Bio Technical フォーラム

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No.55-21 - 2011/02/22 (火) 20:54:02 - AP
ある酵素は消化時間を延ばすことで単位数の不足を補うことができますが、ScaIは寿命の短い酵素なので、o/n消化してもあまり足しにはならないようです(TAKARAの資料で2時間後の残存活性なし、NEBの資料で8時間以下なら一定の効果あり)

(無題) 削除/引用
No.55-20 - 2011/02/22 (火) 20:35:28 - サザン
AP様

丁寧に対応して頂き有り難うございます。
クロスリンクの件参考になります。次回は80°C ベイクのみで行なおうと思います。

今、gDNAの量を15, 10, 5 マイクログラムにふったもんでサザンを試しています。
制限酵素(ScaI)はすべて40U/reactionいれました。

確かに粘性のことは少し気になってました。反応途中にmixして撹拌するようには気をつけています。



みなさま、いろいろなアドバイス本当に有り難うございます。
コメントから多くのことを学べますし、なんとしても成功させようと思います。

(無題) 削除/引用
No.55-19 - 2011/02/22 (火) 20:28:48 - サザン
中年様

コメントありがとうございます。
>Overkill
今まで考えたこともなかったですが、Transferをやりすぎによる、gDNAのメンブレンからの通り抜けも気にするべきでしょうか?

>その酵素で11kbのバンドが切り出されるというのは確かなのですか?
この点は間違いありません。以前、一度だけうすくですが11kbにバンドを検出したことがあります。また論文でもすでに同等のコンストラクトによるtargetingで同じ制限酵素を使用しています。もちろんgenetic backgroundも同じES細胞です。この点は疑っていません。

(無題) 削除/引用
No.55-18 - 2011/02/22 (火) 20:23:43 - AP
見る限りトランスファの手技に問題はなさそうですね。溶液類もHybond-NXのinstructionどおりですし、トランスファ時間も十分なはずです。
それで、検出できないとなるとちょっとしたミステリです。

ひとつ思い当たるのは、
>02. gDNA 10 マイクロgを制限酵素処理 (40 U/sample O/N)
>制限酵素処理後の泳動パターンですが、wellに少しスタックしているようにも見えますが、高分子側から低分子側まで綺麗なスメアーになっています。
不完全消化かもしれない。酵素の種類にもよるでしょうけれど、その条件でも不十分ということがあってもおかしくないです。

ゲノムDNAは、とくに高濃度に溶かそうとすると、完全にはdisperseせず粘性の高い塊になっていることがあります。完全に溶けても粘性が高くなります。そのため酵素が自由にDNAにアクセスしにくく、消化を受けないDNA分子が残りやすいです。

一部消化されて生じた3 kb断片だけが分離され検出されて、11 kbや未消化のゲノムDNAは一塊になってスタックしていてトランスファされづらくなっているとか(depurinationしていれば、ふつう未消化のゲノムも検出されるものですが)。

ゲノムDNAを上手に制限酵素消化する方法としては、
・DNA濃度を薄く溶解して、load volにかかわらず十分な体積の系で消化して、EtOH pptで回収して泳動する。
・消化の途中で粘性が下がってきたところで撹拌する、酵素を追加する。
・酵素量をもっと過剰にする。1 unit/1 ug DNAというガイドラインは、ラムダDNAなど分子量があまり大きくない、線形のDNAを基質として決められた単位ですから、プラスミドのように高次構造をとっているものやゲノムDNAのような非常に高分子で粘性などが無視できない場合は、過剰量(数十倍)が必要なこともあります。

この場合、むしろDNA量を思い切って少なくして完全消化を確実にするほうが、結果が良かったりして。

また、蛇足
>10. 80°C 2 hrs
>11. UV cross link (stratalinker 3 min)

これはどちらかでいいです(instructionもそうなっているはず)
過剰なimmobilizationはかえって感度を落とします。
特にUV cross linkは条件を至適化しないとてきめんに感度が落ちます。照射時間で条件を決めた場合、UVランプの劣化度などにより、いつでも一定というわけにはいきません(stratalinker なら照射エネルギーを設定値にできる機能があったはずですね)。

(無題) 削除/引用
No.55-17 - 2011/02/22 (火) 19:00:47 - 中年
descendingで400mLなら、条件としてはoverkillな位ですね。

