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トランスフェクション効率はDNAの鮮度に依存するか? トピック削除
No.60-TOPIC - 2011/02/23 (水) 06:56:26 - 通りすがりのポスドク
FuGENE6を使ってCOS-7細胞にとある遺伝子を発現させております。

うちのボスから、DNAの鮮度がトランスフェクション効率に影響を及ぼすので実験毎に発現ベクターをmidi-prepして新鮮なDNAを使うように、と言われています。

一ヶ月程度前に作ったDNAを使うのは許容範囲だというのですが、二ヶ月となると嫌な顔をされてしまいます。しかし、midi-prepで調整したDNAを二ヶ月程度で使い切ったことはありません。

(念のため、調整して二ヶ月経過した発現ベクターの濃度が下がったりしていないかはチェックしてます)

実際のところ、ボスの発言は正しいのでしょうか?ボスは「経験則」と言っているので特に裏付けとなるデータや論文を持っているわけではないようです。

私自身の経験から言えば、先輩からもらった2〜3年ものの発現ベクターを使ってluciferase assayを何度も行い、ある程度使い切ったところで新たにmidi-prepで調整したDNAで再度実験を行ったことがありますが、特に目立った数値の変化が見られた訳ではなかったので、ボスの発言にはかなり懐疑的です。一度このように発言したところ、DNAによって違う可能性は否めないと言われましたが、これも特に理論的根拠があるわけではないとのこと。

どなたか、実際に検証された方などおられますか?また、経験則としてボスの言っていることの方が正しいと思う方おられますか?
 
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14件 ( 1 〜 14 )  前 | 次  1/ 1. /1


書き込みありがとうございます。 削除/引用
No.60-14 - 2011/02/24 (木) 08:54:12 - 通りすがりのポスドク
freeze&thawでDNAにニックが入らないというデータは、ボスを説得する上で非常に有効だと思いますし、私自身勉強になりました。あべちゃんさん、中年さんありがとうございました。

abさんもさらに調べてくださったようでありがとうございます。私もエレクトロポレーションではトランスフェクションの効率が下がると聞いたことがありますが、それを教えてくださった方も理屈はわからないとのことでした。なんででしょうね?

ボスが行ったのはエレクトロポレーションでは無かったようですが、FuGENE6でもなかったことは確かです。ボスから詳しい話が聞けて、問題点が解決できることがあればまた報告させてください。

(無題) 削除/引用
No.60-13 - 2011/02/24 (木) 08:46:10 - Actias
すでに仰られた方もいるように、分注して期限and/or回数が過ぎたら、そのチューブは捨ててもう一本。
と、思いましたが、まったくあけていないチューブなのにフリーザーの中でキャップに氷が付いていることがあります。だから、分注したからといって、安心できないかも。

僕は、厳密な定量性を要求される実験はやったことが無いので、DNAのロットによる「発現効率のそれほどでもない違い」を気にした実験は経験がありません。

先入観は否めませんが、化学の人だとすると、定性実験でなく定量実験を目指しておられるのかも。

(無題) 削除/引用
No.60-12 - 2011/02/24 (木) 08:24:48 - ab
追加で申し訳ないですが、freeze-thawでもプラスミドにニックが入るようです。

http://www.springerlink.com/content/x5013u6r40322145/fulltext.pdf

(無題) 削除/引用
No.60-11 - 2011/02/24 (木) 05:40:11 - ab
用語の使い方が悪かったのすが、トランスフェクションを遺伝子導入から発現までをひっくるめて使っていました。誤解を招いてしまい申し訳ありません。
ニックが入ったプラスミドで遺伝子の導入効率が下がるかはわかりません。

freeze-thawの繰り返しでプラスミドにニックが入ると思い込んでいたのですが、中年さんの示していただいたFOCUSの結果を見るとそれほど影響がないようで、勉強になりました。

気になったので少し調べてみたのですが、リポフェクションなどではニックが入っていても遺伝子発現自体に影響がないようです(導入後に修復されると考えられる)。
ただし、ニックが入ったプラスミドだと、エレクトロポレーションでは劇的に発現が下がるようです。
ひょっとしたらボスはエレクトロポレーションを行ったのでしょうか?
そうだとしても保存中にプラスミドがおかしくなるのは疑問ですね。

(無題) 削除/引用
No.60-10 - 2011/02/23 (水) 12:42:55 - あべちゃん
>[Re:9] 中年さんは書きました :
> freeze-thawは16回ではありますが、これでしょうか。

