タンパク質の発現は、Transcription, Post-transcription (mRNA安定性、mRNA局在、スプライシング、Translation)、タンパク質分解のそれぞれの段階で正、負に制御されています。
なので発現が上がる理由をそれぞれのステップに分けて考えていくと良いでしょう。
mRNAが変わらないから、Transcriptionが一定か、TranscriptionとTranscription後のmRNA分解のバランスでmRNAの量が保たれている。
mRNAはmiRNAsなどでTranslationを抑制するメカニズムがあるので、そのターゲットにたいするmiRNAの発現量の変化で上がったり下がったりする。
mRNAの局在で発現が制御されている可能性。よく知られているのはStress granulesでmiRNAの関与が示されているmRNAもある。
スプライシングやPolyAサイトの選択によりmiRNAsやその他のターゲットになる配列が加わったりなくなったりする。
TranslationのInitiationはInitiationを担うタンパクのリン酸化やmRNA配列特異的に結合するタンパクとの相互作用で活性が制御されている。
タンパク質の安定性が変化した。
レアなケースで知っているものはTranscriptionの後スプライシングされずに核にリテンションされていて、何らかのシグナルにおおじてスプライシングされてmRNAになり核外に輸送されてタンパク合成されるようになる。
お示しのような現象でありませんが、刺激を与えるとタンパク量が増えてその結果ネガティブフィードバックがかかり、検出のときにはすでにmRNA発現量が下がっていた(タンパク量が上がっているにも関わらず)というような話もあると思います。 |
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