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細胞のサブクローニングがうまくいかない トピック削除
No.302-TOPIC - 2011/04/16 (土) 15:17:13 -
いつも有用なご助言をいただき、お世話になっております。

現在、後輩の仕事で、ある膜タンパクを発現したCHO細胞(トランスフェクタント)を取ろうとしています。

具体的には、

1.CHO細胞にこのcDNAをトランスフェクト
2.ZEOCIN耐性遺伝子をもとに、コロニーをスクリーニング
3.バルクの陽性クローンを限界希釈法、(5個/ウェル)から始めて、さらに12段階に1/2ずつ段階希釈
4.計算上、1個/ウェル以下のウェルから、クローンを単離し、30個程度を、当該遺伝子の、細胞外を認識する抗体(モノクローナル)でFACS解析

という手順を踏んでいます。

しかしながら、スクリーニングの結果、当該分子がFACSで50%程度陽性になる細胞集団しか取れて来ません。陽性集団と陰性集団ははっきりとpopulationとして区別できます。

さらにこの50%陽性集団を、2回目のサブクローニングに供しても、次のクローンがまた50%陽性しか取れて来ません。

つまり、どのウェルにもはじめから、きっちり陽性と陰性の細胞が1個ずつ入っていたような結果になるのですが、他に何か、考えられる原因や、改善点はありますでしょうか。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.302-25 - 2011/04/20 (水) 23:27:09 - た
質問者です。2レス連続ですが。。。

>レス19のおおさんに対して

CHO細胞は免疫の分野では、非常に安定かつ持続的に外来遺伝子を発現できると定評があり、私も何度か使って信用しております。

少なくとも3個の独立コロニーから同じ現象を得ており、導入した遺伝子に特異的な現象なのだと思っています。(エビデンスは、今のところ少ないですが)

予想外にたくさんのご助言をいただき、これ以上レスが伸びるのも恐縮なので、いったん「解決」とさせていただきます。(これから何らかの進展があれば、本トピックで報告させていただくこともあるかと思います)

お礼の気持ちは限りなく

(無題) 削除/引用
No.302-24 - 2011/04/20 (水) 21:12:09 - た
>ゼオシンの濃度を上げて遺伝子増幅をかけたり

アドバイスありがとうございます。
GFPタグをつける実験も、このFORUMでアドバイスいただいてからにわかに着手しています。

もし論文にできるポジティブデータが出たら、Biotechnical Forumの皆様をAcknowledgementしなくてはいけませんね!

(無題) 削除/引用
No.302-23 - 2011/04/20 (水) 18:05:10 - ~
今の現象の話とはずれてしまいますが、
ゼオシンの濃度を上げて遺伝子増幅をかけたり、ドキシサイクリン誘導系などの誘導系を使うことで、安定に発現する細胞を得られませんかね。
今の現象が本来の機能に繋がるといいのですが、そうでない場合の保険として安定に発現する細胞株を取る方向でも動いておいたほうが安心です。

また、今の現象を追いやすくできるように、GFP等の蛍光ペプチドとの融合タンパク質を入れた細胞も作っておくと、局在等の解析がしやすくなるかもしれません。
(膜タンパク質なので局在等への影響がちょっと心配ですが)

(無題) 削除/引用
No.302-22 - 2011/04/20 (水) 17:14:44 -
>おおさん
いろいろとありがとうございます。

>プラスミドに入れた遺伝子はORFだけですか?UTRが部分的にでも入っていますか?

ORFだけです。

>実際に染色した結果偏りがあるんでしょうか?

細胞の染色はまだです。小腸の染色はやったことがあります。

(無題) 削除/引用
No.302-21 - 2011/04/20 (水) 16:52:05 - おお
>免疫細胞以外には、胃と小腸の刷子縁に特異的に出ているようで、
>その点からも、極端な細胞内分布を示す(性質がある)分子なのかと思いました。
実際に染色した結果偏りがあるんでしょうか?
あ、まだ顕微鏡ではみてないんでしたっけ。

(無題) 削除/引用
No.302-20 - 2011/04/20 (水) 16:44:40 - おお
プラスミドに入れた遺伝子はORFだけですか?UTRが部分的にでも入っていますか?

