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pCR-BluntU-TOPOについて トピック削除
No.779-TOPIC - 2011/08/16 (火) 23:38:46 - kazuo
いつも参考にさせていただいています。

表題のpCR-BluntU-TOPO vectorについてなのですが、
インサートを平滑末端でPCRかけてTOPOとligationさせた場合、
インサートがどの向きに入るのか(順方向か逆方向か)の確率は
1/2なのでしょうか?それとも必ずしも1/2ではないのでしょうか?

具体的には、およそ2kbのインサート(頭にSal1サイト、後ろにNot1サイトをつけています。もちろんインサート自体はSal1、Not1では切れません)
をTOPOに入れた時の話です。
まず、コロニーPCRでインサート自体のPCRをかけ、あたりのクローン(10クローン)をminiprepしました。
次にインサートがどのような向きに入っているのかチェックしたくて、Not1単独で処理しました。(およそ5.5kbの1本バンドが見えればインサートは順方向、3.5kbと2kbのバンドが見えればインサートは逆方向に入っていると考えられると思いました。)
結果、10クローンすべてで3.5kbおよび2kbのバンドになりました。
この結果だと全てインサートは逆方向ということになり、もしもインサートが逆に入る確率が単純に1/2だとすると、10個全てでインサートが逆に入る確率は1/1024ということになり、確率的になかなかありえないと思うのですが・・・

pCR-BluntU-TOPO vectorではインサートが逆に入りやすいなどということはあるのでしょうか?御存じの方、もしくは経験的にこのようなことがある方、いらっしゃいましたらご教授ください。宜しくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.779-9 - 2011/08/19 (金) 00:26:17 - AP
細切れの投稿が続き、鬱陶しく思われるかもしれませんが、、、

>[Re:7] 月詠さんは書きました :
> (1)挿入断片上の遺伝情報が発現して宿主大腸菌内に蓄積した結果、宿主大腸菌の生育を阻害してしまっている(lacIのないベクターですので)lacPは常に機能していますので、

多くの宿主菌ではlacIはホスト側、F'因子上に乗っています(JM、XL1-Blueなど)。DH5alphaはlacIを持っていません。
タンパク質発現用のホスト(BL21など)も持っていませんが、発現ベクタープラスミドの方にlacIが乗せられています。
→質問者さんがどの宿主を使っているか不明ですが、先に述べた、宿主の選択によって問題を回避できる可能性のことです。

>でたらめなタンパク塊(lacZとのキメラタンパク)が発現してしまいます。そのキメラタンパク塊が宿主大腸菌内にたくさん蓄積した結果、(機序は不明ですけど)宿主菌の生育を阻害してしまうわけです。これが、APさんの仰っている”(宿主大腸菌に対する)毒性”という意味です。

必ずしもlacZの翻訳開始を使って、インサート上にたまたまあるin-frameのORFが、でたらめな融合タンパク質として翻訳されるというだけではないと考えます。cDNA上にある本来の翻訳開始点から翻訳されてしまう場合も少なくないと見ています。もともと大腸菌のmRNAはpoly-cistronicですし、真核生物用のベクター構築の過程で、lacZとin-frameには成り得ないはずのGFPで大腸菌が光ったりします。

一方、例えば膜タンパク質のような疎水性のドメインを持つ真核生物の遺伝子が大腸菌内で発現すると、多量に蓄積するまでもなく少量でも毒性があり、しばしば致死性を示すことが知られています。

(無題) 削除/引用
No.779-8 - 2011/08/18 (木) 21:01:15 - AP
pUC由来のoriのようですから、培養温度を下げるとプラスミドのコピー数を減らすことができますね。インサートからの遺伝子発現が原因なら、それで毒性をさげられる可能性があります。

(無題) 削除/引用
No.779-7 - 2011/08/18 (木) 13:13:58 - 月詠
これはクローニングベクター側の問題ではなく、インサートするDNA断片側の問題です。

(lacZ遺伝子中のクローニングサイトに)順方向に挿入されたクローンのコロニーがまったく生育してこない場合、考えられる可能性は大きく2つ考えられます。

(1)挿入断片上の遺伝情報が発現して宿主大腸菌内に蓄積した結果、宿主大腸菌の生育を阻害してしまっている(lacIのないベクターですので)lacPは常に機能していますので、lacZ(上流)の途中のクローニングサイトに挿入された断片の遺伝情報もそのままコドンとして認識されて読まれていきますよね。もし、挿入断片中に停止コドンがなければ、でたらめなタンパク塊(lacZとのキメラタンパク)が発現してしまいます。そのキメラタンパク塊が宿主大腸菌内にたくさん蓄積した結果、(機序は不明ですけど)宿主菌の生育を阻害してしまうわけです。これが、APさんの仰っている”(宿主大腸菌に対する)毒性”という意味です。

一方、逆方向のクローン(通常の場合)では、どこか適当なところで停止コドンになり、短いlacZキメラしか発現しないので宿主大腸菌の生育に影響せずコロニーが形成されます。


