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mRNAとタンパク質の不一致 トピック削除
No.10272-TOPIC - 2022/02/21 (月) 06:22:20 - MMM
おはようございます。以下調べてたらすっかり徹夜です.......

同じ物質のmRNAとプロテイン発現の結果が論文内で一致しないことを良く見かけます。
mRNAレベルは増加したが、プロテインレベルでは変化がなかったの場合は容易に理解が追いつきます。
一方で、プロテインは増加するが、mRNAでは変化しない、減少するというものを見かけます。測定系の不安定さもあるので、深く考えずに流してきたのですが、ここにきて混乱しております。

cell Repの褐色脂肪組織の論文の話になるのですが (Schlein et al. cell rep 2011 34)、
ChREBPkoマウスでは、cAMPの下流であるUCP1やDIO2のmRNA発現は変化がなかった。しかし、UCP1タンパク質は増加したとあるのですが、いったいどういうことなのでしょうか?
論文内ではこの不一致のデータから、アドレナリン刺激後の変化が起きている。さらに、ミトコンドリアの新生ではなく、合成が低下したやらうんちゃら述べているのですが、理解できません。
cell repでなかったら軽く流すのですが、良雑誌です。

どなたかご親切で博識な方ご教授いただけますと幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.10272-13 - 2022/02/26 (土) 18:47:14 - vtby
mRNAやタンパク質のターンノーバーの仕組みや転写調節、翻訳調節、タンパク質分解機構を一度勉強してもらえれば必ずしも一致しなくてもいいことが理解していただけると思います。てか、うちらからすると、mRNAレベルとタンパク質レベルが一致しない結果の方が、背後に何か調節機構が見え隠れして科学的には面白いし、やる気が出てくるのですが。一致してたら、はいはい予想どうりでしたお疲れ様でしたで、話しそこで終わってしまうし。

Cell repレベルかどうかや著者の国籍で科学的な真偽を判断するような研究室文化が私たちの周りにはないので、後半の記述の意味がわかりません。雑誌を格付けして、研究内容を十分に理解できないまま、その質を論評する人が今でもまだ少なからずいます。でもそうした人が大したことないと思っているジャーナルの著者でも、この辺りの基礎的な内容は当たり前の知識としてして持って研究しています。

(無題) 削除/引用
No.10272-12 - 2022/02/26 (土) 15:56:57 - は?
>[Re:11] MMMさんは書きました :
> やはりというかなんというか、同一遺伝子をkoした日本人の論文では、mRNAとタンパクの両方の発現が減少していました。
> どちらが正しいかはわかりませんが、私は日本の方を信じることが多いです。

KOで発現するわけがないでしょう。

(無題) 削除/引用
No.10272-11 - 2022/02/26 (土) 01:43:04 - MMM
やはりというかなんというか、同一遺伝子をkoした日本人の論文では、mRNAとタンパクの両方の発現が減少していました。
どちらが正しいかはわかりませんが、私は日本の方を信じることが多いです。

(無題) 削除/引用
No.10272-10 - 2022/02/22 (火) 01:37:24 - おお
タンパク質の発現は、Transcription, Post-transcription (mRNA安定性、mRNA局在、スプライシング、Translation)、タンパク質分解のそれぞれの段階で正、負に制御されています。

なので発現が上がる理由をそれぞれのステップに分けて考えていくと良いでしょう。
mRNAが変わらないから、Transcriptionが一定か、TranscriptionとTranscription後のmRNA分解のバランスでmRNAの量が保たれている。

mRNAはmiRNAsなどでTranslationを抑制するメカニズムがあるので、そのターゲットにたいするmiRNAの発現量の変化で上がったり下がったりする。

mRNAの局在で発現が制御されている可能性。よく知られているのはStress granulesでmiRNAの関与が示されているmRNAもある。

スプライシングやPolyAサイトの選択によりmiRNAsやその他のターゲットになる配列が加わったりなくなったりする。

TranslationのInitiationはInitiationを担うタンパクのリン酸化やmRNA配列特異的に結合するタンパクとの相互作用で活性が制御されている。

タンパク質の安定性が変化した。

レアなケースで知っているものはTranscriptionの後スプライシングされずに核にリテンションされていて、何らかのシグナルにおおじてスプライシングされてmRNAになり核外に輸送されてタンパク合成されるようになる。

お示しのような現象でありませんが、刺激を与えるとタンパク量が増えてその結果ネガティブフィードバックがかかり、検出のときにはすでにmRNA発現量が下がっていた(タンパク量が上がっているにも関わらず)というような話もあると思います。

