一般に微生物感染によって炎症がおこりますし、(微生物感染に限らず)炎症応答に伴って血管透過性の亢進もおこるのですから、特にアスペルギルス感染に特異的な現象というわけでもないと思うのですけど…。
それに肺アスペルギルス症といっても大きく3〜4つくらいの症型に分類できますし、それぞれに病態形成における炎症応答の機序や役割も少しずつ異なってくるわけですから、もう少し具体的に絞り込んでご質問いただいた方が皆さんお答しやすいと思いますよ?
一応、PubMedで軽く検索してみましたけど、「アスペルギルスの細胞壁成分であるβグルカンをマウスに経気道投与した場合に、肺で好中球浸潤や炎症性サイトカイン産生を伴う初期炎症応答が惹起される」ことを実験的に示した研究論文がありましたのでご紹介しておきます。
Int J Immunopathol Pharmacol. 2009 Apr-Jun;22(2):287-97.
Pulmonary exposure to soluble cell wall beta-(1, 3)-glucan of aspergillus induces proinflammatory response in mice.
Inoue K, Koike E, Yanagisawa R, Adachi Y, Ishibashi K, Ohno N, Takano H.
わたしは要約しか読んでませんけど、序論あたりにアスペルギルス感染に対する炎症応答の臨床的観察について報告している文献もいくつか引用されているのではないでしょうか?
もっともカンジダのβグルカンでも同様な炎症応答が起こるようですので、真菌感染に共通して観られる現象のように思いますが…。 |
|