その酵素で11kbのバンドが切り出されるというのは確かなのですか?polymorphismでサイトが無いとか。

(無題) 削除/引用
No.55-16 - 2011/02/22 (火) 18:09:26 - サザン
中年様、

コメント有り難うございます。
descendingでトランスファーを行なっています。こっちの方が効率が良いようなので。

 メンブレン;Hybond-XL
トランスファー;downward o/n-2days (over weekend)
トランスファー後は400mlあったアルカリトランスファーバッファーがすべてろ紙に吸収されています。bufferはラップでカバーしているので蒸発でなくなったのではないと思っています。

(無題) 削除/引用
No.55-15 - 2011/02/22 (火) 18:04:42 - サザン
774様

コメントありがとうございます。
HCl処理の件は再考してみます。他の所に問題があるのかもしれません。

gDNAの量について興味あります。gDNAの量が多い方が綺麗なデータ(バックグラウンドとのコントラストが良くなる)になるのですか?

制限酵素処理後の泳動パターンですが、wellに少しスタックしているようにも見えますが、高分子側から低分子側まで綺麗なスメアーになっています。一緒に流しているDNAラダーは綺麗に流れています。

(無題) 削除/引用
No.55-14 - 2011/02/22 (火) 17:47:25 - サザン
AP様、
貴重なコメント有り難うございます。

まず、加水分解の原理、勉強になりました。有り難うございます。
プロトコルは別欄にも書きましたが、
0.5M NaOH, 1.5M NaCl でアルカリトランスファー
 メンブレン;Hybond-XL
トランスファー;downward o/n-2days (over weekend)
トランスファー後は400mlあったアルカリトランスファーバッファーがすべてろ紙に吸収されています。

その後の処理は以下です。
08. メンブレンを0.5M Tris, 1.5M NaCl で処理 (10 min x2)
09. 水でさっと処理
10. 80°C 2 hrs
11. UV cross link (stratalinker 3 min)

(無題) 削除/引用
No.55-13 - 2011/02/22 (火) 17:43:46 - サザン
>~様

コメント有り難うございます。
トランスファー後にEtBrで染めてみたことはないのですが、ハイブリ後にメンブレンを露光するとマーカーのバンドが検出されます(プローブのクロスハイブリ?)。検出されたマーカーは500 bp-10 kbまでのラダーが綺麗に検出されています。

(無題) 削除/引用
No.55-12 - 2011/02/22 (火) 17:38:38 - サザン
皆様、
たくさんのコメント, 本当に有り難うございます。

ご指摘の通り、情報が少なすぎました。失礼しました。以下に現行のサザンの流れを記します。
01 ES細胞よりgDNA抽出 (PK O/N処理、フェノクロ、イソプロ沈殿)
02. gDNA 10 マイクロgを制限酵素処理 (40 U/sample O/N)
03. 0.7% アガロース (TAE)で電気泳動 (50V-70V, 数時間)
04. EtBr染色 ゲル写真撮影(ゲノムはスメアになっている)
  gDNAの回収方法も含め、ここまでのステップで問題はないと思っています。

05. 0.25 M HCl処理 (30-40 min) 要改善?
06. 0.5M NaOH, 1.5M NaCl (30 min-)
07. 06の溶液でそのままアルカリトランスファー
 メンブレン;Hybond-XL
トランスファー;downward o/n-2days (over weekend)
トランスファー後は400mlあったアルカリトランスファーバッファーがすべてろ紙に吸収されています。

08. メンブレンを0.5M Tris, 1.5M NaCl で処理 (10 min x2)
09. 水でさっと処理
10. 80°C 2 hrs
11. UV cross link (stratalinker 3 min)
12. Prehybridization 30 min
13. Hybridization o/n 42°C
プローブは500 bpのPCRフラグメントをランダムプライム、あるいはニックトランスレーションで32P標識、反応後はG50で簡易精製
14. Wash 2x ssc, 0.1% SDS 15 min x 2 at 42°C
15. Wash 0.1 x SSC, 0.1% SDS 15 min x2 at 42°C
16. カウンターでメンブレンを簡単にスキャンしてみて、バックが高いようなら更に高温でwash
17. Expose & development

(無題) 削除/引用
No.55-11 - 2011/02/22 (火) 11:11:28 - AP
いわれてみて、質問を読み返してみると、たしかに情報不足ですね。
HCl処理の条件くらいしか情報がない。

この質問に限らないですが、自分が気になっているポイントだけ狙い撃ちで書いている質問がしばしば見受けられます。はたから見て、どうも見当違い、問題はそこじゃないだろうという場合も少なくないです。
ともかく、一通りのprocedureを書くのがいいと思います。

(無題) 削除/引用
No.55-10 - 2011/02/22 (火) 11:03:37 - 中年
3kbのバンドが見えているとのことなので、私もトランスファーの問題だと思います。どういう方法(ascendingかdescendingか)で、どういうセッティングでやっていますか?

