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バイオにおける統計的有意差の意義 トピック削除
No.659-TOPIC - 2011/07/10 (日) 21:21:40 - 春咲小紅
4月から研究を始めているのですが、「統計的有意差と生物学的な現象の理解」について疑問をもっています。
@統計学的有意差を生物学に反映させる意味はどれほどあるのでしょうか?
たとえば、リアルタイムPCRでmRNAの発現量を調べ、統計的な検定をし、p値を出したりします。
たしかに世の中に出回っている論文もそうなっています。
でも、統計的有意差があろうが、なかろうが、mRNAの変化がタンパクに反映されていれば意味はあるでしょうし、されていなければ意味はないのではないでしょうか?

Ap値が<0.049であれば有意差がなく、<0.051であれば有意差はある・・・となりますが、統計学のルール上はそうでしょうが、それが生物学的にどれほど意味があるのでしょうか?
または、そう示す検討が必要なのではないでしょうか?

日ごろの実験結果を機械的に処理しているなかで疑問におもい、たててみました。
よろしくおねがいします。
 
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(無題) 削除/引用
No.659-9 - 2011/07/12 (火) 20:58:07 - Harmonia
学生の頃、「環境生物学」という講義で、半年かけて、平均値から始まって、標準偏差から分散分析と授業が進み、期末テストは「電卓持込可」というのがありまして、教授が黒板に1問だけ試験問題を書きました。

「統計はものの見方の一側面である」

これについて、思うことを述べよ、というものでした。

やられたなー、って感じでした。

(無題) 削除/引用
No.659-8 - 2011/07/12 (火) 13:43:09 - う
そもそも、

何も考えずに、ただ統計を出していることに意味があるのか?

ということ、と。

統計を出して、それを参考して結果を考察していく。

ということ、は全く意味が違うということだと思いますが。


統計は手段であって、目的ではないのです。

感謝感謝です! 削除/引用
No.659-7 - 2011/07/11 (月) 20:34:44 - 春咲小紅
皆様、ホントわかりやすご指摘、ありがとうございます。

どのかたのご意見も なるほど! です。

データをステレオタイプにEXCELでまとめるなかで、t検定だ、エラーバーだ、などと無感情にパチパチパソコンを操作していて、
なんだかな〜・・・と感じていたのが、ちょっとやる気がでてきました。

生物統計が示すものの意味をはきちがえていました。
データの性質(信頼度やばらつきetc)を示すのが統計なのかな・・・・と理解(は言い過ぎですが)しました。

(無題) 削除/引用
No.659-6 - 2011/07/11 (月) 19:34:19 - 月詠
基本的に統計的有意差というものを勘違いなさっているように思うのですけど。。。

たとえば、A細胞を薬剤Bで刺激し、薬剤B処理群と対照群(未処理群)の遺伝子Cの転写とタンパク発現のデータを得たとします。
論理的に考えられるパターンとして、次の4通りのいずれかに収まるはずですよね?

mRNA タンパク発現
パターンA有意差なし有意差なし
パターンB有意差なし有意差あり
パターンC有意差あり有意差なし
パターンD有意差あり有意差あり

この観察結果をもとに、薬剤BがA細胞にどのような機序で影響を与えているかについて考察していくわけです。もし、薬剤B刺激後のmRNA発現が多少増加していたとしても、統計処理によって有意差なしと判定されれば、それは刺激による変化ではなく偶然のバラツキにすぎないと判断するのですよね。

あなたが@で示された例は、パターンCに相当しますから、薬剤Bは少なくとも転写促進に作用していることは濃厚で、しかし同時にタンパク合成を阻害している「可能性」等も考察されるわけです。たとえタンパク合成に有意な増加が認められないとしても、パターンAのように「薬剤Bは、A細胞に有意な影響を及ぼさない」という結論は導けないわけです。

AのP値=0.05というのは同様な実験を繰り返したとき、20回に1回は偶然(バラつきによって)そのような見かけ上、差のあるデータが得られます、ということですよね。つまり、たとえばパターンDのような結果が得られれば、「薬剤Bは、A細胞のC遺伝子発現を促進する」という結論を導くと思いますけど、その結論は5%の確率で(単なるバラつきの産物という)冤罪の可能性が残されてはいますが、95%の確率で間違っていないでしょう、という意味にすぎません。5%の誤審・冤罪のリスクを高いと思うか低いと思うかは、その結論がもたらす結果で判断するべきでしょう。たとえば、ある公判において、その鑑定結果次第で有罪が確定するような重要な精神鑑定の場合には、5%のカットオフ値ではとても十分とはいえないでしょうから。

