>[Re:17] おおさんは書きました :
> 増殖に直接的ではなくてもネガティブであれば(強いネガティブな作用がなければより実感しないでしょうし)、発現が弱い物が徐々に増えてくるはず。プロモーター自身も構成的に発現するもであっても影響を受けたりするのでは。
> karyotypeをみると分かると思いますが、シングルクローンを拾ったからといって増やしている間に維持されていると思えません。もともとaneuploidの細胞なので、すぐ多様化するだろうと思いますがいかがでしょうか(たしかにCHOは比較的安定だという意見もあるようですが)。
これはその通りだと思います。通常、外来遺伝子を導入してクローニングすると外来遺伝子を強く発現する細胞は増殖性が落ちるので、外来遺伝子が脱落した細胞の方が早く増えてきます。なので、継代を続けると、外来遺伝子が脱落(あるいはプロモーターがサイレンシング)した細胞が優位になる可能性が高い事に異論はありません。
結局のところ、外来遺伝子のintegrationはランダムなので、入った場所や数によって安定であったり不安定であったりする、つまりクローンによって安定性にバラツキがあると理解しています。
また、その安定性は細胞株によっても異なり、CHO細胞は比較的安定に維持できるので組換えタンパク質の生産にも使われています。
これまで、いろいろな細胞で安定株を作ってきましたが、CHO細胞は安定に維持できている印象です。ただし、数十代も継代を繰り返しているわけではないので、徐々に発現していない細胞が増えていてもおかしくないでしょう。そういう意味で、「継代数による」と記載しました。
ただ、今回の場合は、
1. クローニングした細胞が全て同じように50% positiveになる
2. リクローニングしても同じ挙動(1週間)
と状況を読んだので、脱落やサイレンシングの影響ではなく、他の影響である可能性の方が高いと思います。もし、単一のクローンでの挙動であれば、そのクローンに問題があると思いますが、拾ったクローン全てで同様な現象が見られているようですし、またわずか1週間(おそらく継代2~3回)で全てのクローンで同じように遺伝子の脱落が起こるとも考えにくいです。
あくまで、質問者様の情報を元にした推測なので、「実は…」とかいうことがあればまた状況が変わってくるでしょうね。 |
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