(無題) 削除/引用
No.10272-9 - 2022/02/21 (月) 18:05:29 - んjkl@
mRNAにはmRNAの、タンパク質にはタンパク質の合成と分解のシステムが個々の遺伝子・タンパク質にそれぞれ働いており、それぞれの仕組みは動的平衡状態にあります。うちらが普段実験で見ているのはそのスナップショットなのです。、当該タンパク質のタンパク質分解系が亢進すれば あるいはタンパク質の合成が低下すれば、mRNAレベルに変化はなくても当該タンパク質のタンパク質量は減ると思いますので、特に不思議なことはありません。

(無題) 削除/引用
No.10272-8 - 2022/02/21 (月) 14:52:40 - Which
タンパク質分解の速度が落ちたせいという可能性も。

(無題) 削除/引用
No.10272-7 - 2022/02/21 (月) 12:39:03 - MMM
egeria様

非常にわかりやすい解説ありがとうございます。

遺伝子発現量と翻訳スピードの2つで規定されているのですね。
この論文では、cAMPによる発現量の調節は行われていないが、なんらかの形で翻訳スピードが増加したため、タンパク質発現が増加したということですね。

(無題) 削除/引用
No.10272-6 - 2022/02/21 (月) 12:15:46 - egeria
リボソームはあらゆるmRNAを均一に翻訳しているわけではありませんから、タンパク質の合成速度は大まかにmRNAレベルと翻訳速度の2つの要素で決定されています。mRNAレベルは変わらなくても翻訳速度が上昇していることがあります。

例えば、"UCP1 translational control"で検索したら
"CPEB2-dependent translation of long 3'-UTR Ucp1 mRNA promotes thermogenesis in brown adipose tissue"
というのがヒットしました。お探しのものと関係あるかはわかりませんが、こういうことがあるというのはUCP1でも報告されているようです。

(無題) 削除/引用
No.10272-5 - 2022/02/21 (月) 12:00:15 - s
セントラルドグマはその通りですが、遺伝子産物の量や活性を調節するときに別に転写レベルでなくても構わない、というのはエッセンシャル細胞生物学のような初等的な教科書にも書いてあります。

転写レベルの調節は時間がかかる上に急速に量を減らすのも不得手なので、ストレス応答や細胞周期では翻訳レベルやタンパク質分解で量が調節されているものはたくさんあります。もちろんリン酸化のようなPTMによる活性調節も一般的です。

(無題) 削除/引用
No.10272-4 - 2022/02/21 (月) 10:21:43 - MMM
当方、ここで考察されている先生がたよりも、分子生物学に強くないです。

セントラルドグマの定義が、
すべてゲノムDNA→複製→DNA→転写→RNA→翻訳→タンパク質の順に情報が伝達されるだと理解しているのですが、違うのでしょうか?

ごりらさま
UCP1という遺伝子です。比較的用意にmRNA発現が変化する物質です。

(無題) 削除/引用
No.10272-3 - 2022/02/21 (月) 09:48:37 - ごりら
翻訳・翻訳後レベルの調節による増加であれば、mRNAはそれほど変わらなかったり、逆に下がることも理解できます。
提示された論文の内容がそれに当たるかは分かりません。

(無題) 削除/引用
No.10272-2 - 2022/02/21 (月) 09:08:09 - s
mRNAレベルの変化はないけど、タンパク質レベルの変化はある、というほうがmRNAレベルの変化はあるけど、タンパク質レベルの変化はない、というよりはるかに一般的と思っていましたが。

合目的性だけから言っても、前者はどこで制御するかの問題だけど、後者は意味がわからない、という気がします。

mRNAとタンパク質の不一致 削除/引用
No.10272-1 - 2022/02/21 (月) 06:22:20 - MMM
おはようございます。以下調べてたらすっかり徹夜です.......

同じ物質のmRNAとプロテイン発現の結果が論文内で一致しないことを良く見かけます。
mRNAレベルは増加したが、プロテインレベルでは変化がなかったの場合は容易に理解が追いつきます。
一方で、プロテインは増加するが、mRNAでは変化しない、減少するというものを見かけます。測定系の不安定さもあるので、深く考えずに流してきたのですが、ここにきて混乱しております。

cell Repの褐色脂肪組織の論文の話になるのですが (Schlein et al. cell rep 2011 34)、
ChREBPkoマウスでは、cAMPの下流であるUCP1やDIO2のmRNA発現は変化がなかった。しかし、UCP1タンパク質は増加したとあるのですが、いったいどういうことなのでしょうか?
論文内ではこの不一致のデータから、アドレナリン刺激後の変化が起きている。さらに、ミトコンドリアの新生ではなく、合成が低下したやらうんちゃら述べているのですが、理解できません。
cell repでなかったら軽く流すのですが、良雑誌です。

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