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ウエスタンブロット用のバッファー トピック削除
No.10061-TOPIC - 2021/11/22 (月) 12:23:34 - elle
いつも勉強させていただいております。

ウエスタンブロットに使用するためのマウス組織からの蛋白抽出についてご質問させていただければ幸いです。

市販のLysis bufferだといくつかの見たい蛋白がウエスタンブロットで上手く検出できず、
SDS Bufferを自作してTotal蛋白の抽出を検討しているのですが、
調べてみると、実際に使用されているSDSの濃度(1xにした時の最終濃度)は1-3%、またRIPABufferの0.1%などかなり幅があるようでした。

感覚的には濃度が高い方が抽出力が高く、どこかでプラトーになるように思っています。
ターゲットによって変わるものだとは思いますが、もし適当な、または汎用性の高いSDS濃度などあればご指導いただければ幸いです。
 
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13件 ( 1 〜 13 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.10061-17 - 2021/11/24 (水) 15:04:12 - b
Lysateの蛋白質濃度は高いので、BCA法で測定する際はおそらく、lysateを一部とって水で1/10前後希釈して、それをBCA試薬と混ぜて測ることになると思うのでlysis bufferに10% glycerol入っていてもいいです。
還元剤は希釈してかなり低濃度にしても干渉するので入れないで測ります。

本質的なことではないと思いますが、加熱については、高温加熱中に稀に起こるAsp-Pro間の切断を避けるため、一般的に使われている95-100℃ (5−10min)の条件でなく、75℃前後(5min)を推奨する論文もあります。  

(無題) 削除/引用
No.10061-16 - 2021/11/23 (火) 10:39:43 - elle
ご指摘ありがとうございます。

少し話がそれますが、
教科書的にはホモジナイズはon iceと書かれていることが多いかと思いますが、
これは内因性プロテアーゼ活性やタンパク凝集を抑えることが目的と認識しております。
ただ、もともとSDS-PAGE用にしか抽出タンパクを使用しない目的であれば、
室温で、また更に、ホモジナイズの熱が加わってもあまり問題ありませんでしょうか?
PICが十分量入っていることが前提です。



また、ボイルを途中に加えるタイミングですが、

A液(1-2%SDS or LDS+62.5mMTris-HCL+PIC+ホスファターゼインヒビター)で
サンプルをホモジナイズ(3mg/mlを超えない組成で)
↓a
超音波処理 or QIAshredder?
↓b
遠心, 15000rpm, 15min
↓c
上清をBCA法で定量

aだと、少量の壊れていない細胞のプロテアーゼ活性が上がりタンパクが壊れる可能性がある? 
bだとボイルで一部凝集する可能性のあるタンパクが遠心で落ちてしまう可能性がある?
cだとホモジナイズから少し時間は立つが、最もタンパクが可溶化している状態で変性させることができる?

以上よりボイルをどこかに加えるとしたらcが適当でしょうか?

(還元剤前後のタンパク濃度の件は私の勘違いでした、すみません、、)

(無題) 削除/引用
No.10061-14 - 2021/11/22 (月) 23:51:02 - おお
>[Re:13] elleさんは書きました :
> すみません。
> 濃度調整する際にグリセロール、BPBと還元剤を入れてボイルがベターですかね。還元剤入れずにボイルしてもあまり意味ないですよね。

あります。タンパク質の変性、SDS(LDS)の結合を促します。内在性のプロテアーゼもボイルで失活が促進されるので、Lysisの過程のタンパクの分解を抑制できます。
>
> 還元剤を入れる前のタンパク濃度と還元剤を加えボイルした後のタンパク濃度は異なっているような気もしますが、

還元剤を入れただけでそこにあるタンパクが増えたり、減ったりするのはあり得ないですが、、、それともグリセロールやその他のものを同時に入れるので溶液のかさが増えて濃度が下がるということですか?

お示しのプロトコールは大体いいです。最初のステップでボイルを入れるかどうかですが、自身で判断してください。

(無題) 削除/引用
No.10061-13 - 2021/11/22 (月) 19:57:13 - elle
すみません。
下で、「βMEもしくはDTTはホモジナイズするときにsample bufferに入れる予定」と書きましたが、これだとBCA法で測れないので、濃度調整する際にグリセロール、BPBと還元剤を入れてボイルがベターですかね。還元剤入れずにボイルしてもあまり意味ないですよね。

還元剤を入れる前のタンパク濃度と還元剤を加えボイルした後のタンパク濃度は異なっているような気もしますが、BCA法を用いる前提であればこちらは妥協でしょうか。

皆様からご指摘をいただき、以下のプロトコールを考えております。
さらなる改善点がありましたらご指摘いただければ幸いです。

A液(1-2%SDS or LDS+62.5mMTris-HCL+PIC+ホスファターゼインヒビター)で
サンプルをホモジナイズ(3mg/mlを超えない組成で)

超音波処理 or QIAshredder?

