>ここで2つ質問なのですが、このcDNAの片方がmRNAの塩基(AUGC)なので、PCRする際はプライマーのアニーリングに問題は起こらないのでしょうか?
RNA鎖に対してPCRプライマーの一方(reverse pirmer)はアニールするだろうが、酵素がDNA依存DNAポリメラーゼなのでDNA鎖の合成、伸長は起こらない。
RNA依存DNAポリメラーゼ活性(逆転写活性)をもつ耐熱性DNAポリメラーゼもあり、one-tube RT-PCRに利用されたりするが、逆転写とPCRは反応条件が違うので同時には起こらない。
>もう一つの質問はcDNAをRNAse H処理して、cDNA分子中のmRNAを分解することもオプションとしてされる人がいるみたいです。ただ、そうなるとRNAse H処理後のcDNAは1st strandからなる一本鎖DNAで構成されることになり、それもまたPCRの問題になりそうな気がします・・・PCRは二本鎖でなくても起こりうるのでしょうか?
もちろん、ちょっと考えたらわかると思いますけど、一本鎖でもPCRはかかります。
1st strand (antisense strand)に対して一旦forward primerがアニールして伸長が起これば、sense strand ができるんですから、もう二本鎖DNAが鋳型としてあるのと同じことです。
1st strand とその鋳型のRNAが共存するとRNAがDNAとハイブリッド形成をしてしまってプライマーのアニール、DNA鎖の伸長を妨げるので、RNase H処理をしたほうがいいという話ですが、RNase H処理をしなかったがためにPCRがかからなかったという経験はないです。RT-qPCRのときですら必須というわけでもないようだし。 |
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