仮説はとりあえずプロジェクトを開始するににあたっての漠然とした構想みたいなものですから、実験の結果が出てくる過程でどんどん変化していくのがむしろ普通です。特に、ある程度全容が明らかになった後で振り返ると、プロジェクト開始した初期の頃考えていた仮説は妄想みたいなもんです。所詮人間が非常に限られた知識、情報、経験をもとに作り上げたものなのであんまり固執するのは研究の進行に支障になると思います。自然(=実際の実験結果)>>>仮説ですし。ただ偉い人の中には、始めに打ち立てた自分の仮説に自信があるひともいて、自分の仮説をなんとしても証明するという態度で研究している人もいるのも事実です。PIの先生はその辺どのように考えているのでしょうか。真実に一番近いところにいるのはPIではなく実験者本人です。仮説の初期設定は当該テーマに関連するこれまでの蓄積のあるPIであっても、いったんプロジェクトがスタートすれば実験結果をもとに仮説を改変して実験計画や方向性を考えるのはPIでなくもうあなたの役割です。この時点ではPIはもうアドバイザーみたいなものです(ただ年齢の分、経験や知識はあなたよりはるかに多いとおもうので、それらはとても貴重な研究財産ですから、アドバイスを軽視したり感情的な対立は研究の進行に大きなマイナスになります)。とりあえず自分が仕切るくらいのつもりでやった方が、(議論になったとき相手を納得させるための)勉強することや実験が多少増えますが、やりがいあるしやってて楽しいです。文面を見てその辺がPIとあなたの間でどうなっているのかなというのが少し気になりました。
思うような結果にならない原因が実験者の不注意や腕の未熟さにあるかのように疑う人もなかにはいます。そのためにも個々の実験が適正な条件方法のもとに行われてた再現性のある結果であることは実験者の責任できちん示していく必要があるでしょう。 |
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