左様でございます。

(無題) 削除/引用
No.60-9 - 2011/02/23 (水) 12:36:14 - 中年
freeze-thawは16回ではありますが、これでしょうか。

http://www.invitrogen.com/etc/medialib/en/filelibrary/pdf/focus.Par.48722.File.dat/Focus%20Volume%205%20Issue%202.PDF

(無題) 削除/引用
No.60-8 - 2011/02/23 (水) 12:25:29 - あべちゃん
>[Re:6] 通りすがりのポスドクさんは書きました :
データが無い今の状態で説得するのは諦めようかと思います。といって、データを作る(nnnさんの仰るような形で保存した発現ベクターと、freeze&thawを繰り返した発現ベクターでトランスフェクション効率を比べる等)

たしか、invitrogenのFOCUSという読み物に凍結融解を繰り返してもニックは入らない(スーパーコイルの量が変わらない)というデータを示していたと思います。が、今差がしましたが、Webで見つけられませんでした。だれかWebサイトを知っている方がいればいいのですが。

すいません。あわてた書き込みしてました 削除/引用
No.60-7 - 2011/02/23 (水) 12:05:59 - 通りすがりのポスドク
改めて書き込みますが、「ニックが入った、あるいは断片化したDNAでは、Fugeneやlipofectaminによるトランスフェクションの効率が下がる」ということはあるのでしょうか?が私の新たな疑問でした。

で、さらにこれも既に、nnnさんは「無い。ただし、ニックが入った、あるいは断片化したDNAがトランスフェクションされても、働きが悪い」と書かれていましたね。またabさんは「ある」とのこと。

私自身の知識では、

・ニックが入ってもトランスフェクション効率には影響しない
・ニックが入ったDNAは、細胞に入り込んだ後に修復酵素の働きで修復される
・従って、正常なDNAでも、ニックが入ったDNAでも、同量のDNAをトランスフェクションした場合には、理論上は等しい発現が期待できる。

・断片化したDNAが細胞核に入り込んでも、正常には働かない可能性が高い。promoterとcDNA部分が切れていなければ正常に働く。

だと思っていました。

他の方の意見もお聞きしたいので、引き続きよろしくお願いします。

早速の書き込みありがとうございます 削除/引用
No.60-6 - 2011/02/23 (水) 10:43:46 - 通りすがりのポスドク
こうじさんの仰る通り、過去にうまくいかなかった経験があるようですが、ボスは基本的にChemistで、DNA workに関してはmolecular biologistの私の方が経験が長いです。その上で、abさんの書き込みにあるように「数年保存してもほとんど使えるものばかり」と思っているので、一月おきのmidi-prepは面倒かつ金銭的にも無駄が多いと感じています。

ボスは基本的に話がわかる人ですが、疑問点に関してはきちんとデータで示さないと納得してくれない人です。この点Scientistとしては好ましいと思いますので、データが無い今の状態で説得するのは諦めようかと思います。といって、データを作る(nnnさんの仰るような形で保存した発現ベクターと、freeze&thawを繰り返した発現ベクターでトランスフェクション効率を比べる等)のもそれはそれで手間になりそうなので、おそらく今のラボを離れるまでに説得する日は来ないかもしれませんが。


皆様の書き込みから派生してさらに疑問があるのですが、私は少々のニックであれば、細胞に入り込んだ時点で修復酵素によって修復されるものかと思っていました。これも、よっぽどのことが無い限り(最初の精製が上手にいっていれば)古いDNAでも大丈夫、と思っていた理由の一つです。しかし、ニックが入っていればトランスフェクション効率そのものが下がる、というのであれば話は別になります。ニックが入っているDNAでは、FuGENEやlipofectamineなどの薬剤を使ったトランスフェクションの効率が下がるということはあるのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.60-5 - 2011/02/23 (水) 10:29:08 - 匿名
私自身の経験では、長期保存によって哺乳類細胞での発現量が変化したことはありません。
ただ、導入効率が悪いイースト株を用いて実験していた時、保存期間が長かったり凍結保存していたプラスミドでは形質転換の効率が低くなったことがあります。