同じことやってます 削除/引用
No.55-9 - 2011/02/22 (火) 10:55:16 - 774
> 電気泳動後のゲルは0.2 M HClで約30 min程度処理しています(Blue Dyeが黄色になるまで)。

私は0.25M HClで20分処理しています。もちろんそれより長くやってしまうこともあります。少なくとも11kbp程度であればサザンさんのHClでの処理に問題無いと思うのですが、どうでしょうか?


> 泳動するgDNAの量は一般的にどのくら必要ですか?

私は時と場合によるのですが、基本的には30マイクロ以上流します。
サザンさんの場合では単にスケールが小さいだけなので10マイクロでも15マイクロでも露光時間でなんとでもなると思います。(少ない場合は露光時間を長くするためバックの影響がより大きくなると思いますが・・・)



トランスファーが上手くいっていないと思うのであれば、その条件なりを詳細に記載された方が回答もしやすいと思います。
もちろんその他の条件も。

私としては、ゲノム自体に問題がないのか少し疑問に思ったのですが?
マーカーと泳動していると思いますが、その時のゲノムの泳動像を詳しく知りたいです。

(無題) 削除/引用
No.55-8 - 2011/02/22 (火) 10:47:36 - AP
同じサンプルで、3 kbが見えているのに11kbが見えていないという状況は、塩酸処理(depurination、fragmentation)のやり過ぎとはいえないと思います。
塩酸処理のやり過ぎは、断片化しすぎたりして感度が低下し、とくにサイズの小さいバンドのほうが影響を受けやすいですから。

したがって、たぶん塩酸処理の不足、またはトランスファ時間の不足ということになると思います。
同じやり方をしてもトランスファー効率はゲルの固さ、厚みなどによっても違いますから、一概にどれだけ時間をかければよいとはいえません。
ただ、どんなやり方にしてもo/nトランスファをすればまず間違いないです。

蛇足
・塩酸処理のみではdepurination(プリン塩基が外れる)だけで、それだけではDNA鎖の断片化は起こりません。その後、脱プリンしたところで加水分解がおこりbackboneの断片化が起こるのですが、これを促進するには熱処理、あるいはアルカリ処理が必要です。Southern blottingの場合は、塩酸処理の後、アルカリ処理で一本鎖に解離するステップがありますからここで加水分解が起こります。それに、今ではナイロンメンブレンを使ってアルカリトランスファが主流といってもいいと思いますが、NaOH → HCl → NaOH でトランスファじゃながれが悪い。

・アルカリトランスファはメンブレンを選びますし、メンブレンによって条件が異なりますことがあります使用しているメンブレン製品は何でしょう?
・今では、non-RIでも、ほ乳類ゲノムDNA 0.5 ugもあればサザンシングルコピーを検出できる性能があります。安全をみて2-3 ugあれば余裕でしょう。それで検出できないなら、どこか効率を落としていて損をしているのだと思います。
・トランスファ後のimmobilizationが適当かそうでないかが、意外に大きく感度に影響します。どうしていますか?

NaOH→HClでやってました 削除/引用
No.55-6 - 2011/02/22 (火) 08:49:14 - ~
1回、トランスファー後のメンブレンをEtBrで染めてみてはいかがでしょうか。
DNAのスメアがどのマーカーの辺りまで来ているかで、トランスファーされているかどうかの目安に出来るかと思います。

(無題) 削除/引用
No.55-5 - 2011/02/22 (火) 04:36:21 - サザン
TK-1さん

コメントありがとうございます。
実はTK-1さんと同様に96well plateでsouthern blottingをトライしたのですが、結局うまくいきませんでした。その時の問題も同様で11kbのバンドがみられませんでした。

>11kbならdepurinationはしません。そのままトランスファーします。それ以上長いなら0.25N >HClで10分から15分処理して0.4N NaOHで30分、そのあとNaOHでそのままトランファー>します(4時間以上)。

上記からするとHCl処理に問題があるのかもしれません。11kbが検出できなかったので、もっと長い時間HCl処理しないとだめかと思っていたのですが、実はHCl処理が長かったのが原因かもしれません。実はHCl処理はDyeが青くなるまで処理すると思っていたのですが、よく調べてみるとここに大きな問題点がありました。使用しているDyeはXCキシレンシアノールとBPBブロモフェノールブルーの2色が入ったものですが、HCl処理によってBPB (10min), XC(30-40min)の順で青から黄色に変化しますが、わたしはXCが黄色になるまでHCl処理していました。ネットで検索してみるとどうやらBPBの黄色への変化がHCl処理のインディケーターなようでした。HCl処理のやり過ぎですね。ありがとうございます!