(無題) 削除/引用
No.302-19 - 2011/04/20 (水) 07:20:45 - ab
>[Re:17] おおさんは書きました :

> 増殖に直接的ではなくてもネガティブであれば(強いネガティブな作用がなければより実感しないでしょうし)、発現が弱い物が徐々に増えてくるはず。プロモーター自身も構成的に発現するもであっても影響を受けたりするのでは。
> karyotypeをみると分かると思いますが、シングルクローンを拾ったからといって増やしている間に維持されていると思えません。もともとaneuploidの細胞なので、すぐ多様化するだろうと思いますがいかがでしょうか(たしかにCHOは比較的安定だという意見もあるようですが)。

これはその通りだと思います。通常、外来遺伝子を導入してクローニングすると外来遺伝子を強く発現する細胞は増殖性が落ちるので、外来遺伝子が脱落した細胞の方が早く増えてきます。なので、継代を続けると、外来遺伝子が脱落(あるいはプロモーターがサイレンシング)した細胞が優位になる可能性が高い事に異論はありません。
結局のところ、外来遺伝子のintegrationはランダムなので、入った場所や数によって安定であったり不安定であったりする、つまりクローンによって安定性にバラツキがあると理解しています。
また、その安定性は細胞株によっても異なり、CHO細胞は比較的安定に維持できるので組換えタンパク質の生産にも使われています。
これまで、いろいろな細胞で安定株を作ってきましたが、CHO細胞は安定に維持できている印象です。ただし、数十代も継代を繰り返しているわけではないので、徐々に発現していない細胞が増えていてもおかしくないでしょう。そういう意味で、「継代数による」と記載しました。

ただ、今回の場合は、
1. クローニングした細胞が全て同じように50% positiveになる
2. リクローニングしても同じ挙動(1週間)
と状況を読んだので、脱落やサイレンシングの影響ではなく、他の影響である可能性の方が高いと思います。もし、単一のクローンでの挙動であれば、そのクローンに問題があると思いますが、拾ったクローン全てで同様な現象が見られているようですし、またわずか1週間(おそらく継代2~3回)で全てのクローンで同じように遺伝子の脱落が起こるとも考えにくいです。
あくまで、質問者様の情報を元にした推測なので、「実は…」とかいうことがあればまた状況が変わってくるでしょうね。

(無題) 削除/引用
No.302-18 - 2011/04/20 (水) 02:30:49 - おお
興味があるなら細胞周期をとめるか、細胞周期(DNA量)との相かんも取ってみるといいかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.302-17 - 2011/04/20 (水) 02:28:53 - おお

>あと、CHO細胞は結構安定に遺伝子を発現できるので、限外希釈してシングルクローンを拾っているのなら、継代数にもよりますがほぼ均一に発現していると思います。

増殖に直接的ではなくてもネガティブであれば(強いネガティブな作用がなければより実感しないでしょうし)、発現が弱い物が徐々に増えてくるはず。プロモーター自身も構成的に発現するもであっても影響を受けたりするのでは。

karyotypeをみると分かると思いますが、シングルクローンを拾ったからといって増やしている間に維持されていると思えません。もともとaneuploidの細胞なので、すぐ多様化するだろうと思いますがいかがでしょうか(たしかにCHOは比較的安定だという意見もあるようですが)。

(無題) 削除/引用
No.302-16 - 2011/04/20 (水) 01:50:33 - ab
陰性の細胞を培養することと目的は近いのですが、ソーティングした後にRNAの発現が同じであれば、シングルクローンはとれていること、またタンパク質レベルでの変動であることの確認になると思って聞いてみました。
顕微鏡での観察は、細胞の周囲の環境(密度、接触頻度)によって変化するかと思ったのですが。
親株と比べて形態などの変化はないでしょうか?
CHO細胞はそれほど互いに接着しない細胞ですが、接触している細胞ほど発現を維持しているとかであれば、発現減少の理由がわかりそうです。

あと、CHO細胞は結構安定に遺伝子を発現できるので、限外希釈してシングルクローンを拾っているのなら、継代数にもよりますがほぼ均一に発現していると思います。

(無題) 削除/引用
No.302-15 - 2011/04/20 (水) 00:10:24 - おお
>[Re:10] たさんは書きました :

> >おおさん
>
> の言われるように、細胞集団のheterogenietyの可能性もあります。
> ただ、今回の細胞では、
> サブクローニングを2回して、1週間以内に解析しているので均一のはず、です。

もともと多様化しやすいので増殖にへテロになっていきます。そんなに安定ではないと思います(もちろん細胞によると思いますが)。

(無題) 削除/引用
No.302-14 - 2011/04/19 (火) 23:57:34 - た
>abさん、

細胞内染色では、サポニンでpermeabilizeした後に当該分子のモノクロ、および、c末につけたFLAGタグに対する抗体でも同じ結果を得ています。

細胞のリフトはEDTAのみで、トリプシン処理はしていません。

免疫細胞以外には、胃と小腸の刷子縁に特異的に出ているようで、その点からも、極端な細胞内分布を示す(性質がある)分子なのかと思いました。

もしかすると、内因性のプロテアーゼによって、一定の確率で培養液中に分泌されているのでしょうかね。

(無題) 削除/引用
No.302-13 - 2011/04/19 (火) 23:32:10 - ab
興味深い事象ですね。
FACS以外の方法(顕微鏡観察、Western blotting、RT-PCRなど)で確認したことはありますか?

