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分子生物学的実験 トピック削除
No.621-TOPIC - 2011/07/04 (月) 22:18:26 - ホッパー
いつも勉強させていただいております。現在『分子生物学系の実験』を行っていてその意義について考えています。医学の実験の大まかな流れとしては、患者さんで何が起きているのか明らかにする『病理的実験』、そしてそれを実際に詳しく解析する『分子生物学的実験』、実際の動物で再現して動態などを観察する『動物モデル実験』のように結びついているかと思います。
そこで、抽象的なのですが『分子生物学的実験』の意義および研究の方向性について御意見いただけますでしょうか。

1.分子生物学的実験は最初に病理の結果をもとに発展させて行きますが、進めるほどに実際の患者さんでも確認できるかどうかわからない、病理との乖離が生じて行くように思います。人工的な環境で再現した結果と病理をすり合わせる方法としては、実際の患者さんのサンプルで確かめるという方法以外にありますでしょうか。

2.研究を進展させるにあたり、機能解析などは特に病理との乖離があるかと思います。そのような場合の研究を進める際には何に注意すればよいのでしょうか。(今回の結果が今回の実験系にのみ言えるわけではないと言うには何に注意し進展させればよろしいのでしょうか)

3.分子生物学的実験の最たる意義は、病理とモデル動物の橋渡しということでしょうか。

長く拙い文章で申し訳ないのですが御意見頂けると幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.621-7 - 2011/07/09 (土) 21:23:47 - カイ
要は「○○的手法」は道具であって、我々研究者の本分は「なんらかの謎を解明すること」ですよね。
「彼/彼女は○○がうまいから」とか「○○のことは彼/彼女に聞くといいよ」と言われると、「あれ?ボスは○○を期待して私を雇ったのかな?○○的アプローチでこの謎を解くべきなのか?」と思ってしまって、他の手法でアプローチしている自分に迷いを持ったりもしたものですが、
○○がうまいのはただの強みであって、結局謎を解くためには何の手法を使ってもよいから、論理的にその手法によって調べることが必要であれば、なんでもしますよね。

生物学者(多くはPhD)は分子一つ一つの機能や相互作用からパズルのピースを組み立てているようなもので、医学の研究者(多くはMD)のように病理切片からアプローチを始めるのとは真逆のアプローチですよね。
患者の体を外から見て中の分子の働きの異常を議論しようとするのは、地球を宇宙から見て人一人の動きを追跡しようとするくらい、遠いことなのかなと思います。
乖離があるとすれば、生命体はあまりに複雑で、病理切片でいくつかのリン酸化酵素が活性化しているのが染まったとしても、病気の根本的原因がわかるわけでもないし、モデル系をin vitroで構築してそのリン酸化酵素を恒常的に活性化させて他の分子への影響を云々したところで病気に近づくわけでもないというもどかしさかなと思います。
どっちのアプローチも必要だし、病気の根本原因解明には分子の機能解析は必須だと思います。ただ道のりは遠いですよね。
建前じゃなく我々(PhDも)の最終目標は病気や機能不全を治すことだと思いますが、分子の機能解析から試薬の臨床試験投与、認証までは数十年クラスの、多くの人の協力が必要なプロジェクトかなと思います。

(無題) 削除/引用
No.621-6 - 2011/07/09 (土) 04:33:32 - 310
『病理的実験』,
『分子生物学的実験』
『動物モデル実験』
これらは研究者から見れば仮説を証明するための道具に過ぎません。しかし、私が研究を始めた時期から今を見ると石器からチェンソーくらいにも進歩しております。日常のTIPSからノーベル賞まで方法論の開発が研究の底上げに重要であることは、このフォーラムに参加している皆様は良くご存知と思います。

特にゲノム関連は、ヒトゲノムプロジェクト開始時に不可能と言われ、オートシークエンサー登場後は、あんなものはテクニシャンの仕事で研究者がやるもんじゃないと言われ、全解析終了後は、もうやることないよと言われながら、今度は全ゲノムを各ベンチで読むべくDNAの並列解析が開発されました。

