精製された一種類(あるいはニ種類程度のカクテル)の酵素で合成反応を行うのと違って、生体内では、DNAポリメラーゼにも異なるキャラのものが複数あり(たとえば校正活性のあるもの、ないものが場面別に使い分けられている)、また、いろいろなDNA修復系とそれにかかわる多種類のタンパク質が存在しているので、DNA複製で起こるエラーが非常に起こりにくいようになっています(そうじゃなきゃ、生物種として生きながらえないでしょうから当たり前ですが)。
細胞内でのDNA複製のエラー率を(大腸菌からの数字を元にしていると思いますが)教科書から引くと、
DNAポリメラーゼが間違った塩基を取り込む頻度 10^-5のオーダー(校正活性のないTaqなどのエラー率もそんなもんだと思います)。
そのうち、そのDNAポリメラーゼの校正活性で、すぐさま99%は訂正されるので、残されるエラーの頻度は、10^-7のオーダー。
残ったエラーの99.9%は、DNA複製後にミスマッチ修復系で修復されるので、
結局、生体内のDNA複製で、間違った塩基が入る頻度は10^-10(10 Gbに1〜数塩基程度)。 |
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