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微細藻の葉緑体ゲノム抽出方法について トピック削除
No.764-TOPIC - 2011/08/09 (火) 21:09:01 - 仇波
皆様、こんばんは

是非、皆様のお知恵をお貸しください。


私は、環境より微細藻類を単離し取り扱っております。

この度、葉緑体ゲノムを抽出しPCRすることになったのですが、
その抽出方法の効率の悪さに悩んでおります。

これまでは基本的に核ゲノム(18SなどのrDNA)しか対象にしていなかったため、Kitも何を使用すべきかわからず、
ひとまず東洋紡の【Mag Extractor-Plant Genome-】を購入し使用しています。

細胞の破砕方法は、回収した細胞を凍結し、Kitの溶解液中で解凍し、
その後はプロトコールに従って進めています。

使用する藻体量は10mL培養液の3〜5mL分を遠心濃縮し使用しています。
サンプル量が少ないことは理解しているのですが、現行の実験系ではこれ以上の藻体量を確保するのは難しいです。
(1.5mLチューブに10〜20uL程度分のペレットになります。乳鉢等で破砕するほどの量もないため、上記のような方法で行っています)


出来上がりの濃度は2ng/uLも取れれば上出来な状態です。
PCRで思うように増えず、念のためnestedPCRをやってようやく濃いバンドが確認できました。


参照した論文では、数L分もの大量の培養物から抽出していたり、有機溶媒やEtBr使いまくりな方法で抽出していたりで、応用できません。

出来れば簡単に、安く、安全に(有機溶媒等を余り使えない環境です)出来ればよいとは思っているのですが・・・

葉緑体ゲノムをターゲットとしたKitで、少量のものから抽出できるお勧めのものをご存知ありませんでしょうか?
Kitを使わないものでも結構です。何か良いアドバイスがございましたら、ご教授ください。
 
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解決しました。 解決済み 削除/引用
No.764-10 - 2011/09/21 (水) 15:59:15 - 仇波
皆様からさまざまなご意見を頂き、PCRや抽出方法の検討を行った結果
無事にバンドを得ることが出来ました。

ちなみに、収量はキットのプロトコール記載のインキュベート時間を
30分〜1時間程度に延長したところ大幅に改善しました。

PCR条件もタッチダウンPCRを試した結果、バンドを確認できました。
アニーリング温度が微妙に合わず、効率が悪くなっていたのでしょうか。

未だに薄いバンドしか検出できないものも一部ありますが、
少しずつ条件をいじって改善していきます。

ご意見いただきました皆様、本当にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.764-9 - 2011/08/10 (水) 14:29:56 - 仇波
>~さん

ご意見頂きありがとうございます。

珪藻のDNA回収量に対する検討が甘かったですね。
もっと文献を読んで勉強します。

まずはPCRの条件検討を主に進めてみます。


説明が足りず申し訳有りませんでした。

今回は、環境から単離・培養した藻体サンプルの中から欲しいものを顕微鏡下で絞込み、目的種の葉緑体DNAに特異的な配列のプライマーでPCRし検出するという探索方法をとろうとしていました。
見た目が似た株が沢山あるので・・・
今回は微細藻のrbcLのユニバーサルプライマーを使って、ちゃんと取れているかの予備実験を行っていました。

培養設備はあるのですがスペースはあまりなく、当たりかどうかもまだ分からない状態の株を増やすことはちょっと難しいです。検査対象株もそれなりに数が増える予定ですので、それに対応できる系を作りたかったのです。

ちなみに分裂は1〜2日で1回程度の種です。

ドラフトは有りますが、別の用途に使用されておりコンタミが怖くて使えません。
クロロホルム使用はキットで使用するよう求められていたので。葉緑体ゲノムが回収できると謳っているものを探したのですが、見つけた中では一番使用量が少なかったのです。人が少ないタイミングで手早く作業すれば最小限の被害で済むかと思いました。
他のチームがクロロホルムを別の用途に使用しており、廃液を処理できたというのも大きいです。

(無題) 削除/引用
No.764-8 - 2011/08/10 (水) 14:07:37 - bluehornet
TOYOBOの回し者ではないですが、PCR用酵素として「KOD FX neo」を使ってみてはどうでしょうか?

