバンドシフトが核酸結合によるものか疑わしいです。但し、ウエスタンを行ったタンパク質が、現在行っている条件でUVにより標的RNAに架橋されるかどうかは、過去に報告が無いので不明です。

(3)254nm UVでは全てのタンパク質においてバンドの減少が観察されました。当初これはクロスリンクに起因するものかと思ったのですが、ウエスタンで当該タンパク質の2倍にあたるサイズまでメンブレンを残してブロットしても、バンドシフト等は見られませんでした。DNA損傷応答屋さんに聞いたところ、UV強度は彼らがヒストンリン酸化等を観察する条件の10分の1以下でした。

何故上記の様な現象が起こるのか解決されません。同時に、目的タンパクが架橋されたかどうかを確認する良い方法がないか考えております。どんなことでも構いませんので、皆様のお知恵を拝借させて頂ければと存じます。

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