遠心, 15000rpm, 15min

上清をBCA法で定量

濃度調整
サンプルにA液とグリセロール(最終10%)、BPB(最終0.01%)、βME(最終5%)を入れる。

ボイル, 95℃, 5min

(無題) 削除/引用
No.10061-12 - 2021/11/22 (月) 18:45:11 -  b
還元剤とBPBを除いたレムリーbuffer(2%SDS含む)でホモジナイズしております。およその体積比(目分量でいい)で組織:lysis bufferが1:20ないし30くらいでやってますが、蛋白質濃度が~3mg/mlを超えるようならばLysis bufferの比率を適宜増やしてください。ホモジネートは超音波(短時間でいいと思う) or シリンジで粘性がなくなるまで処理しております。その後室温で5分程度遠心して不溶物を除去(通常はほとんどない)します。SDSの変性作用は強力なので処理中にプロテアーゼ等の酵素類が働く可能性はあまりないと思いますので低温で維持する必要はないようにも思いますが、気になるようでしたらLysis bufferにはinhibitorを添加してください。SDSは低温で長く置くと析出して固まってくるので、サンプル処理過程で低温で維持したいときはSDSの代わりにLDS(リチウムドデシルサルフェイト)を使用してみましょう。作用や性質はSDSと同じSDSの代用品として使われますが、低温でも析出しない点が異なります。その後上清を回収してBCA法による蛋白質濃度測定を行います。その後還元剤とBPB入れて加熱処理したのち電気泳動しています。

(無題) 削除/引用
No.10061-11 - 2021/11/22 (月) 16:44:25 - おお
抽出できてないから検出できてないのかについては、いつもそうだと限らないのでその場合は解決策が変わってくるだろうけど、SDSの量が1%もあれば大抵のものが抽出されるのではないかと思っている。ただし抽出して得られるタンパク濃度は濃くても3mg/ml以下に抑えたほうがいいだろうとおもう。それ以上高いと抽出しきれないタンパクがある可能性も高く、場合によってはあまりにも濃度が高いため、界面活性剤があるにも関わらずボイルするとタンパクが沈殿したりしてしまう事がある。ちなみにタンパク質が完全にSDS化したときのSDSの量はタンパク1gに対して1.4〜1.7gと言われている。大体組織重量の十分の一がタンパクだという大雑把な目安を考慮するといいと思う(組織によって大きく違うだろうけど)。それでも抽出し残りが気になるならLysis bufferで組織を溶かしたあとに、遠心して沈降したものに少量でもいいから新しくLysis bufferを加えて再抽出して最初の抽出物と混ぜてもいいだろう。

RIPAはSDSは入っているが、タンパクの活性や結合を極力失わないような量のSDSを加えている(といっても結構やられるタンパクもあるが)。それにSDSの量を増やすのは少し不思議なやり方だけどSDS単独では場合によっては4度とかで沈殿してしまうのであんがいいのかもしれません。Laemmli sample bufferではそうでもないのでグリセロールとかのせいだろうか沈殿して困るという感じはないけど。BPB抜きのLaemmli sample bufferだと確かに発色してタンパクを定量するのに邪魔ではないけど。定量となるとどれを使うか悩む。BradfordはSDSが高いので結構薄めないと使えなさそうだし、BCAは還元剤とグリセロールがじゃま。還元剤を入れないでグリセロールは定量の段階で薄めると影響が少ないので、還元剤抜きで抽出して定量後還元剤とBPBを加えるなど工夫がいる。

Hot lysis bufferというのがあって、中身は1%SDSのTris buffer (pHは7〜8のあいだ)。タンパク質を極力変性させて、コバレントな結合(ユビキチン化など)を見るのが目的で作られたと思っている。こういうのを組織からの抽出で使うのも手だと思う。まあ低い温度でSDSが沈殿するのではと思うが、Hot lysis bufferと言うなの通り、細胞などに加えて直ぐにボイルするので、必要におおじて温めて室温で扱うことになるかもしれない。これだとBPB抜きLaemmli sample bufferよりタンパク定量という点では使い勝手がいい。

もう一つ可溶化力の強い試薬があって、それは尿素です。4から6Mで使われることが多いと思う。膜タンパクなどでアグリやすいときとか、大腸菌で発現させたタンパクが可溶化が困難なInclusion bodiesを形成したときに使われる(タンパクは変性するけど)。これだとBCAの邪魔にはならない。ただしボイルするとカルバミル化するので、Laemmli sample bufferを加えたときはボイルしないでそのまま流すようにしたらいいと思う。還元剤は2ーMEよりつよいDTTなどにしておけば非加熱でもより良いだろうとおもう。

また指摘があるように、組織を取ってきた時重量を量り取りそれにLysis bufferを加えて十分Homogenizeするとタンパク定量しなくてもだいたい揃う、または方法論的に同量の組織由来のタンパクを乗せたという理屈になるのでタンパク定量をスキップしてもさほど問題がないかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.10061-10 - 2021/11/22 (月) 15:26:04 - G25
あ、紛らわしかったかもしれません。
還元剤の話はNo.10061-7 で書かれていた組成に還元剤が含まれていなかったので、抜きでやるんかなと。

sample bufferを加えて濃度調整したあと再びボイルは必要か、という質問ですね。やってもやらなくてもいいと思います。手製のサンプルだと、ボイルから時間が経つとボンドがボケがちなので、ロードのタイミングがえらく遅れた場合は、私なら念のためもう一度ボイルするかな。

>細かい話ですが、ホモジネートの蛋白がある程度濃い場合、蛋白量あたりのSDSや還元剤が減ってしまい熱変性作用が弱まってしまうということは考えられませんでしょうか?

