結論を言えばどっちでもいいんですけれどね。合成オリゴでやるならわざわざ突出末端を作らなくてもいいと思います。
末端標識にもいろいろな方法があります。
>RI標識の際は5'末端が突出していることで相補的な不足部分をラジオアイソトープラベルされた核酸を用いて標識するみたいなのですが、
これはそのひとつに過ぎません。5'突出末端klenowなどでfill-inする反応で、5'alphaリン酸(デオキシリボースに一番近いリン酸)が放射性標識された、突出末端に相補となるヌクレオチドを取り込ませます。
これによって出来上がるプローブは、平滑末端になるもあれば5'突出が残る場合もあります(たとえば、gATC-5'の突出に対して標識dCTPだけ使うとATC-5'がのこるし、すべてのdT/A/gTPも加えれば平滑になる)。プローブとしてはどちらも使われます。
この方法で標識するために末端を5'突出にするだけなんですが、
>標識はビオチン付のオリゴDNAを発注するので、自分では標識しません。
なのに、
>ビオチン標識では相補的なオリゴDNAは5'末端が2〜4塩基突出している必要はないのでしょうか?
なぜそういう懸念を抱いたのか、思考回路が理解しがたい思いです。
末端ラベルの方法はそれだけではなくて他にも、
・脱リン酸化した末端に、gammaリン酸が放射性標識されたATPとpolyunucleotide kinaseを用いてリン酸化を行う方法→末端は突出でも平滑でも可能(5'突出は効率が落ちる可能性があるので避ける)
・T4 DNA polymeraseで、末端の3'末端のヌクレオチドと標識されたものとの交換反応を行う→平滑末端または3'突出末端であるためfill-inができないときに有効
・平滑末端の3'末端に、ターミナルトランスフェラーゼを使って標識ddNTPを付加する。ddなので一個だけ塩基が付加する。あるいはTaq polのターミナルトランスフェラーゼ活性を利用して標識dNTP一個の付加をする。
などなど。このうちリン酸化で標識する以外は、non-RIの標識をするときにも利用されます。 |
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