私の材料はマウスではないので、参考程度の話です。
私は抗体を作りたいとき、まずマウスでポリクロを作ってみます。
マウスだと、一匹あたり血清量が1 mL弱しかとれないところが欠点ですが、それだけあれば、一通りのWesternや染物ができ、それでデータが十分そろってしまうことも少なくないです。また、先々の実験のためウサギ血清やモノクロが必要な場合も、コストや時間のかかることですし、マウスポリクロを作成し、実績があがった抗原や方法を踏襲することで、失敗のリスクを下げます。
マウスポリのメリットは、
・早い。最低2回の免疫でいいので最速、一ヶ月でとれる。
・安価で、飼育ハンドリングがしやすいので、外注などせず自前でもできるし、免疫個体数、5−6匹くらいはたやすい。個体ごとのロット差の比較によって、結果の判断がしやすい。
・ウサギと違って、高度に近交化されており、市販のものはSPFが普通なので、個体差が少ないし、変な抗体をもっていたりしない。たとえば、コントロール用の免疫前血清でウェスタンをすると、ウサギだとそれだけでいろいろバンドがでて、しかもそのパターンが個体ごとに違ったりするが、マウスだとあまりそういうことがない。バックグラウンドがきれいなので、どれが本物のバンドだか判断しやすいし、アフィニティー精製なしで使えることが多い。
概して、コストや時間のかかるプロジェクト始める前の、パイロットプロジェクトとして好適な性格だといえます。
ただし、今回は相手がマウスなのでマウスで抗体を作るのはいろいろ差しさわりがありますね。
かわりにラットを免疫するとか(これも種が近すぎてうまくないのかしら)? |
|