一方、職人的技術を必要とする分野では、(彼、彼女、自分は)これができるから一生食えると言う話を聞きます。

私は、ゲノム担当ではないのですが、こういう実験に対するシノニストのような発言を聞くたびに不快な思いをしました。要は道具に使われない頭で、仮説の証明に適した方法の選択が行われれば良く、分野や方法により、投稿するジャーナルは線引きされても、自分で線を引くのは損ではないかと思っています。

私は所属するラボにより動物実験(へたくそでしたが)、連鎖解析、免染やウエスタンなど抗体の実験、細胞培養とやってきて、それぞれ該当している実験の専門家と言われ、今は分子生物学中心のためボスからmolecular biologist と呼ばれています。こういう呼ばれ方は好きではありませんが、誰でも自分の呼び名は他人が決めてるので、あきらめています。

(無題) 削除/引用
No.621-5 - 2011/07/08 (金) 19:50:53 - まー
「ある生命現象」という「森」に対し、分子生物学実験などは1本の「木」と見ているに過ぎないので、そこに乖離があって当然だと思いますが。
むしろ、一側面からの研究だけ首尾一貫して「森」を説明できるとすれば、おお様のおっしゃるとおり、あまりにもできすぎです。
エーテル説だってフロギストン説だって、自然現象の一部を説明できましたが、結局、自然現象の「森」全体を説明することができず、破綻しましたよね?

「今回の結果が今回の実験系にのみ言えるわけではないと言う」には、命題に答えるために適切な実験をデザインするべきで、人工的な環境だから信用できないとか、そういう話ではないと思います。
In vitroのほうがクリアに証明できる命題もあります。
もちろん、逆にin vivoでないとダメというものもあります。
病理の結果とin vitroの結果が相関したからといって、それはin vitroでの実験結果が正しいことの保障にはなりません。
いくら相関しても、そのin vitro実験のデザインが論理的に不適切であれば、それは単なる偶然の一致です。

(無題) 削除/引用
No.621-4 - 2011/07/07 (木) 23:06:55 - ABZO
質問した人の悩みは、これでも、そしていまも基礎研究やってるひとの多くが持っていることだとおもう。みんなのいう分子生物学って実際は研究の手法のひとつのことなのだけど、どうしてかしらないけど「分子生物学的手法を用いて-----を明らかにする」、というときどういうわけか前半にアクセントが置かれてしまい、いつもまにか後半部分の本来の目標がぼやけてきて、いつのまにか「分子生物学を研究してます」とかみたくなってくる。だから病理でーーー、分子生物学でーーーとかみたく研究スタイルを自分で変に型にはめないで、、目標に近づくうえで、使えるもの、可能性のありそうな知識、技術は積極的にどんどん取り入れた方がいい。そうするとかなりいい方向に状況かわってくるとおもう。うちらは(方法があるていど整備されてて初心者でもスムーズに取っ付きやすいという事もあって)生化学とか分子生物学の手法を使うことが比較的多いけど、問題解決に必要と思えば普通に電気生理学の実験を習いに行ったり、専門の技術員さんに教えてもらいながら免疫電顕にトライしたりしてたよ。

分子生物学なしに病気の根本解決はないという意見があったけど、がっこうのときの生物学史や医学史のコースとかでならったこと思い出すと分かると思うんだけど、いくらなんでもそれは言い過ぎでは?と思う。

(無題) 削除/引用
No.621-3 - 2011/07/06 (水) 18:44:30 - おお
方向性はその研究者が進めていくうえで自由に考えればいいことです。病理などで分かったことを分子生物学的なアプローチして得られた結果といっても、細胞が持つ遺伝子タンパクの数、多様性を考えると氷山の一角です。それを乖離というのか、それともさらに一研究者ではできない10年以上の単位で蓄積してくるものが必要ではないか。加えて分子生物学なんかちっぽけなフィールドで生化学、動物生理学、生物物理学、細胞生物学その他もろもろのアプローチがあるわけですから、病理でやったことが分子生物学でみてそれだけで完全な話になるのはあまりにも出来過ぎです。最終的な確認としては患者さんからのサンプルでというのはそうかもしれませんが、実験からいえることを臨床でフィードバックして、またその結果を実験へとフィードバックするというのはあり得るのではとおもいます。ただし、基礎の実験をする研究者は臨床の結果に行き着かなくても立派に論文がかけるわけですから、病気を理解するうえでのアプローチのほんの一部だとしても可也の力が注がれて評価に値するのは事実です。