TOYOBOのサイトに「KOD FX neoの実施例3:植物のライセートを用いた増幅」としてワンステップのみの前処理でタバコ葉ライセートから4.6kbpのターゲットを増幅しています。図中のタバコ葉ライセートは明らかな緑色をしていておそらく仇波さんのサンプルより夾雑物が多いと思われますが、35サイクルでちゃんとバンドが出ていますよ。

TOYOBOは試供品をくれるので、業者に頼むか、直接コンタクトをとってみてはどうでしょうか?
試供品は20 unitで、PCR 50uLの系で20サンプル分、20uLの系にすれば50サンプル分になるので条件検討が十分できると思います。

ちなみに僕は愛用者です。

(無題) 削除/引用
No.764-7 - 2011/08/10 (水) 13:00:05 - ~
珪藻だったのですか。
葉緑体のコピー数は少ないようですね。

>トータルDNAの濃度であり、その中で葉緑体DNAがどれくらいの割合を占めているのかは分かりません
珪藻の種類によってゲノムサイズ、葉緑体のDNAサイズ、葉緑体のコピー数なのかは代わってくるかもしれませんが、適当な株での情報は分かるのではないでしょうか。
その数字から、2ng/uLの溶液1uLに、何コピーの葉緑体DNAが入っているのかは計算できるのではないでしょうか。


問題なのはPCR部分だと思いますが、まだ培養や抽出部分も気にされているようですので:

複数の大量調製している文献を読まれているようですが、そこでは培養液1mLあたりどれくらいの量のゲノムDNAが回収できているのですか?
回収率の向上を目指すとしても、その量が限度だと思います。

また、事情がよく分かりませんが、その珪藻は培養が可能で、培養設備はあるのですよね。
チューブを1サンプルあたり10本ふれば、収量も10倍になることが期待されますが、それも制限されるのでしょうか?

DNA抽出であれば、細胞のままいったん凍結しても問題ない場合も多いかと思います。
1日2〜3回は分裂するでしょうから、朝晩に半分を回収、遠心、凍結して、残りに培地を足せば、1日あたりで1本分のペレットが回収できるでしょう。

また、所属ラボや団体に、ドラフトはないのでしょうか?
あれば、その中で実験を行なうことで、有機溶媒の拡散を防ぐことが出来ます。
ないのであれば、どのような理由・基準でクロロホルムを導入したのでしょうか?
その基準に従って、使用できる有機溶剤が何なのかが分かるのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.764-6 - 2011/08/10 (水) 12:30:16 - 仇波
皆様、回答頂きましてありがとうございます。

勉強不足で大変お恥ずかしい話ですが、
葉緑体のゲノムのコピー数がどれほどあるかに関してもっと少ないものだと思っておりました。

実際、これまでやったことがあったものは、1000コピーはあるというrDNAが主でして、それより遥かに少ない(と思っていた)葉緑体DNAを得る為にはもっと濃いDNA溶液を得る必要があるのではないかと、そう考えていた次第です。
2ng/uLという濃度は、葉緑体のみを単離してから精製したものではなく
トータルDNAの濃度であり、その中で葉緑体DNAがどれくらいの割合を占めているのかは分かりません。
トータルでそれだけ薄いのなら、葉緑体DNAはどれほどあるのか・・・と。
実際、同じサンプルを18SのプライマーでPCRに供した場合は問題なく増幅を確認できています。

bluehornetさんのおっしゃるとおり、PCRの条件にも問題は有りそうです。
初回のPCR産物(バンド検出できず)をテンプレートにしたnestedPCRでバンドが確認できる以上、プライマーやサイクル条件に問題はなく、DNAの濃度や精製状況にあるのではないか、とは考えていました。
酵素を変えてみるのも一案ですね。試してみます。


細胞は5〜8nm程度の珪藻であり、サイズに対して殻の内径が小さい種の為、ペレットの量だけでは目安にならないようですね。申し訳ございません。
キットの推奨されるサンプル量を遥かに下回っているとは思いますので、そういった意味では収量が少ないのは当然なのかもしれません。

文献等にある方法は大量培養を必要としているものが多く(そこまで手間をかけられるほど株を絞り込んだ段階でのPCRではないのです。)、また実験室が共有実験室しかなく且つ女性が多い為、有機溶媒等の危険な試薬の使用は出来るだけ控えるように配慮したいのです。
今回、クロロホルムもなんとか導入できた状態ですので。


甘いことを抜かしているようで大変恐縮なのですが、引き続き皆様のご意見を頂きたく宜しくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.764-5 - 2011/08/10 (水) 10:38:13 - ~
>その抽出方法の効率の悪さに
本当に効率が悪いのですか?

