『病理的実験』,
『分子生物学的実験』
『動物モデル実験』
これらは研究者から見れば仮説を証明するための道具に過ぎません。しかし、私が研究を始めた時期から今を見ると石器からチェンソーくらいにも進歩しております。日常のTIPSからノーベル賞まで方法論の開発が研究の底上げに重要であることは、このフォーラムに参加している皆様は良くご存知と思います。
特にゲノム関連は、ヒトゲノムプロジェクト開始時に不可能と言われ、オートシークエンサー登場後は、あんなものはテクニシャンの仕事で研究者がやるもんじゃないと言われ、全解析終了後は、もうやることないよと言われながら、今度は全ゲノムを各ベンチで読むべくDNAの並列解析が開発されました。
一方、職人的技術を必要とする分野では、(彼、彼女、自分は)これができるから一生食えると言う話を聞きます。
私は、ゲノム担当ではないのですが、こういう実験に対するシノニストのような発言を聞くたびに不快な思いをしました。要は道具に使われない頭で、仮説の証明に適した方法の選択が行われれば良く、分野や方法により、投稿するジャーナルは線引きされても、自分で線を引くのは損ではないかと思っています。
私は所属するラボにより動物実験(へたくそでしたが)、連鎖解析、免染やウエスタンなど抗体の実験、細胞培養とやってきて、それぞれ該当している実験の専門家と言われ、今は分子生物学中心のためボスからmolecular biologist と呼ばれています。こういう呼ばれ方は好きではありませんが、誰でも自分の呼び名は他人が決めてるので、あきらめています。 |
|