(無題) 削除/引用
No.659-5 - 2011/07/11 (月) 16:21:42 - in situ
以前にも統計解析に関してはこの掲示板で議論がありましたから、そちらも参考にされるとよいと思います。

@に関してですが、統計的有意差があるということと生物学的意義があるということは全く別のことで、例えば『ある薬剤を加えた時にある酵素の酵素活性が101%になる』という命題もn数を1万とかにすれば統計的には有意差がでる可能性は大いにありますが、それを以て『その薬剤が生物学的に酵素に対して影響を及ぼしている』という結論は導けません(1%の活性上昇が意味があるかどうかは議論の余地はありますが)。

ただ、スレ主さんの例にあるmRNAの上昇に統計的に有意差が認められたのに、タンパク質発現上昇は見られなかった場合、通常、翻訳レベルもしくはmRNAもしくはタンパク質の安定性のレベルで何らかの調節が働いているだろうと解釈するでしょう。
しかるに、mRNAが統計的に有意に上昇しているということはそれ自体は意味のあるデータであり、統計解析をやる意味がないということではありません。

自分としては、生物の統計解析を行う意味は、アッセイ系によっては非常に誤差が大きい場合があり、2、3回やると逆転した結果が得られるようなことも十分あり得ます。
そういう時に、『3回やったけど、このくらいしかばらついていなかったよ』というデータを示すことで、その実験の信頼性が分かります。
でも、何が何でも統計かというと、そうでもなくて、ウエスタンとかで3回別々にやったもので、全て同様の結果が得られたというように示すこともよくやられるし、ありだと思います。

Aに関してですが、p=0.05というのは今までの研究者が慣例的に使ってきたカットオフ値で、0.05を切っていれば大丈夫だという論理的な根拠はあまりないと思います。
ただ、実際問題として、0.05を切っているような差の場合(実験系に根本的な問題がなければ)、同じ条件で次にやって完全にひっくりかえるような結果になることはまずないので、経験的な値として悪くないのだと思います。

(無題) 削除/引用
No.659-4 - 2011/07/11 (月) 15:46:57 - おお
>mRNAの変化がタンパクに反映されていれば意味はあるでしょうし、されていなければ意味はないのではないでしょうか?

これは研究テーマによって意味がかわります。mRNAが顕著に上昇してタンパクが変化しなかったら、ポストトランスクリプションにおける制御として意味があるという人もいます。

(無題) 削除/引用
No.659-3 - 2011/07/11 (月) 08:15:22 - もんさん
統計学の基本・意義から勉強してくださいね。
(1)mRNAの量を調べる意義があるから調べているのであって、タンパク質の量と相関があるかどうかは別問題です。もっともタンパク質の量と相関があるといいな〜とは考えているでしょうけど。
(2)p=0.05を基準としているのは観察者の主観であって、この値以下なら差があると信じてもいいのではという目安ですよ。

(無題) 削除/引用
No.659-2 - 2011/07/11 (月) 02:18:44 - おお
たいていの場合は、初段階の探索的な実験が多いので有意差は単なるめやすで厳密ないみを持っていないと思います。もしその後パワーアナリシスをやって、統計的に有意差あるなしの判断ができる実験デザインのもとで評価した場合はもっと意味が出てくると思います。臨床試験はそう言う評価をすること土台にしていることも結構あると思います

バイオにおける統計的有意差の意義 削除/引用
No.659-1 - 2011/07/10 (日) 21:21:40 - 春咲小紅
4月から研究を始めているのですが、「統計的有意差と生物学的な現象の理解」について疑問をもっています。
@統計学的有意差を生物学に反映させる意味はどれほどあるのでしょうか?
たとえば、リアルタイムPCRでmRNAの発現量を調べ、統計的な検定をし、p値を出したりします。
たしかに世の中に出回っている論文もそうなっています。
でも、統計的有意差があろうが、なかろうが、mRNAの変化がタンパクに反映されていれば意味はあるでしょうし、されていなければ意味はないのではないでしょうか?

Ap値が<0.049であれば有意差がなく、<0.051であれば有意差はある・・・となりますが、統計学のルール上はそうでしょうが、それが生物学的にどれほど意味があるのでしょうか?
または、そう示す検討が必要なのではないでしょうか?

日ごろの実験結果を機械的に処理しているなかで疑問におもい、たててみました。
よろしくおねがいします。

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