>32Pなら、2−3マイクロもあれば十分のはずですというか、それでバンドが見られるような条>件決めをします

サザン初心者なので、サザンのセットアップまでに四苦八苦しています。TK-1さんの場合は、2-3 マイクロ(0r 96 wellの1 well 分)で検出できるように、事前にセットアップするということですが、どのように条件検討されるか簡単に流れを教えて頂けないでしょうか?
制限酵素とプローブにする領域決定を検討するのでしょうか?

このトピックHCl処理が問題っていうことで、解決するかもしれませんが、サザン経験者の方々の意見、アドバイスをさらにお聞かせいただけるとありがたいです。

http:// 削除/引用
No.55-4 - 2011/02/22 (火) 04:15:26 - TK-1
> 質問01
> 大きなフラグメントを検出する際に改良する点を教えて頂けないでしょうか?11kbくらいのサザンは論文を見るとそれほど珍しくないようですが、なんせ初心者なもので。ちなみに電気泳動後のゲルは0.2 M HClで約30 min程度処理しています(Blue Dyeが黄色になるまで)。
11kbならdepurinationはしません。そのままトランスファーします。それ以上長いなら、0.25N HClで10分から15分処理して0.4N NaOHで30分、そのあとNaOHでそのままトランスファーします(4時間以上)。

>
> 質問02
> 泳動するgDNAの量は一般的にどのくら必要ですか?現在は10 µgのgDNAを流していますが、同僚は15 µgだそうです。検出系は32Pラベルされたプローブを使っています。

32Pなら、2−3マイクロもあれば十分のはずですというか、それでバンドが見られるような条件決めをします。実際のスクリーンは 96well plateでESを増やして、そのままDNAを取って、そのままRE digestしてサザンをしています。

(無題) 削除/引用
No.55-3 - 2011/02/22 (火) 00:54:34 - サザン
ンンノさん

コメントありがとうございます。
泳動後のゲルはHCl処理後にNaOH処理し,アルカリトランスファーしています。
NaOHではなくHClによる加水分解(depurinattion)によって、DNAが短くなり、
NaOH処理によってsingle strandにすると理解しています。

(無題) 削除/引用
No.55-2 - 2011/02/21 (月) 23:35:10 - ンンノ
塩酸の前にNaOHで処理するんじゃなかったかと。
アルカリでDNAが加水分解されて低分子化することで移りやすくなります。
普通どんな実験書にも書いてあると思いますけど、載ってませんか?

マウスサザンブトット;gDNA量, Fragmentation 削除/引用
No.55-1 - 2011/02/21 (月) 23:14:47 - サザン
いつもお世話になっています。
マウスES細胞のgenotypingをSouthern blottingで行なっていますが、皆様のアドバイスを頂きたいです。ある制限酵素で処理後に、targeting前のwilde typeのゲノムでは11kbに、mutantでは11kbと3kb (ヘテロ)にバンドが出ると予想されます。同じプローブで11kbと3kbが検出されます。なので3kbにバンドがでたクローンをpositive cloneと判断しようと思っています。サザンブロットするといくつかのクローンで3kbのバンドを確認できたのですが、11kbのバンドが(wild type, mutant共に)検出されませんでした。恐らく大きなサイズのgDNAのtransferが十分でないためではないかと思っています。

質問01
大きなフラグメントを検出する際に改良する点を教えて頂けないでしょうか?11kbくらいのサザンは論文を見るとそれほど珍しくないようですが、なんせ初心者なもので。ちなみに電気泳動後のゲルは0.2 M HClで約30 min程度処理しています(Blue Dyeが黄色になるまで)。

質問02
泳動するgDNAの量は一般的にどのくら必要ですか?現在は10 µgのgDNAを流していますが、同僚は15 µgだそうです。検出系は32Pラベルされたプローブを使っています。

アドバイス宜しくお願い致します。

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