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透析によるタンパク質のロス
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No.1226-TOPIC - 2011/11/17 (木) 18:15:44 - タンパク質
みなさんお疲れ様です。
いつもこのフォーラムで勉強させていただいております。今回は最近私が行っている実験で困ったことがありましたので質問させていただきました。
その内容なのですが、私は現在タンパク質の精製を行っています。Prdm14というタンパク質をMBP、またGSTと融合させた融合タンパクを精製しているのですが、それぞれAmyloseレジンとGlutathione Sephalose 4Bというビーズを用いてアフィニティークロマトグラフィー(1mlずつ分画)を行い、その後に脱塩等のため透析を行っています。透析膜は市販のもので、MWCOは3.5Kです。実際に透析を行ってみると、透析前にタンパク質濃度が1000μg/ml以上あったにも関わらず、ほとんど0に近い値(1μg/mlもありません)となってしまいます。3回ほど行いましたが同じような結果になりました。融合タンパク質はこの後免疫に用いる予定なので最低でも500μg/mlはほしいです。考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?透析中に中身が漏れていること以外はもう思い当りません…。
ちなみに融合タンパクのサイズはMBP-Prdm14が95kDa、GSTのほうが79kDaになります。またタンパク質量の測定にはBCA Protein Assay kit(Thermo scientific)を用いています。
つたない文章で申し訳ありません。ご回答よろしくお願いいたします。
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No.1226-8 - 2011/11/23 (水) 20:02:05 -
月詠
扱っているタンパクの分子量がかなり大きめですので、わたしだったら、
あっさり遠心タイプの限外濾過フィルターに頼ってしまいます
emaさんがおっしゃるように、膜に非特異的に吸着してしまわない限り、
素通りしても下層のろ液から回収できますし…
低分子量のエクストラバンドも複数併存しているとのことですので、
30〜50Kくらいの大きめの孔径を使えば、
ある程度の分離と濃縮を同時にできるので一石二鳥だと思います
濃縮後、交換したいバッファーを上から足して限外濾過を繰り返せば、
バッファー置換と脱塩も同時にできてしまうので便利です
真っ当な精製屋さんからはお叱りをうけてしまうかもしれませんけどね…
(無題)
削除/引用
No.1226-7 - 2011/11/23 (水) 03:09:16 - ABZO
2つのうちどっちかだな。( )は対策。
1. 結び目からじわじわ漏れてる。(クリップみたいのは以外に漏れるときあるよ。縛る方が確実と思う)
2. 袋が緩くて外液が流入して内液がかなり希釈されてしまった。(液入れて袋閉じる際、袋はあるていどパンパンの状態にしておくといい)
(無題)
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No.1226-6 - 2011/11/18 (金) 11:25:02 - タンパク質
こんなに早くご回答をいただき、大変うれしく思います。ありがとうございます。
アフィニティークロマトグラフィー後のことですが、SDS-PAGEとウェスタンブロッティングによって溶出の確認を行っています。どちらにしても目的の位置にバンドはみられるのですが、確かにより小さなバンドが多くみられます。特にSDS-PAGEではとても小さなサイズのバンドもあります。冷静に考えてみるとMWCOが3500でもほとんどが通過してしまっているのかもしれません。実際には融合タンパクがほとんどとれていない可能性もありますね…。
BCAアッセイにおけるブランクの件ですが、溶出バッファーの溶媒である、Tris-HCl(pH8.0)を用いていました。グルタチオンはビーズに結合してしまうので、グルタチオン抜きの溶出バッファーでいいだろうと勝手に考えて使っていました。この場合は逆にブランクが低く、実際のタンパク質量はもっと低いということも考えられそうですね…。あまり関係ないですが、透析後の測定にはPBSを用いています。
Glutathione Sephalose 4Bのインストラクションを読ませていただきました。確認不足でお恥ずかしい限りですが、確かにグルタチオン存在下では正確にタンパク質濃度を測定するのは難しそうですね…。しかしこれでGSTのほうはこれが原因とも考えられるようになりました。解決に一歩近づけたと思います。
脱塩カラムを使うことも考えていましたので実際に試してみようと思います。また、透析後のサンプルについてウェスタンブロッティングで本当に融合タンパクそのものがなくなったのかも調べてみようと思います。
たくさんのご意見本当にありがとうございます。まだまだ未熟者ではありますが、みなさんのように広い視野で物事を考えられるようになりたいと思います。
