ここの掲示板の方々にはいつもお世話になっています。
掲題の通り、PFAで固定した脳をクライオスタットで切り出し染色しているのですが特に皮質において核が抜けてしまったような穴ぼこが無数に空いてしまいます。染色状の問題ではなく物理的に欠損してしまっているようです。
PFAで固定したのちに20%スクロース置換した脳をOTCに包埋したものをスライスしているのですが原因がわかりません。
詳細な条件は以下の通りです。
1. マウスを断頭し、脳を採材、氷上のPBSで軽く洗浄後、PFAに浸漬
2. ℃, O/Nで浸漬固定。
3. 固定後PBSで軽く洗浄後、10%スクロース/PBSで4℃半日、20%スクロース/PBSで4℃ 2日間置換
4. 脳がしっかり沈んでいることを確認し、Brain Matrixで目的の部位を4 mmの厚みで切り出し
5. クライオモールドにOCT:PBS =1:1で希釈したものを底が満たされる程度に入れて置き、切り出した脳を設置し、更に希釈済みOCTを加える。
6. ドライアイス上で10〜15分程度凍らせて、使用するまで-80℃か-30℃で保存
7. CTを-20〜-18°Cに設定したクライオスタット内で包埋した脳の温度を1時間以上静置(ついでに刃も冷やしておく)
8. クライオスタット内の急速凍結ステーションを使用してOCTで脳を試料チャックに固定
9. あらかじめOTを-18~-16℃に設定しておき、資料チャックに固定した脳を資料ヘッドに設置
10. 16~20 µmでスライスし、庫内に置いておいたMASコートスライドグラスに筆で広げて指でスライドグラスを裏から温めて貼り付け
11. 3~6スライス/スライドで脳を貼り付けたのちに庫内から取出し、扇風機で1時間以上風乾
12. 使用するまで-30℃で保存
以上です。
過去のログ等を追っているとこの手のスライスの傷は氷晶が生じているかもという話をちらほら見ましたが、核が抜けてしまうような無数の穴がそれに該当するのでしょうか?
凍結の条件に原因があるという意見もあれば凍結は適当でも変わらないという意見もあったりするためどのステップがクリティカルに効いているのかの原因がよくわかりません。
染色前にスライスを確認したところ既に穴が空いていそうだったので染色が原因ではなさそうなことまでは突き止めていますが、どこに気をつければ改善するかがよくわかりません。スクロース濃度は30%まで上げてみましたが特に変わりませんでした。
写真を見たほうが良ければ画像をどこかのアップローダに貼り付けてURLをシェアします。
どなたかアドバイスを頂けたらと思います。
よろしくお願いします。 |
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