(2)挿入断片が短い場合しばしばあることですけど、挿入断片の下流側のccdB遺伝子まで(コドンの読み枠の関係で)正常にオーバーリードされて、lacZ-挿入遺伝子-ccdBのキメラタンパクとして発現し、sucide機能が正常に作用してしまっている

ただ、2 kbの断片が挿入されたlacZ-ccdB遺伝子が正常に機能するとも思えませんので、(1)の可能性の方が高いと思います。

(無題) 削除/引用
No.779-6 - 2011/08/18 (木) 12:58:41 - AP
>インサートが挿入されるとlacプロモーターが働かない
プロモータに変化はありません。プロモータ下流のマーカ遺伝子を分断するようにインサートDNAが入ると、転写産物上のマーカ遺伝子(lacZやらccdBやら)のORFの連続性やフレームがくずれるので、機能しなくなるというだけです。

(無題) 削除/引用
No.779-5 - 2011/08/18 (木) 11:26:10 - AP
私の言っているのは、クローニングされたDNA断片に含まれる遺伝子の発現です。それを踏まえて、もう一度読みなおしてみてください。

この問題には、融合タンパク質を作るために、発現ベクターにcDNAをいれた場合によくぶつかります。誘導をかけなくてもleakyに発現して、cDNAからの遺伝子産物が大腸菌によって毒性を示す場合、コロニーが生えてきません。

投稿者です。 削除/引用
No.779-4 - 2011/08/18 (木) 10:02:43 - kazuo
皆様

ご回答ありがとうございます。

IPTGはもともと入れていません。

当方不勉強で大変申し訳ないのですが、APさんのおっしゃる意味がよくわかりません。
pCR-BluntU-TOPO vectorでは、インサートが挿入されるとlacプロモーターが働かない→ccdBが発現しない→コロニーが生える、という仕組みなので、
インサートの挿入された向きは関係ないのではないでしょうか?

ぽとさんのおっしゃる通り、インサートに制限酵素サイトはつけてあるのでTOPOに入った向きはあまり関係ないのですが、最初に投稿した通り、10個中10個が逆方向に入ったというのは確率的にあまり考えられず、何か間違っているのかと思い、質問させていただきました。

回答よろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.779-3 - 2011/08/17 (水) 21:35:17 - ぽと
よく使っていますが、経験はあります。
しかし、おそらくAPさんの仰るようなことが理由で、通常のTA-cloningでも起こりうることだと思います。
ただ、何もコードしていないはずのものでも起こったこともあります。cloningさえできていればよかったので特に理由は追及しませんでした。

トピ主さんも制限酵素サイトをつけているので今回は特に問題になることはないのですよね?

(無題) 削除/引用
No.779-2 - 2011/08/17 (水) 07:14:44 - AP
cDNAなんかをプラスミドクローニングベクターに入れるときによく経験することですが、ORFがlacZと順方向に入ったクローンが出にくい場合があります。おそらく、lacプロモータからの転写産物のORFからタンパク質ができて、それが大腸菌に対して毒性を持つためだと思います。
blue/whiteセレクションのためIPTGを入れているなら、それをあきらめてIPTGを入れないで播いてみてください。

IPTGを入れなくても低レベルのleaky expressionで毒性がでる場合もあります。lacプロモーターを抑制するためにグルコースを添加するとか、IacIサプレッサーの活性の高い(IacI^q)ホストに変えてみるなど工夫してみてください。

pCR-BluntU-TOPOについて 削除/引用
No.779-1 - 2011/08/16 (火) 23:38:46 - kazuo
いつも参考にさせていただいています。

表題のpCR-BluntU-TOPO vectorについてなのですが、
インサートを平滑末端でPCRかけてTOPOとligationさせた場合、
インサートがどの向きに入るのか(順方向か逆方向か)の確率は
1/2なのでしょうか?それとも必ずしも1/2ではないのでしょうか?

具体的には、およそ2kbのインサート(頭にSal1サイト、後ろにNot1サイトをつけています。もちろんインサート自体はSal1、Not1では切れません)
をTOPOに入れた時の話です。
まず、コロニーPCRでインサート自体のPCRをかけ、あたりのクローン(10クローン)をminiprepしました。
次にインサートがどのような向きに入っているのかチェックしたくて、Not1単独で処理しました。(およそ5.5kbの1本バンドが見えればインサートは順方向、3.5kbと2kbのバンドが見えればインサートは逆方向に入っていると考えられると思いました。)
結果、10クローンすべてで3.5kbおよび2kbのバンドになりました。
この結果だと全てインサートは逆方向ということになり、もしもインサートが逆に入る確率が単純に1/2だとすると、10個全てでインサートが逆に入る確率は1/1024ということになり、確率的になかなかありえないと思うのですが・・・

pCR-BluntU-TOPO vectorではインサートが逆に入りやすいなどということはあるのでしょうか?御存じの方、もしくは経験的にこのようなことがある方、いらっしゃいましたらご教授ください。宜しくお願い致します。

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