たぶんPVDFはポアサイズが小さすぎて吸引濾過に向かないからおすすめしないということなんだろうと想像する。ちゃんと吸引できるならデメリットは思い浮かばないのだけど、どうだろうか? おすすめしないとは書かれていてもwhyの説明はないようだけど。
逆にNCだとポアサイズが大きすぎ、しかも結合力が弱いので、吸引によって速い流速で濾過するとタンパク質がすっぽぬけてロスが大きく定量性が悪くなると思う。ウェスタンブロットでもNCはPVDFとは比較になrないくらいすっぽ抜ける(メンブレンを重ねてブロットして二枚目、三枚目にどれだけタンパク質が検出されるかで検証できる)。
吸引せず放置というのは怪我の功名で、むしろ吸引したほうが成績が悪いかも。
NCを使うなら、吸引しないでサンプルを少量スポットしてはドライアップして塗り重ねるのが一番ロスがなくていいかも。というかそういう使い方をしたことはある。
ちなみに、希釈系列でブロットするときは、過剰量のキャリアタンパク質(BSAなど)を含んだ希釈液でサンプルタンパク質を希釈したほうがいい(もちろんタンパク質総量を染めて検出するとかじゃなくて抗体などで検出する場合)。
希釈によって含まれるタンパク質の総量が大きく変わる場合、特に濃度の希薄な領域では、吸着ロスやメンブレンへの結合効率の変動などで、希釈の線形性が悪くなるので(ドットブロット、バキュームブロットに限らないが)。 |
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