>10〜20uL程度分のペレット
>出来上がりの濃度は2ng/uL
ペレットの比重を1と仮定すると、0.01gですので、細胞外の組織が少ないタバコの培養細胞のデータで計算すると、0.2〜0.3ug回収できますよね。
溶出は100uLでしょうから、回収できているのは0.2ugで、タバコの培養細胞ならば期待された量に近い値で回収できています。

これよりも多い量のDNAが回収できると考えている根拠は何でしょうか?
そのような回収方法があることを知っているのでしたら、その方法で回収されてはいかがでしょうか。


また、動物細胞のゲノミックPCRだと、終濃度で1ng/uL程度あれば2コピーのゲノム上の遺伝子を増やせます。
植物でゲノムサイズが大きいとしても、葉緑体のコピー数は1000以上くらいあるでしょうから、その濃度で1/10vol.程度持ち込んでも増やすことは出来るはずなのではないでしょうか。
PCRが増えていないのがDNAの回収率や回収量が問題であると判断している理由はあるのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.764-3 - 2011/08/10 (水) 10:32:14 - bluehornet
仇波さんの場合、葉緑体ゲノムの抽出というよりはPCRの方に問題がある可能性が高いように思われます。僕は日常的にhumanのgenomic PCRを行っていますが、テンプレートに1ng(約300コピー)もDNAを用いれば十分に検出可能(アンプリコンは数百bp)です。藻の核ゲノムや葉緑体ゲノムの大きさがどの程度かは知らないんですが、人のゲノムよりは遙かに小さいでしょうから、2ng/uLの濃度があれば十分なコピー数を含んでいてPCRで検出可能だと思います。
葉緑体からの抽出ということですから、サンプルにPCRを阻害する物質が比較的多く含まれていて増幅がうまく行かないのでは?と僕は考えます。
なので、サンプルの再精製かPCR用酵素の変更を検討してみてはどうでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.764-2 - 2011/08/10 (水) 00:09:18 - tm
葉緑体ゲノムのコピー数は核ゲノムのコピー数よりもはるかに多いわけですから、普通に核ゲノムPCR用の抽出プロトコルで葉緑体ゲノムも十分取れてくるように思いますが。そうではない理由があるのでしょうか?

微細藻の葉緑体ゲノム抽出方法について 削除/引用
No.764-1 - 2011/08/09 (火) 21:09:01 - 仇波
皆様、こんばんは

是非、皆様のお知恵をお貸しください。


私は、環境より微細藻類を単離し取り扱っております。

この度、葉緑体ゲノムを抽出しPCRすることになったのですが、
その抽出方法の効率の悪さに悩んでおります。

これまでは基本的に核ゲノム(18SなどのrDNA)しか対象にしていなかったため、Kitも何を使用すべきかわからず、
ひとまず東洋紡の【Mag Extractor-Plant Genome-】を購入し使用しています。

細胞の破砕方法は、回収した細胞を凍結し、Kitの溶解液中で解凍し、
その後はプロトコールに従って進めています。

使用する藻体量は10mL培養液の3〜5mL分を遠心濃縮し使用しています。
サンプル量が少ないことは理解しているのですが、現行の実験系ではこれ以上の藻体量を確保するのは難しいです。
(1.5mLチューブに10〜20uL程度分のペレットになります。乳鉢等で破砕するほどの量もないため、上記のような方法で行っています)


出来上がりの濃度は2ng/uLも取れれば上出来な状態です。
PCRで思うように増えず、念のためnestedPCRをやってようやく濃いバンドが確認できました。


参照した論文では、数L分もの大量の培養物から抽出していたり、有機溶媒やEtBr使いまくりな方法で抽出していたりで、応用できません。

出来れば簡単に、安く、安全に(有機溶媒等を余り使えない環境です)出来ればよいとは思っているのですが・・・

葉緑体ゲノムをターゲットとしたKitで、少量のものから抽出できるお勧めのものをご存知ありませんでしょうか?
Kitを使わないものでも結構です。何か良いアドバイスがございましたら、ご教授ください。

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