(無題)
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No.1226-5 - 2011/11/18 (金) 09:30:48 - 回し者では、、、
まあ、かなり取れているので、もう一歩で、PBSなどのバッファーに置換して免疫というところでしょうか。
脱塩カラムを私はお勧めします。GEとかで出しているやつです。Sephadex G-25とかと相性が悪いならダメですが、かなり良く使われていると思います。
(無題)
削除/引用
No.1226-4 - 2011/11/18 (金) 09:16:00 - ~
>アフィニティークロマトグラフィー(1mlずつ分画)を行い、その後に脱塩等のため透析
と書かれていますので、
>透析前にタンパク質濃度が1000μg/ml以上
これはクロマトグラフィー後、透析前のBCAでの測定値なのですよね。
Glutathione Sepharose 4Bのインストラクション
http://www.gelifesciences.com/aptrix/upp00919.nsf/Content/AF3255194E7F4805C1257628001D2AAA/$file/52230300AK.pdf
で、
The concentration of GST-tagged protein may also be determined by
standard chromogenic methods (e.g. Lowry, BCA, and Bradford assays).
If Lowry or BCA assays are to be used, the sample must first be buffer
exchanged using a HiTrap™ Desalting column or dialysed against PBS to
remove glutathione, which can interfere with the protein measurement.
The Bradford method can be used in the presence of glutathione.
と書かれていますので、そのタイミングでのBCA法での測定自体に無理があるのでは?
(無題)
削除/引用
No.1226-3 - 2011/11/17 (木) 20:35:30 -
qq
>透析前にタンパク質濃度が1000μg/ml以上あったにも関わらず
このような濃厚なタンパクであれば、1-2ul程度をそのままSDS-PAGEにかけると、CBBでくっきりバンドが見えるはずですが、いかがでしょうか?
BCAアッセイで使うブランクは、溶出バッファを使っていますか?
グルタチオンは、BCAアッセイで高いブランクを与えそうに思えますが、どうなんでしょうか?
透析膜でなにかもれが?
削除/引用
No.1226-2 - 2011/11/17 (木) 18:27:47 - ema
透析膜からもれてはいないですね?それとも本当は無かったのか。
溶出液って結構いろいろな物質がはいっているので何を基準に
>1000μg/ml以上
なのかはわかりませんが無いのかもしれません。
脱塩カラムを使う
限外濾過膜の遠心チューブタイプで行ってみて、最悪素通りしたものは下にたまっているのでレスキューは効くと思います。
透析によるタンパク質のロス
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No.1226-1 - 2011/11/17 (木) 18:15:44 - タンパク質
みなさんお疲れ様です。
いつもこのフォーラムで勉強させていただいております。今回は最近私が行っている実験で困ったことがありましたので質問させていただきました。
その内容なのですが、私は現在タンパク質の精製を行っています。Prdm14というタンパク質をMBP、またGSTと融合させた融合タンパクを精製しているのですが、それぞれAmyloseレジンとGlutathione Sephalose 4Bというビーズを用いてアフィニティークロマトグラフィー(1mlずつ分画)を行い、その後に脱塩等のため透析を行っています。透析膜は市販のもので、MWCOは3.5Kです。実際に透析を行ってみると、透析前にタンパク質濃度が1000μg/ml以上あったにも関わらず、ほとんど0に近い値(1μg/mlもありません)となってしまいます。3回ほど行いましたが同じような結果になりました。融合タンパク質はこの後免疫に用いる予定なので最低でも500μg/mlはほしいです。考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?透析中に中身が漏れていること以外はもう思い当りません…。
ちなみに融合タンパクのサイズはMBP-Prdm14が95kDa、GSTのほうが79kDaになります。またタンパク質量の測定にはBCA Protein Assay kit(Thermo scientific)を用いています。
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