そういう場合もあるのでしょうけど、必ずしもそうともいいきれないと思います。
たとえば、人工合成甘味料のサッカリンなどは、天然の甘味料(基質)である砂糖(ショ糖)よりも何百倍も強い甘味(受容体親和性)がありますよね。
他にも、微生物であれば、薬剤排出系などはどうでしょうか? 天然の抗生物質はともかくとしても、少なくとも合成抗菌薬を排出するために進化してきた機能ではありませんよね。天然の基質がそもそも何かも解っていませんけど、薬剤排出系に機能欠損のある薬剤超感受性変異株では、培養定常期の菌密度が野生株よりも高くなる傾向があることから、菌密度を感知するクォラムセンシング系の物質の排出(分泌?)に関連している可能性などが示唆されます。しかし、これらの本来の基質(?)よりも合成抗菌薬の方が親和性が高くて効率よく排出される可能性もあるわけです。
ですから、「本来の天然基質がもっとも活性が強い」という命題は少なくとも一般論としては成立しえないのではないでしょうか。 |
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