アジュバント効果を一言でいうなら、
「(ある物質を抗原と共に投与した場合に)抗原単独で感作された時よりも
強い免疫応答が誘導される現象」のことですから、アジュバントは、
「抗原と共に投与した時に、より強く抗原特異的防御免役(=獲得免役系)
を賦活化するような作用を与えうる物質」ということになりますね
一般に、抗原特異的な防御免役応答の発現は、
・抗原提示細胞による抗原物質の取込み・分解と抗原ペプチドの提示
・抗原提示細胞の成熟化に伴う共刺激因子等の発現および各種サイトカインの分泌
・抗原特異的T細胞クローンの増殖と分化
・抗原特異的B細胞クローンの増殖と形質細胞への分化
等々といった複数のステップによって構成されていますけど、
抗原と共に投与した物質が、それらのうちのどのステップの効率を亢進するか
(つまり作用機序)は明らかになっていなくても、
”結果的に(=現象として)”抗原単体で投与した場合よりも
強い抗原特異的防御免役が成立すれば、
「アジュバントとして作用している(=アジュバント活性がある)」
と判断して良さそうです
したがって、質問者さんのあげたもののうち、
@は、「抗原提示細胞による抗原の取込み」をより促進させるでしょうし、
AおよびBは、「抗原提示細胞の成熟化」あるいは「抗原特異的リンパ球
クローンの増殖や分化」をより促進する効果があると考えられます。
それら以外の(免役応答の)各ステップを賦活化するような物質も、
理論上、アジュバント活性を有する物質の候補になりうるものと
考えられますがいかがでしょうか? |
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