ほぼ同様な方法で調整しています。
(1) 3%(w/v)チオグリコレート培地 2.5 mLを腹腔内投与
(2) 3日後、麻酔下で脱血死させ、
氷冷RPMI1640培地(FBS不含) 5 mLを腹腔内投与
(3) 腹腔内を洗浄するような感じでRPMI培地を3回程出し入れしてから、
滲出マクロファージを回収
(2-3x10^7 cells/mouse程度回収できます)
(4) 遠心(1200 rpm, 3 min)にて、滲出マクロファージを2回洗浄
(洗浄液はRPMI培地(FBS不含))
(5) RPMI1640培地(10% FBS含)に懸濁して、細胞濃度計測
1x10^6 cells/mLに調整後、プレートに播種
(細胞密度:2.5x10^5 cells/250 uL/well on 48-well plate)
(6) 2時間後、氷冷RPMI1640培地(FBS不含)で2回洗浄して、非接着細胞を除去
(7) RPMI1640培地(10% FBS含) 500 uL/wellで培養
培地は、RPMI1640/10%FBS/抗生物質で、還元剤(2-ME)は添加していません。
ご質問への回答ですけど、
(1)培地交換直後は細胞が様々な刺激を受けてシグナル系が活性化してしまっていますので、(実験の目的にもよりますけど)しばらく静置してから実験に供す方が良いと思います。文献によっては、1〜2日培養後に実験に供すプロトコールもあるようですが、感染刺激に対する炎症性サイトカイン(TNF等)応答等の観察であれば、非接着細胞を洗浄除去した後、1〜2時間静置後に開始して特に問題はありません。
腹腔滲出性マクロファージの接着力は比較的強く、初代培養で2〜3日培養を続けてもそれほど剥離しないはずです。丸くなって剥離するのは細胞が死んでいるからだと思います。播種後、接着するステップまでは正常のようですので、それ以降の培養条件(培地成分、温度、炭酸ガス濃度等)に問題があるのではないでしょうか。あるいは細胞密度が濃すぎるということはないでしょうか?
(2)一般的な基礎培地はどれでも使用できると思います。特に比較したことはありませんけど、経験的にRPMI1640培地を用いていますが問題が発生したことはありません。免疫系のお仕事をなさっているのでしたら、RPMI1640培地が第一選択でよいと思います。 |
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