細切れの投稿が続き、鬱陶しく思われるかもしれませんが、、、
>[Re:7] 月詠さんは書きました :
> (1)挿入断片上の遺伝情報が発現して宿主大腸菌内に蓄積した結果、宿主大腸菌の生育を阻害してしまっている(lacIのないベクターですので)lacPは常に機能していますので、
多くの宿主菌ではlacIはホスト側、F'因子上に乗っています(JM、XL1-Blueなど)。DH5alphaはlacIを持っていません。
タンパク質発現用のホスト(BL21など)も持っていませんが、発現ベクタープラスミドの方にlacIが乗せられています。
→質問者さんがどの宿主を使っているか不明ですが、先に述べた、宿主の選択によって問題を回避できる可能性のことです。
>でたらめなタンパク塊(lacZとのキメラタンパク)が発現してしまいます。そのキメラタンパク塊が宿主大腸菌内にたくさん蓄積した結果、(機序は不明ですけど)宿主菌の生育を阻害してしまうわけです。これが、APさんの仰っている”(宿主大腸菌に対する)毒性”という意味です。
必ずしもlacZの翻訳開始を使って、インサート上にたまたまあるin-frameのORFが、でたらめな融合タンパク質として翻訳されるというだけではないと考えます。cDNA上にある本来の翻訳開始点から翻訳されてしまう場合も少なくないと見ています。もともと大腸菌のmRNAはpoly-cistronicですし、真核生物用のベクター構築の過程で、lacZとin-frameには成り得ないはずのGFPで大腸菌が光ったりします。
一方、例えば膜タンパク質のような疎水性のドメインを持つ真核生物の遺伝子が大腸菌内で発現すると、多量に蓄積するまでもなく少量でも毒性があり、しばしば致死性を示すことが知られています。 |
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