以下はあくまでも私的な経験から得たことに基づくアドバイスですので、これがスタンダードだとか、誰でも向いているとかいうことではありません、その辺りを踏まえた上で、もし使えそうなことあればくらいで聞いてください。
シリンジはインシュリン自己注射用のマイジェクターという細くて小さい針付きのディスポシリンジ(1ml容量)を使用してます。サイズ的にいい感じで持ちやすく、針が短いので、深く刺しすぎて内臓や大血管を傷つけるリスクが低いので汎用してます(これ使ってたぶん100回以上やってますが1度も死んだことないです。)。そういう点で、苦労されてる方には勧めます。
マウスの尻尾を持ってゲージの上に置き、親指と人差し指で尻尾を持ち上げて逆さにします。この姿勢ではマウスは本能的にケージの蓋の網状の金属を強く掴んで離さないので逆立ち状態で安定します。こうすることで主要臓器が頭部側に下がるので下腹部が一応安全な状態になります。次いで尻尾を持つ手の中指〜小指でマウスを背中側から保定します。胴体をしっかり握るというのでなく背中の皮膚を集めて深くつまむような感じです。以上のようにすれば保定が原因で死ぬことはありません。
次に反対側の手でシリンジを持って、腹部の中腹部からやや下腹部あたりで正中線を避けて右側か左側に注射します。シリンジの持ち方ですが親指をプランジャーに置き、人差し指から小指でシリンジを握るようにします。小指側がマウスの腹部に接するようにして注入します。こうすることでシリンジの位置が安定してマウスが動いて誤って針が深く刺さりすぎるリスクを少なくできます。ただこの方法では針先が自分の手に近いので、誤って手を刺さないように注意してください。
液が漏れたり、皮膚が膨らまなければちゃんと腹腔内に入っていますので、その様子を見ながら針の深さの加減を適宜、調節します。必要以上に深く刺さないことが大切です。稀に注射中に暴れたりして針先が皮下や腹壁を傷つけて、針を抜いた後で注射部位から血が混じった注射液が少量出ることもありますが、通常はマウスの生存に影響するようなことはないです。 |
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