凍ったマウスの肝臓では、トンカチでたたいて大きさを小さくした後、とけかけの臓器をはさみでさらに細かく切り、高濃度EDTAを含む塩溶液内でホモジェナイズ、SDSとproKで処理して溶解していました。液量を多めにし、Vortexや激しいかくはんを一切行わず、フェノール抽出もシェイカーで長い時間をかけてかくはんして行っていました。エタチンは大きめのひも状のDNAをパスツールピペットで拾って行い、小さいものや粉末化したものは回収しませんでした。これだと数十キロ以上が中心のゲノムDNAがとれました。
血液を核のみ沈殿させてDNAをとったときはVortexしてキアゲンのバッファーに溶かし、スピンカラムでとりました。この方法だと長さは10-30kb程度になってしまいます。
今扱っている人の皮膚は硬いので粉砕して、溶剤に溶かしています。ただしこれはRNA抽出目的で行っています。ずっと液体窒素が乳鉢にはいった状態で、すり続けるのですが、粉末化した組織を薬さじで溶剤に加えたあと、乳鉢から液体窒素が消える瞬間に溶剤を乳鉢に加え、残った組織粉末ごと粉にしてしまいます。溶剤がキャリアの役目を果たすのか、これで回収率は若干向上しました。
しかし飛沫感染が怖いのと、時間がかかるのが嫌で、今はトッケンのクールミル(直径数センチまで)やSKミル(直径数ミリまで)で粉砕しています。これらを使うと数十秒から1分で完全に粉砕できます。DNAは取っていませんが、RNAの収率は飛躍的に上がりました。DNAをこの粉末から取るにはproteinaseKの消化ステップが必要になるでしょう。
ルーチンで行う作業であれば、上記のツールをお使いになるのもひとつの方法でしょう。Vortexはできる範囲で避けた方が良いと思います。 |
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