同じ大腸菌発現系を用いても、目的とするタンパクの種類によって、除去しやすいタンパク(数回のカラムワークですんなり除去できる)と非常に除去しにくいタンパクがありました。
溶媒は主にPBSを用いていましたが、等電点が弱酸性側によっているグッドバッファー系を用いると除去しやすくなった例がありました。
これらの経験からわたしの印象としては、目的とするタンパクとLPSとの親和性が結構影響しているように思います。
また、LPS濃度が高い原液を大量にアプライしても、カラムのLPS吸着量の上限を超えてしまうと、吸着されなかったLPSはカラムをスルーしてしまいますので、回収液中のLPS濃度はほとんど減少しません。
ですから、原液のLPS濃度を測定して、一回のアプライ量がカラムのLPS吸着上限以内に納まるように小分けにして複数本のカラムにアプライする方が結果的に効率がよいと思います。
in vivo投与の場合はまだよいですけど、in vitroでTLR4発現細胞(マクロファージ系細胞等)に投与するような場合には、反応閾値がng/mlオーダーですので影響ないレベルまでLPSを除去するのはかなり大変です。 |
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