プラスミドはEtOH沈殿の状態で-20℃保存しておけば非常に安定でニックも入らないといわれています。
midiで得られたプラスミドを何本かに分注して、EtOH沈殿状態で保存しておくのはいかがでしょう?
2ヶ月経ったら新しいチューブを出し、遠心・wash・風乾してプラスミドを回収し、再溶解・定量してから使うようにすれば、いちいち大腸菌から取るより手間も減るしボスの心配も減らせるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.60-4 - 2011/02/23 (水) 08:34:26 - nnn
DNAの鮮度がトランスフェクション効率に影響を及ぼす、というよりは、
DNAの鮮度がトランスフェクションした後の、そのDNAの働きに影響を及ぼす、という事かと思います。

凍結融解により、DNAにニックが入ってしまうので、
凍結融解を繰り返すことにより、ニックがプラスミドに蓄積されて、
だんだん、プラスミドの質が落ちてくる(DNAの鮮度が落ちる)、のではないでしょうか。

発現系のプラスミドなら、トランスフェクションした時に、
その発現量の減少が観察されるので、
さも、トランスフェクション効率が落ちたように見えてしまいます。

私は、何度もプレップするのが面倒なので、Max-prepで回収して、
最初に、蓋がしっかり閉まるチューブに、少量ずつ分注、凍結保存し、
その後、融解したチューブは、冷蔵で保存しています。

蓋がしっかり閉まるチューブを使う理由は、冷蔵で保存したとき、
チューブによっては、蒸発して液量が減り(濃度が濃くなり)、
DNA量とトランスフェクション試薬の比率が重要な実験では困るからです。

(無題) 削除/引用
No.60-3 - 2011/02/23 (水) 08:21:59 - ab
DNAにニックが入ったり、断片化したりするとトランスフェクションの効率は下がるので、おそらくボスは古いプラスミドを使ってそういう経験をしたから「DNAの鮮度が大事」だと考えたのでしょう。
ただ、プラスミドの切断とかは、精製直後でも精製の仕方が悪ければ起こりえますし、保存状態がちゃんとしていれば、経験上数年後でも使えています。
ただ、凍結融解を繰り返したり(defrostのついたフリーザーに保存したり)、バッファーの組成が不適切だと分解も起こりえます。

> (念のため、調整して二ヶ月経過した発現ベクターの濃度が下がったりしていないかはチェックしてます)
濃度を測定するだけでは、ニックが入っているかはわかりません。
何か適当な制限酵素で切断してラダーになれば精製し直した方がよいです。
(以前、購入したばかりのプラスミドがニックだらけだったことがあります)。

個人的な経験としては、数年保存してもほとんど使えるものばかりだが、使っていないのに(新鮮なのに)使えなかった物もあった、という感じです。

ボスが間違った事を言ったときにそれを否定するといろいろ問題が起こりやすいので、どうしても考えを改めて欲しければ、上手く説明できる話術も必要かと。

(無題) 削除/引用
No.60-2 - 2011/02/23 (水) 08:20:34 - こうじ
純度は関係するでしょうけど、、、

おそらくボスは長期保存によるDNA分解で
トランスフェクションがうまく行かなかった経験があるのでは?
常に調製したてのプラスミドを使うことで
うまく系を動かすための保険にしたいのでしょうね。

トランスフェクション効率はDNAの鮮度に依存するか? 削除/引用
No.60-1 - 2011/02/23 (水) 06:56:26 - 通りすがりのポスドク
FuGENE6を使ってCOS-7細胞にとある遺伝子を発現させております。

うちのボスから、DNAの鮮度がトランスフェクション効率に影響を及ぼすので実験毎に発現ベクターをmidi-prepして新鮮なDNAを使うように、と言われています。

一ヶ月程度前に作ったDNAを使うのは許容範囲だというのですが、二ヶ月となると嫌な顔をされてしまいます。しかし、midi-prepで調整したDNAを二ヶ月程度で使い切ったことはありません。

(念のため、調整して二ヶ月経過した発現ベクターの濃度が下がったりしていないかはチェックしてます)

実際のところ、ボスの発言は正しいのでしょうか?ボスは「経験則」と言っているので特に裏付けとなるデータや論文を持っているわけではないようです。

私自身の経験から言えば、先輩からもらった2〜3年ものの発現ベクターを使ってluciferase assayを何度も行い、ある程度使い切ったところで新たにmidi-prepで調整したDNAで再度実験を行ったことがありますが、特に目立った数値の変化が見られた訳ではなかったので、ボスの発言にはかなり懐疑的です。一度このように発言したところ、DNAによって違う可能性は否めないと言われましたが、これも特に理論的根拠があるわけではないとのこと。

どなたか、実際に検証された方などおられますか?また、経験則としてボスの言っていることの方が正しいと思う方おられますか?

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