大昔はpBR系にはクロラムフェニコールを使っていましたが、手間の割に効果が薄いので、とうにやめました。量がほしければ培養のスケールアップで対応するし、そもそもいろいろな手法の効率が向上して、少量、微量で十分できるようになってきているので、量が沢山必要ということもあまりなくなりました(例えば昔はシークエンスの確認するにもugオーダーのプラスミドが必要だったので、pBR系だと通常のミニプレップでは全然足りなかった)。
pUC系が500-1000 copy/cellなのに対し、pBR系は30 copy/cellくらいといいます。おおよそ1/20以下ですね。実際、mini prepでpUC系なら5 ugくらい取れるところpBRなら100 ngくらいなのでそんなもんでしょう。
何れにせよ、クロラムフェニコール使っても数倍にしかならないので、pUC系に追いつくほどじゃない。だったら培養スケールを上げたほうが満足な量が得られます。
いまでは多くの人が、プラスミド精製をキット頼りでやっていると思いますが、それがスケールアップを躊躇させるのかもしれません。スケールアップすると多少のオーバーロード覚悟でやるか、キットのサイズを大きくするとかしないといけないですから。
私はそういうとき、キットを使わないアルカリ/SDS法でやるので、スケール変更がフレキシブルです。いわゆるsoln 3のあとアルコール沈殿で回収します。これでコンストラクト構築など大抵の用途には十分です。もっと精製が必要ならPCI抽出をかますか、アルコール沈殿で回収したプラスミドを市販の精製キット(フラグメント精製用あるいはミニプレップ用)にかけます。粗精製後ですから、培養スケールを大きくして始めても、キットのサイズは普通のでいけます。 |
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