そこは、予めサンプル重量とバッファー量の比率を決めておいて、極端に濃くなったり薄くなったりしないようにコントロールしますけど。それだけでも、結構、タンパク質濃度は揃います。

(無題) 削除/引用
No.10061-9 - 2021/11/22 (月) 14:26:41 - elle
ありがとうございます。

βMEもしくはDTTはホモジナイズするときにsample bufferに入れる予定です。

ボイルのタイミングですが、
ボイルしてから定量後に濃度調整する際、ホモジナイズに使用した還元剤入りsample bufferを再び加えるすることになるかと思いますが、
これに対してはボイルは不要でしょうか?
細かい話ですが、ホモジネートの蛋白がある程度濃い場合、蛋白量あたりのSDSや還元剤が減ってしまい熱変性作用が弱まってしまうということは考えられませんでしょうか?
的外れな質問でしたらすみません。

Laemmli sample bufferでホモジナイズしたサンプル(定量していません)では見たい蛋白が検出できたので、
強いクセのある蛋白ではないと考えております。

(無題) 削除/引用
No.10061-8 - 2021/11/22 (月) 14:09:30 - G25
sample bufferのSDS濃度が1%だろうが3%だろうが抽出効率に関しては大差ないように思います。私は(おそらく教科書どおりの)2%しか使ったことないですが。気になるなら、かんたんな予備実験ですから自分で濃度振ってしてみては。


タンパク質定量のためBPB抜きのsample bufferでホモジナイズというのもよくやります。


たぶん、ボイルでタンパク質の可溶化が促進するので、私ならホモジナイズのあとボイルしてから、定量と残りの試薬の添加します。還元剤は抜くのかな?


標的タンパク質はクセのあるものではありませんか。
よくいわれることの一つに、疎水ドメインがあるタンパク質はボイルすると疎水結合でアグリゲートするなんてのがあります。アグリゲートするとあるべきはずの場所のバンドが薄くなったりします。

(無題) 削除/引用
No.10061-7 - 2021/11/22 (月) 13:49:31 - elle
皆様、ご指摘ありがとうございます。
また記載が不十分で申し訳ございません。

RIPAバッファーで蛋白抽出する場合は、蛋白濃度を調整する際に、市販の4xLaemmli sample bufferを添加する予定でした。

また一般的なLaemmli sample bufferはBPBが入っていて蛋白濃度が測定しづらいので、Tris-HclにSDS(1-3%)のみ入れたものを作ろうと想定していました。
この場合、蛋白濃度調整時に、グリセロール、BPBを加えボイルしようと考えています。

(無題) 削除/引用
No.10061-5 - 2021/11/22 (月) 13:34:25 - G25
SDS Bufferとはなんぞや?

>RIPABufferの0.1%など
RIPAは免疫沈降用(RIPAはRadio Immuno Precipitation Assayのイニシャライズ)のlysis bufferですから、抗原抗体複合体やタンパク質複合体を解離させないように塩梅されているのです。SDSの他に非イオン性の界面活性剤も入っていて(そちらのほうが濃度は濃かったはず)、複合ミセルになります。
単純にSDS濃度だけで論じられない。

もっともSDS-PAGE用の抽出でバイアスのかからないのは、おそらく、Laemmli sample bufferでホモジナイズして、そのままロードすることだと私は思っています。"SDS Buffer"とはLaemmli sample bufferのこと? じゃないよねえ。

(無題) 削除/引用
No.10061-2 - 2021/11/22 (月) 12:47:37 - AA
市販のでだめだと一般論ではいみがないでしょうから「見たい蛋白」次第なのではないでしょうか?

ウエスタンブロット用のバッファー 削除/引用
No.10061-1 - 2021/11/22 (月) 12:23:34 - elle
いつも勉強させていただいております。

ウエスタンブロットに使用するためのマウス組織からの蛋白抽出についてご質問させていただければ幸いです。

市販のLysis bufferだといくつかの見たい蛋白がウエスタンブロットで上手く検出できず、
SDS Bufferを自作してTotal蛋白の抽出を検討しているのですが、
調べてみると、実際に使用されているSDSの濃度(1xにした時の最終濃度)は1-3%、またRIPABufferの0.1%などかなり幅があるようでした。

感覚的には濃度が高い方が抽出力が高く、どこかでプラトーになるように思っています。
ターゲットによって変わるものだとは思いますが、もし適当な、または汎用性の高いSDS濃度などあればご指導いただければ幸いです。

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