FACSにかける前にトリプシンなどの酵素処理をしていれば、目的のタンパク質が分解されている可能性もあるかと思いますが、細胞内ドメインを認識する抗体でも確認できているから大丈夫ということでしょうか?
でも分解されても、きれいに50%にはならないですよね。

この分子を実際に発現している組織での発現パターンはどうでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.302-12 - 2011/04/19 (火) 23:20:33 - た
>qq様、

ご質問ありがとうございます。

トランスフェクトに使ったプラスミドは普通の?pCDNA-ZEOベクターです。ゲノムに、一定のコピー数でintegrateはされていると思っています。

ピックアップしたサブクローンでは、
陰性の細胞では発現もゼロ、陽性と思われるクローンできれいに50:50の発現パターンです。

もともとの大きな目標がもちろん大事なのですが、こういった現象を放置せず(本当に新しいのであれば)がんばったほうが研究としては楽しめるのかな、と思ったりします。

(無題) 削除/引用
No.302-11 - 2011/04/19 (火) 22:01:34 - qq
>1.CHO細胞にこのcDNAをトランスフェクト
したときに使ったベクターは、何か特殊なものではないですか?
例えば、oriP/EBNA1を持っていて、細胞内で安定にプラスミドとして複製するとか?

(無題) 削除/引用
No.302-10 - 2011/04/19 (火) 21:52:40 - た
質問者です。いろいろと有意義なご意見いただき、感謝します。

>ダイゴさま、

お恥ずかしながら実は私は、その論文で初めて、非対象性分裂ということを知った免疫学者です(おもしろいなー、と)。しかしながらこの論文は、functionalな面で弱点も多く、その後あまり論文が追随していません。

私の分子は、トランスフェクトするだけで細胞(CHO細胞でも)に極性を持たせ、さらに一方の娘細胞にしか分配されない性質を持っているのでしょうか。そんな分子があるのでしょうか。だとしたら大発見ですね。

>おおさん

の言われるように、細胞集団のheterogenietyの可能性もあります。
ただ、今回の細胞では、
サブクローニングを2回して、1週間以内に解析しているので均一のはず、です。

さらに、一応permeabilizeして、細胞内も染色しています。

(無題) 削除/引用
No.302-9 - 2011/04/19 (火) 18:57:01 - おお
asymmetric division
がおこっているなら、細胞を観察すれば、Mきとかで偏りが見れるはず。

培養でつかう細胞は不死化した状態のものがおおく、染色体の構成が個々の細胞でもちがうことも多々。同時に同調していなければセルサイクルも違ってくるわけだから、細胞集団は色々な意味でヘテロといえると思う。くわえて、表面のタンパクをラベルしているわけだから、細胞表面に提示されていない細胞集団はひっかかってこない。

そういうタンパクのキャラクターとして実験が受け入れられるようだったらそれでよしとしてもいいかもしれません。またIRES GFPにすると問題は解決するかも。

(無題) 削除/引用
No.302-8 - 2011/04/19 (火) 16:13:59 - ダイゴ
免疫系でも論文出てます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17332376

(無題) 削除/引用
No.302-7 - 2011/04/18 (月) 03:33:49 - Boston-Pullman
>[Re:6] たさんは書きました :
>膜タンパクでこういった分子、つまり分裂時に不均等に配分されるような分子の例はあるのでしょうか。もし似たような挙動を示す分子があれば、参考になりそうです。

aPKC でキーワード検索すれば、何かしら出てくるかと思います。線虫、ハエ、脊椎動物で保存されている重要な分子なので。

たいへん参考になります。 削除/引用
No.302-6 - 2011/04/17 (日) 11:19:13 -
質問者です。

>陰性細胞を培養

どうやらやってみた方がいいですね。

>細胞に極性を与えて、非対称分裂

asymmetric divisionということですね。当方免疫が専門で、あまり詳しくないのですが、膜タンパクでこういった分子、つまり分裂時に不均等に配分されるような分子の例はあるのでしょうか。もし似たような挙動を示す分子があれば、参考になりそうです。

ちなみに当該分子は、免疫グロブリン様ドメインを細胞外に一個持つ「レセプター様」分子です。リガンド(もしかしたらhomophilic結合?)や生理機能は不明です。

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