>3。分子生物学的実験の最たる意義は、病理とモデル動物の橋渡しということでしょうか。

これも研究者によって意義は違うでしょう。

(無題) 削除/引用
No.621-2 - 2011/07/05 (火) 09:56:47 - KY

> そこで、抽象的なのですが『分子生物学的実験』の意義および研究の方向性について御意見いただけますでしょうか。
医学と比較するのであれば、分子生物学的実験ではなくて基礎研究とよぶほうが一般的だと思いますが。

>
> 1.分子生物学的実験は最初に病理の結果をもとに発展させて行きますが、進めるほどに実際の患者さんでも確認できるかどうかわからない、病理との乖離が生じて行くように思います。人工的な環境で再現した結果と病理をすり合わせる方法としては、実際の患者さんのサンプルで確かめるという方法以外にありますでしょうか。

なぜそんなに病気を治すことだけが最終的な価値しか生まないような考えなんですか?医学は医学であって、生物学は生物学です。50年ほど前にDNAが二重螺旋であることが発見されたことは分子生物学の大発見です。その発見じたいは病気を治すことが直接の目的ではありません。しかし土台となりあらゆることが発展しました。生物を理解することが生物学の目的なのです。
もちろん科研費と取るときは病気の治療に役立つことをアピールしないといけない世の中ですが。例えば細胞分裂の研究だけど、将来は癌の治療に役立つだろうとか。でも我々生物学者としては、医学に直結しなくても、生物を理解して教科書に載るような仕事をすることが目標の一つなんです。
だからノーベル賞は、病気を治す者ではなくて、その価値ある根本的発見をした者に贈らせるのです。
医者は目の前の人々を救う立派な仕事ですが、基礎研究に携わる研究者は世界中の人々を救える可能性があるのです(かなり一握りに人だけですが。。)

>
> 2.研究を進展させるにあたり、機能解析などは特に病理との乖離があるかと思います。そのような場合の研究を進める際には何に注意すればよいのでしょうか。(今回の結果が今回の実験系にのみ言えるわけではないと言うには何に注意し進展させればよろしいのでしょうか)

細胞などで分子メカニズムを解明したら、同じようなことをモデル動物を用いて行うことが、よくある流れです。

>
> 3.分子生物学的実験の最たる意義は、病理とモデル動物の橋渡しということでしょうか。

橋渡しではありません。土台、基礎となるものです。逆に言えば、分子生物学なしに病気の根本的解決はないでしょう。

分子生物学的実験 削除/引用
No.621-1 - 2011/07/04 (月) 22:18:26 - ホッパー
いつも勉強させていただいております。現在『分子生物学系の実験』を行っていてその意義について考えています。医学の実験の大まかな流れとしては、患者さんで何が起きているのか明らかにする『病理的実験』、そしてそれを実際に詳しく解析する『分子生物学的実験』、実際の動物で再現して動態などを観察する『動物モデル実験』のように結びついているかと思います。
そこで、抽象的なのですが『分子生物学的実験』の意義および研究の方向性について御意見いただけますでしょうか。

1.分子生物学的実験は最初に病理の結果をもとに発展させて行きますが、進めるほどに実際の患者さんでも確認できるかどうかわからない、病理との乖離が生じて行くように思います。人工的な環境で再現した結果と病理をすり合わせる方法としては、実際の患者さんのサンプルで確かめるという方法以外にありますでしょうか。

2.研究を進展させるにあたり、機能解析などは特に病理との乖離があるかと思います。そのような場合の研究を進める際には何に注意すればよいのでしょうか。(今回の結果が今回の実験系にのみ言えるわけではないと言うには何に注意し進展させればよろしいのでしょうか)

3.分子生物学的実験の最たる意義は、病理とモデル動物の橋渡しということでしょうか。

長く拙い文章で申し訳ないのですが御意見頂けると幸いです。

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