>[Re:8] >さんは書きました :
> UVにあてることに神経質になる人がたまにいるけど、
> そんなに変なこと起こる?
>
> 私は、常識の範囲ないで普通にUVあててDNA回収してるけど、
> その後の操作で何かしらの不都合を感じたことはないなぁ。
ラボによってUVイルミネータの性能(波長特性やパワー)が違ったり、一回の実験でどのくらいのDNA量を使っているかが違ったりするので、条件によっては火がつかない場合もあると思いますが。UV照射に配慮しなくてもうまくいっているようでも、side-by-sideでUV照射・非照射を比べてみればコロニー数がケタ違いだと思います。
エピソードをひとつ。サバティカルでうちの研究室に滞在して実験をやっていた外国人研究者のケース。
ベクターを分けてくれというので好きなだけ取ってくれと、私のストック(これだけあれば、これからの研究人生の間中、十分にまかなえるくらいと思って精製した数百マイクログラム)を渡した数日後、トランスフォーマントが一個も取れなかったので、もっとくれと言ってきた。
おいおい、あれだけの量をどうしたら使い切れるのか、あれだけ使って一個も取れないとはどういうことかと聞いてみた。彼のラボでは、DNAをたっぷり使ってUV当てまくりで切り出しをしていて、その流儀でやったらしい。それでも、UVイルミネータのパワーが低くてDNA量をたっぷり使えば、生き残ったDNAでコロニーがでるんだろう。
うちのラボではUVを当てないでとった切り出しDNA断片を数十ナノグラムで一回分のligationをして、コンスタントにうまくいってると言ったら、そんなわけないと。UV当ててとったDNA断片を泳動しても分解は見られないと。彼はピリミジンダイマーの生成とその影響を知らないでそれまでやってきたらしい。
ちなみに、そのラボはプロジェクト研究でいろいろなschoolの研究者が集まっていて、またお金があったのでUVイルミネータを含め、高性能の機器を揃えていた。あたらしいメンバーの多くは、それまでの流儀で切り出しをやったため、トランスフォーメーションがうまくいかない罠にはまっていた。 |
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